リベンジ
世界選U23、場所取りしそびれた(苦笑)
ジュニアのレースの後、場内を回って楽しんでいた。電動コンポに(デュラエース?)熱く鋭いチェックを入れる人々の人だかり@シマノブース。なんとなくマグロの競り市もしくは大阪梅田の阪神百貨店の地下食料品街のような活気が。。
ほこらしげに場内を自転車で走り回っていた少年たち。チェックをいれたcross_check さんによるとなかなかのパーツを使っていたそうです。
ビールとホットドック(Braadworsten)で昼食をとっていると、グループでいたおじさんの一人がちょっかいをだしてきた。また明日のエリート男子は誰が有力かなー、日本人?こっちに住んでるの?わざわざ日本から来たなんて、仕事?違う、遊びで。なんてパターンの話をして、みんなと写真を撮ってまたね、さよなら。
…なんてしている間に。
レース30分前にして、すでにすごい人。もう前列無理。比較的背の小さいおばあさんたちの後ろに陣取った。
レース展開もよくわかりませんが、わらわらと多くの選手をみた1周回目
あっ、パンク?遅れてしまった選手。サバンナで取り残された草食動物のようによるべない姿。
先頭はLars Van Der Haar (オランダ)とWietse Bosmans (ベルギー)Arnaud Grand (スイス)←FIDEAのポストカードで見たことあるかわゆす
多くの選手が下りて押す区間。このスイス人はGrand 君ではありません
ドイツ人、乗っていくね!砂の巻き上がりっぷりがすごい。と思ったら昨シーズン大活躍したワルスレーベン、今シーズンは目立っていない。
人がたくさん前にいますが、このときは報道カメラ用のエリアの後方におりました。すでに戦いは、Lars Van Der Haar とWietse Bosmans になってたでしょうか。
当初飛び出したVan der Haarに最初の周回終了間際に追いついたBosmans, その後は二人旅となる。
私の目の前のおばあさん二人は、レース前は小さく大人しそうだったのに、始まると伸び上がったり、鋭い声で声援を送ったりと、ベテランぶりにおみそれいたしましたが、肝心なときに伸び上がる二人に、当方の撮影はかなり困難に(笑)
オランダ対ベルギーの息詰まる戦いに、地元ベルギー観客は、Bosmansのファーストネームを連呼して応援。
”Wietse, Wietse”というコールがこちらで終わったらあちら、という風に先頭が通過する場所ごとにこだまする。
(初めて音声ファイルをアップしてみます。)
携帯で録ったヴィーツェコール(257.8K)(音がでます)
- それほどベルギー人を熱くしたBosmansは砂地区間においてはこのところU23カテゴリを席巻中の怪童?神童?Van der Haarを上回る走りを。
- しかし、中盤二人に追いついたVan der Heijden、Bosmansは多勢(オランダ二人)を相手に一人のたたかいを強いられる。
=============
UCI Cyclo-cross World Championships 2012: U23 Men Results | Cyclingnews.com
- CNのレースレポートを読むと、最初の3周回までは砂地で一度もバイクを下りないで乗れたというBosmansは消耗せずに済んだが、3周回目、オランダのメカニックが、Van der Heijdenが追いつきつつあることをVan der Haarに伝えているのを聞いて、力を使いすぎるのはやめようと思ったとか。
- その後3名になった彼らは、かわるがわる加速して相手を振り落とそうとする。オランダ人二人は、Bosmansを振り切ろうと試みるが、Bosmansは厳しい攻撃に対しすべて持ちこたえることができていた。ベルギー人は胸を熱くしたことでしょう。
- そして運命の最終周回まで勝負が持ち込まれる。
(これは多分最終周回。3人が入れ替わりながら橋を越え、最後の勝負どころに差し掛かるところ。遠目にみても興奮した。)
- 勝負を決した場所は砂地セクションの最終ストレッチ”X-dune". (たぶん私が人垣のうしろから歓声を聞いていた場所)
- ここまではBosmansが勝利を手中にしたかのように見えた。小さいギャップを取り戻してコーナーで突っ込みBosmansと肩を並べたVan der Haar, 内側のポールにあたってしまい、結果、Bosmansがバイクを降りざるを得ないことになりそれでギャップを稼ぐことができた。
- 後方からバイクを下りないで迫ってきたVan der Heijden、Bosmansはここで万事休す3位に落ちるかに見えたのだが、Bosmansの絶妙なコース取りにフェンスに追い込まれ、追い抜くことができなかった。
(この最高の勝負どころシーン、わたしはおばあさん達の後ろを離れてまったくコースが見られないストレート寄りの分厚い人垣の後ろ、しかしそれが起こったすぐ横にいたと思われる。ベルギー人たちのため息とブーイングが何度かに分かれて沸き起こる真後ろにいたので、ああ、競り合っていた二人のうちオランダ人が前にでたんだろうなというのはその場で感じ取れた、先頭3名が通過したあとのベルギー人たちのあーあ…という静まりが印象的だった)
- ゴール後涙にくれたらしいBosmansは、そのX-duneに先頭で入ることができたら自分が後続とギャップを作ることができたはずなのに、と振り返り、Van der Haarは存在しないスペースに入りこんできたとコメント。
- その後最後の砂の下り。BosmansはVan der Haarのミスに乗じて一瞬リードするがそれを拡げられず逆に再度Van der Haarにリードを許すこととなった。Van der Heijdenはそのときには遅れていた。
で、Van der Haarが言ったコメント。
砂地ではBosmansがベストだったが、レースで勝つためには最速であることが必須ではない。自分は賢く走ったと思う。
というようなことを言っていたようです。すごい底知れない感じの小柄童顔の恐ろしい子。彼の走りっぷりを別のレースでも見てみたい。そろそろエリートにあがってくるのでしたっけ。
しかし1994年のオランダ対ベルギー、Richard GroenendaalとPaul Herygersの戦いの再来ともいわれているらしい熱いレースだったようで。負けたBosmans も勇敢な走りであったと評価されている。
- 私はレース自体はあまり肉眼で確認できなかったが、まさにその興奮のるつぼに立って直接肌で感じることができて良かったと思う。
動画。U23 の問題の決定的シーンは7:44あたりから。
===============
そしてその1週間後、Bosmansはアルカンシェルをまとった(二年目)Van der HaarをGVAトロフィー、雪のLilleで破ることとなった。
GVA Trofee - Krawatencross 2012: U23 Men Results | Cyclingnews.com