tannenbaum居眠り日記💤

観戦者の目による、おもに自転車(おもにシクロクロス)関連のすみっこネタブログです。

東海シクロクロス最終戦 ワイルドネイチャープラザ@接待サイクロクロス(その2)

(ここまでのお話)東海シクロクロス最終戦を見に行きたかった私は、"接待サイクルクロス”に同行することになった。サプライヤー様はカテ3レースで皆の眼を見張らせる走りをし(前篇)、このあと自ら開発に関与したフレームに乗るカテ1選手のピットクルーを務めることになっている、フルコース接待である。
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(同じ自転車2台だがフォークに番号シールが。そして区別がつくように微妙にパーツの色がちがうとか聞こえたけどどこが違うのかな)

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さて、「シクロクロス観戦のキモは試走にあり」という格言に従い、昼の試走を見に行った。
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  • やはり、みどころは砂の下り坂?

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(なんとかっこいい)

  • 砂を巻き上げ障害物(遅い人)を避け華麗にひらりと下っていく緑色。國井選手だ。速い上に余裕を持っている。そういえば國井選手は今季の東海シリーズ第5戦で勝っている。中間選手インタビューの際にマイルポストで出会っておめでとうを言った記憶がある。

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  • もう一人緑のマイルポストジャージ、ということは國井さん推しの山中選手。ぎゃー、速い。右側を通る選手が多くて、こっち側のラインをまっすぐこんなに速く来る人はいなかった。國井選手との違いは、砂が飛んでない。どういう仕組みなんだ(写真で見ると速く見えないのはどうしてだろう。)
  • あっという間にギューンと行ってしまった(あーびっくりした)。
  • 先生、山中選手が一番速いと思います!

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(この写真なぜこんな通過した後方の砂が巻き上がってるのかわからない。)

  • もちろん、今回サプライヤーを接待しているカテ1選手も朝食後の二度寝が効果あったのか砂をぴしぴし蹴立てて速い。カテ1選手は昨シーズンここのコースで、筧五郎選手との雨中の一騎打ちを制している。 http://cyclist.sanspo.com/173417(そのレースのCyclist.sanspoの記事。東海シリーズのレースづくりについても言及がある)

他にも速い人はいたが、速くてかつ余裕があったのは上記3名が抜きんでていたように見えた(素人目)。あと写真がないが白黒っぽいジャージの選手の砂下りも速かった。見た感じMTBの人っぽい雰囲気だった。

  • 砂の坂を下ってきてから一段と深くなる砂で止まりそうになる人が多かったが押すか乗るか、というところで上位の人は軽く乗って行けてさらに周囲と差がでる、という感じにみえた。平たい砂地や林間も距離があって体力勝負要素もあるから、どうかな。

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(これはカテ3のレース中の写真。)

  • というシロート感想を試走が終わってからカテ1選手のクルマ周りにいた人たちに言ってみたけど全員がベルギーのKoksijdeの経験あるお歴々からの反応は薄く(哀)ほかのだれがどうというより国内で類をみない充実の砂コースに夢中という感じである。Koksijdeは舗装のストレート区間がけっこう長い。しかしここワイルドネイチャープラザのコースは砂か、そうでなければ林間区間。舗装は一瞬で、つまり休みどころがないということらしい。が、皆嬉しそう。

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(これだと様子がわからないと思うけど、Koksijdeはホームストレートの舗装路が広くて、がっつりあった。)
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  • ここのコース、最高だよ!とアゲアゲで30年物のローラーをごうごう大音響をたてて回している。

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  • マスターズクラスに私の地元埼玉ARAIチームの人のジャージが見え、なぜか心やすらぐ。そういえば、関東のレースと違うのは会場で遭遇する知り合いが非常に少ないことだ。しかし、その分やたら沢山の人の写真を撮る→あとで編集で疲れる、といういつもの癖に陥ることなく、のんびりとできたかも。

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(こういう林の区間もあるのだけど、踏みしめてもふかふかくずれる砂で足腰に来はじめていたので、あまり移動せず基本、丘のあたりで見ることに、撮影場所の変化がすくなくてすみません)
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  • クニイさんともう一度話すとここで再度山中選手推し。いや、さっきのを見ると納得です。

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M1ではこの方筧五郎選手が独走。
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(圧倒的だった。)
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  • さっきまで旧信州組の溜まっているところにやってきて、カテ1選手のバイクに乗ってみたりしていたのだった(カテ1のレースのときは往年の信州クロス時代名物?だったらしい海パン姿で佐宗さんを応援していたのだとか。)

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さて、いよいよC1招集。
http://gcf-fukyu.p2.weblife.me/cx/wildnc.html ←ここにスタートリストがある。
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  • 地元の強豪が前に。右手奥から東海シリーズトップの岩田選手、オッチー、オッチーとたくさん声のかかっていた落合選手。その手前黒いジャージが蜂須賀選手、前編でお話しをうかがった方だけれど、シリーズトップクラスです。

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  • ゼッケン番号23番までが東海のスタンプカード、じゃなかった東海のポイントを持っている人たち

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  • 東海のポイントを持っていない人たち。めっちゃ後ろ感満点の33番のカテ1選手はこの後列スタートから、どれだけ前に出られるか。気軽に「サプライヤー様接待だから、勝つんですよね」などと言ってしまって、悪いことをしました。

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  • なごやかですね。マイルポストの二名は、東海のポイントを稼いているので、最前列確保。

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(砂煙)

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流し撮り成功)

  • 時間差でスタートしたL16名のなかには先日お台場のあと女子会でご一緒した森選手。ご実家がこちらのほうだとかで、参戦。ホールショット獲っていた。埼玉川越の時の鐘をあしらった、BOUNCEのジャージ。

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  • 待てども待てども戻ってこないカテ1選手。後方の団子のなかにいた。

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  • サプライヤー様は今回の接待のもう一つの重要ファクター、ピット入りをしている。ということは、ピットクルーの労に報わなければならないカテ1選手。なお前日、サプライヤー様のからカテ1選手へのアドバイスとしては、暑いので前半から無理をせずセーブするようにというものだった。

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  • のびやかに前を走る山中選手。

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  • あ、この人だ、下りでもう一人速かった人。大渕選手。ゼッケン番号が大きくてシードではなかったけど、もうこんな前に出ている。

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  • カテ1選手、前方集団からはるか後方に追いやられていますが、腐ってる暇ありません。接待サイクルクロス。

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  • 日本代表チーム監督澤田さん、20年間落ちることなくC1を維持しているのだそうです。

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  • 前では山中選手、そして國井選手も上げていっている。マイルポストの天下になりつつあった。
  • 前方の選手が見えない状況で走るカテ1選手、下りで順位を稼ぐ。

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  • サプライヤー様のアドバイスもあり、コツコツとすこしずつ前に出ていたのだとか。この日はとにかく暑かった。カテ1選手、今シーズン初めの暑かった茨城シクロクロス(小貝川)ではリタイアしている。毎周回、サプライヤー様は落ち着くようにアドバイスをしていたらしい。サプライヤー様の頭は、クールである。

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  • 今シーズンの動画撮影終了宣言したpigmon氏ですが、新機材テストのため撮影中でした。

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  • チーム36隊、沢山選手がいる大きなチームでした。岩田選手のバイク交換シーン。

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  • 関西クロスで、沿道のチームメイトが選手にポテロングを渡す風習のある「チーム宝塚線」も在東海メンバー辻さんがいる。いつぞやのジャパンカップで一緒に観戦しましたね。

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筧太一選手の巻き上げる砂。
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  • 相変わらず写真にすると速そうな感じのしない山中選手。國井選手は一緒にはいないようだが、2位を走っているらしい。

佐宗さんから山中選手についてレース翌日メールがきた。

山中真はもうずいぶん前からマウンテンのエリートで力強い走りをしていたので注目してました。強大なトルクで踏み倒す、ジャイアントの門田と似たタイプではないでしょうか。一時期、参戦してなかった年があったみたいで14年の琵琶湖・高島でエキパでぶっちぎりの速さでした。

  • ギアが重いから、「いかにも速そう」には見えないのかな。

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  • 猪俣選手を久々に見た。以前GPミストラルで頻繁にお見かけしたが、マスターズ世界選に出場された方ですね。

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  • あの人かっこいい、という声を佐宗さんに対して聞いたような気がする。52歳ですよ、とその声に答えたくなった。後日、ご本人によれば、沿道の女の子二人組にもてはやされていたとか。砂の下りでは一度しか脚をつかなかったそうです。

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  • その後もカテ1選手は順位を上げてきていたが、先頭とは2−3分?かなりの差がついてしまったのでせめて、表彰台。でも難しいかなー。。と吉松さんと話していた。写真は、ラスト2周回目?シリーズリーダーの岩田選手のことは抜いたようだ。となると、かなり上位まで上がってきたということになる。カテ1選手、このころにはアドレナリンがバンバンでて前にいるものは全部抜かしていくモードが入っていたらしい。

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  • 毎回差をつめるセクションである砂の下りも、もうターゲットが残っておらず、離れている。おそらくラスト3-4周あたりでは前を走る大渕選手と30秒離されていた。まだ30秒もあるねえー、これは厳しい、と吉松さんと私は話していた。

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  • 各選手、踏ん張りどころ。

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(ピットでカテ1選手に声をかけているサプライヤー様。)

  • サプライヤー様によれば当初は、ラスト一周半で行け、という指示を出すつもりだったが、前を行く3位の大渕選手との差が残り2周半時点でまだ大きかったので、その時点でGOサインを出した。ということだった。

もう垂れることはないから、攻めていきましょう。

と言ったらしい。
サプライヤー様にレース戦略を練っていただくサイクロクロス接待。難易度が高い。

  • そばでピットに立っていた富山ドロタボウの清水さんからレース後聞いたところでは、サプライヤー様は毎回カテ1選手に声をかけているが、低いくぐもった声で、カテ1選手はその指示内容が聞こえているのか心配するほどだったとか。
  • しかし、カテ1選手は、サプライヤー様の指示はすべて聞き取れていたそうです。二人は長いお付き合いですからね。http://www.cyclocross.jp/partners/2016/tsss02.html

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  • 國井選手も集中しきった表情。2位は盤石のよう。

そして最終周回。平地から砂丘に戻ってきたあたりの大渕選手とのタイム差がまだあったので、吉松さんとああ、もう難しいねえ。すごく詰めたのにねえ。と言っていた。

  • 最後の丘の頂上あたりで、前の大渕選手がいったん脚をついた。まだ差があるけれども

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  • それまでの周回、何人も追い越してきたセクションだが、坂を下りきったあたりで大渕選手がもう一度踏むと、順位は結局そのままで砂山セクションから出て行った。
  • すごいなあの大渕選手の踏み返し。でも、表彰台だめでもホームストレートはしっかり見届けよう、と吉松さんと移動。

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  • すると前で帰って来た。3位だ。こちらからは見えなかったが、後ろについて平地のどこかのコーナーで抜いたらしい。2位まではとっくにゴールしているけれど、タイム差のついた最後尾集団にいたことを思うとよく追い上げたもの。

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  • よかったよかった。吉松さんはゴールラインに走ってゆく、献身的に。
  • いっぽう、私はというとまず結果に安心し(帰りの車もこれでムードは悪くないであろう)、他の選手を撮っていた(薄情)。最後なので平地区間のほうにも移動して、流し撮りしてみたり。辛い長いコースをよく皆走って来たなあ。じっとしてカメラ構えるだけで消耗するのに。

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昔の信州の人たちだろうか、林の中から、佐宗、佐宗、とサソウコールが聞こえる。
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  • 本当に鬼だったころの佐宗さんを知る人たちから、いまだに慕われている。
  • 轍がちゃんとできてなくて全面にごちゃごちゃと線が引かれている感じ↓

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(このころ、出しつくしたカテ1選手はゴール後過呼吸状態になりサプライヤー様の足元で、バッタリ倒れていたらしい。写真は見守っていた吉松さん)
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(写真:吉松さん)

  • あっぱれな接待サイクロクロス。ものすごい、労力でした。

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そして表彰式です。上位2名は、このシリーズにこれまで参戦して東海のスタンプカード(違)をもっているせいか、関東組ながらホームな感じ*1
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  • ゴール直後のバッタリから回復したカテ1選手は、難しいへの字口をしているものの、内心、次にマイクが回ってきたら何を話すか考えていたのだそう(本人談)。
  • 誰もが、表彰台に上ったら楽しみにするインタビュー。…

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・・結局、1、2位のコメントのあと、
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(への字を直すチャンスはなかったようで。)

  • 彼だけマイクは廻って来ませんでしたとさ(哀)…

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  • 観客はいいムード。

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  • いっぽう、この人たちの背中の表情はいったいなんなのか。小学校の「下校の音楽」とかが似合いそう。

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  • 出し切った満足感、終わった感、これから300キロ運転する感(苦笑)

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・東海クロスシリーズの締めくくりの表彰は大いに盛り上がりを見せていました。
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・コースがよくて、運営がたしかで、競技に熱心な観客、アットホームな東海シクロクロス。今後も大いに発展しそうな予感です。

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(写真:吉松さん)
私はサプライヤー様がレース後に言った言葉が忘れられない。

カテ1の人らって、ほんまにようやるわ。
よっぽど好きやねんなと思った。

彼が語る言葉、ずっしりきた。

  • ほんまにようやる、よっぽど好きやねんな、というのの日本一ぐらいなことをしていたのが、当のサプライヤー様だったのだから。

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(追記)
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  • 撤収前。”team Koksijde"の面々は、口をそろえて、来シーズンもこのワイルドネイチャープラザで走りたい、と言っていたのでした。

なにもかも 砂のせいだ

って。(http://blog.livedoor.jp/bikintv/archives/52455213.html より拝借。)
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  • 今回はカテ1選手とサプライヤー様の動きをまぢかに、一喜一憂しながら観戦させていただき(それでもまだのんきなシロート傍観者でしたが)、レースのもつ魅力といろんな側面についてあらためて感じることができました。本当にどうもありがとうございました。

(Special thanks to: 辻浦圭一さん、池本真也さん)

*1:でも、東からきた選手ばかりが表彰台独占だな、という声も漏れ聞こえてきた。