tannenbaum居眠り日記💤

シロート観戦者による、おもに自転車(おもにシクロクロス)関連のすみっこネタブログです。

辻浦選手の再スタート 松本城シクロクロス(9月23日)


松本のタウン情報紙松本平タウン情報に掲載された辻浦選手と松本シクロクロスの記事を書き起こししたものをFacebookで拝見したので、転載させていただきます。
(Thanks to: 小金井三郎@koganei3 さん)

執筆された浜さんの文章がすばらしいので、テキストにしました。

松本平タウン情報 2012年9月20日号 11面 浜秋彦さん署名記事

生きる 「難病克服 競技復帰目指す」 プロ自転車選手 辻浦圭一さん(松本市

「夢だと思っていたレースが実現する。これからの人生の新たなスタートにしたい」。MTBのプロ選手・辻浦圭一さん(32、松本市並柳)は23日、松本城公園を使った初の自転車レースに出場する。2010年までシクロクロス全日本選手権を前人未到の9連覇するなど国内のトップ選手。しかし今年、難病に侵されていることが分かり。一時は現役引退を決意。そこからはい上がり、復活をかけるのは自身が描いた夢舞台だ。
奈良県出身の辻浦さん、02年、シクロクロス全日本選手権で初優勝。その実績が認められ翌年、国内の自転車メーカーとプロ契約。シドニー五輪のMTB日本代表の鈴木雷太さんらトップ選手が集まっていた松本に移り住んだ。シクロクロスはオン、オフロードのレースをロードレース用に似た自転車で走る競技。コース途中に障害物があり、自転車を降りたり、担いだりする。
10連覇をかけた全日本選手権を目前にした昨年12月、「どんなに練習しても調子が上がらない」と辻浦さんは不調に苦しんでいた。その不安は的中、本番のレースは2位に終わり連覇は途切れた。
「年齢的に衰えたかな」などと感じた辻浦さんだが、気持ちを切り替え、02年から恒例になっているヨーロッパ遠征に出発。今年1月、ベルギーでの世界選手権にも出場した。
明らかな体調の変化はそのころから、物が2重に見え、足元がふらつき、まともに歩けなくなった。ベルギーの病院で検査「ストレスが原因では」との診断に「一安心と同時に『本当にそうなのか』という不安もあった」。2月上旬、遠征も終わりに近づいたころ、症状が悪化。帰国後、眼科に直行したが、結果は異常なし、次に脳神経外科に行っても異常なし、再度、眼科で検査したが結果は同じだった。
「病名は『重症筋無力症』です」。信大病院(松本市)の医師からこう診断されたのは帰国後2週間以上たった時だった。「胸に胸腺腫もあります、すぐに入院してください」
重症筋無力症は日本では特定疾患に指定されている難病で、発症は10万人に4、5人といわれている。また胸腺腫はその合併症で、特に辻浦さんの場合は、腫瘍がこぶし大まで肥大、大がかりな手術が必要だった。
3月1日に入院。胸腺腫を取り除く手術は胸を約20センチ切開した。約6時間の手術が終わり、集中治療室(ICU)で気がついた時には「体に6本の管が入っていた」という。
一般病棟に移っても体調は一進一退。物が2重に見えることも治らず、自力で顔を洗ったり洋服を着替えることもできなかった。「日常生活化できるようになりたい一心、自転車のことなど考えられなかったし、もう無理だと思った」と引退が頭をよぎった。
辻浦さんは松本に移り住んで10年、プロの自転車選手としてほとんどの時間を過ごし、「自分の中では故郷」と言い切る。一つの夢があった、それは「松本城でレースをやること」だ。「日本の自転車競技はひとがあまりいない場所でやることが多く、魅力を伝えられない。松本のシンボルでだったらそれだけで発信力がある」
その思いを共有したのが知り合いで、23日のレースを主催する松本青年会議所山本篤司さん(37)。約2年前から本気でレースの実現を目指してきた。
山本さんの尽力で、道路の使用許可もおり、日程もほぼ固まった時期に襲われた病魔。入院中に辻浦さんは「レースに協力することはできない」と山本さんらに伝えた。
5月、「2、3年後だったらプロ選手として戻れるかも」。日常生活に支障がなくなり、退院を迎えた際に医師から言われた言葉だ、「『戻れる』という言葉がうれしかった」と辻浦さん。退院後は競技復帰を目指してリハビリを開始。「病気とは一生付き合わなければならず、ちょっと無理してでもできることはやりたい」と表情は明るい。
今後、契約の問題など「生活面での不安はある」としながら、「お城でのレースが、立ち上がる大きなモチベーションになった。病気を良かったとは思わないが、これからの人生のプラスにしたい」。
レースは23日午前9時スタート。辻浦さんの第二の人生も走りだす。

=============
レース会場は松本城公園の一部および北側観光バス駐車場を使って行われる。市街地のためか、レース時間は20分と短いが、その意義を感じて集結した選手の顔ぶれは豪華。

  • 竹ノ内 悠 /チーム ユーラシア / 2012年シクロクロス全日本チャンピオン
  • 斎藤 亮 /MIYATA-MERIDA BIKING TEAM / ジャパンシリーズ第一戦 優勝
  • 池本 真也 /ワコー機器 アーサー / 2003年 世界選手権日本代表
  • 小坂 正則 /スワコレーシング / 2005年 マスターシクロクロス世界選手権 2位
  • 小坂 光 /宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム / 2009年 シクロクロス世界選手権 日本代表
  • 筧 五郎 /イナーメ信濃山形 / 2010年 乗鞍ヒルクライムチャンピオン
  • 平野 星矢 /チームブリヂストンアンカー / 2009年 ツールド美ヶ原 チャンピオン・MTBアジア大会日本代表
  • 沢田 雄一 /チームサイクルマインド / シクロクロスナショナルチーム監督
  • 山田 将輝 /リミテット846
  • 山田 誉史輝 /happy ride
  • 松本 駿 /TREK / 大滝村セルフディスカバリー・110キロ優勝・120キロ優勝
  • 山本 兆 /バイクランチ / ユースオリンピック日本代表
  • 矢野 大介 /Speedvagen Cyclocross Team
  • 辻浦 圭一 /2003〜2011年9年連続シクロクロス全日本チャンピオン
  • 鈴木 祐一 /ライズライド
  • 前田 公平 /Speedvagen Cyclocross Team / 2012年マウンテンバイク世界選手権日本代表
  • 篠原 尊敏 /CLUB vient / 2011年マスタークラス・シクロクロス全日本チャンピオン
  • 三上 和志 /cycleclub3UP
  • 合田 正之 /cycleclub3UP
  • さらに!コース内には立体交差があるとの情報が!立体交差いいですねー!

昨年12月の全日本選手権スタート前の辻浦選手。
DSC_6865
レース中。
DSC_7058
(photo by: tannenbaum)
=============
本日22日はサイクリングイベントや交流会もあるようです。

  • たくさんの人々が集まってよいイベント&レースになりますように。
広告を非表示にする