日経新聞連載「サッカー大国はいま」⑥経営危機、すばやく復元-ボルシア・ドルトムント
16日が連載最終回だったようです。日経はドルトムントの再建は正しい方向にあると見てるようです。
チャンピオンズリーグはクラブに大きな富をもたらすが、その巨額の出場料や放映権料を見込んで選手獲得に大金をはたいてしまったクラブには経営の危機が。ボルシア・ドルトムントはドイツ一の集客力を誇るがその過ちを犯し、経営破たんの危機に陥った
サッカーの成績しだいで経営状況が大きく変動する会社になってしまっていた
経営戦略に繊細さを欠いていた。
- 高い収入を見込んだ大物選手の獲得
- 本拠地の増築
- 株式の上場
- ホテル経営に進出
その後
- 高額で取得した選手が移籍金なしで流出
- マーケティング契約の内容が不備で利益をのがす
- みる間に上場益の1億4300ユーロを失う
- 8900万ユーロの負債を抱え込み、昨季7900万ユーロの赤字を計上
債務の返済期限が迫った今年二月
- 経営陣刷新
- 70超す債権者に再建策を示し、粘り強く交渉、全債権者が支払期限の延長を了承し、プロライセンスが下りる
新経営陣の再建策
集客力平均一試合7万3000人、3000万ユーロものスポンサー収入を上げる『ブランド力』が生かされていない(バーツケ社長)
- スタジアム命名権の売却、ヴェストファーレン・シュタディオンはジグナル・イドゥナ・パークへ。旧名称に愛着を持つサポーターの心理に配慮し、新しいロゴはジグナル・イドゥナ保険会社のカラーである青と白ではなく、黄と黒のロゴをスタジアムに配置した。
- 人件費を4700万ユーロから2600万ユーロに圧縮するも、ブランド力維持とファンの心をつなぎとめるためロシツキや中核選手は確保することを名言
イングランドのリーズとの対比。リーズは01年CLで4強入りしたら、その後経営危機に陥る。CL早期敗退、収入大幅減、大物放出、二部落ち、選手流出の負の循環を断ち切ることができなかった。
- 対照的にドルトムントは再建へ向けて正しく舵を切った。
今季はほぼ赤字をなくせる(バーツケ社長)
この復元力もまたドイツの強さ
と日経の記事では締めています。
いつも思うけど、チャンピオンズリーグで得られる収入が法外すぎるのがいけないような気がする。不健康だ。CLで得られる富の誘惑は悪魔のささやきである、と日経の記事でも言っています。