Loenhoutで酔った若者に説教したNysは総合争い脱落を選択
もうかなりの話題になってますが貼ります。
- 最初はリアルタイム。人ごみの中で小突かれる若者。よく見るとそばにNysが立っているが、立ち去る。
- その後リプレイ。ビールの入ったコップがホイールに当たったNysが自転車を静かに置いてコーステープを超え、逃げる若者を人垣を縫って追う。おびえる若者に話しかけるところで画像ストップ。
- 再び走り始めるNys。怒っているのだろうけれども、冷静だ。
この日終了後の総合タイム差はこんなになっちゃいました↓
BPOST BANK TROFEE - ELITE (28-12-2012)
1 (1) Niels Albert BKCP - Powerplus Cycling Team 4:49:31
2 (3) Kevin Pauwels Sunweb - Revor Cycling Team + 05'18''
3 (4) Klaas Vantornout Sunweb - Revor Cycling Team + 06'08''
4 (2) Sven Nys Landbouwkrediet + 06'21''
Beer-throwing fan ends Sven Nys’ Bpost Bank Trofee hopes
- レース後、自分のキャンピングカーの外でメディアの質問に答えたNysのコメント↓(上記velonation 記事と掲示板podium cafeに貼られていたインタビュー訳を参考にしています)
2回の落車、1回目はまだ脚が残ってるし挽回できると考えていたけれども、2回目はかなりきついもので心理的にもダメージを受けた。7周回連続で同じ場所で同じ人間がビールを私に掛けてきた。私だけを狙っていたかは定かではないが、自分のされたことしかわからないので。
2回のクラッシュでストレスが溜まっていたのが理由じゃないが、大きく遅れたことで、ストップする選択が生まれたんだ。私は「何故こういうことをするんだ、何をしたいんだ」と静かに質問することに決めた。「こんなことがCXレースの一部なのか」と聞きたかったんだ。
(相手はとても若かったように見えたが、という質問に)
彼が誰かなんて関心はない、ただ、7回連続。こういうことはレースにあってはならないと思ったんだ。このような行為に対して、自分のした返答はこのシリーズ戦優勝争いを放棄するということ。優勝争いを1分だか1分半だかのタイム差にとどめて、戦い続けることもできただろうが、それをしなかった。あの男のしたことが理由だ。周囲にも多くの観客がいて、見ていたはずなのに2周回目以降も止めないで、あの振る舞いを続けさせたんだ。自分はただ自らの仕事をしていた、そして、この行為は敬意が足りないことの現われだ。
ビールを掛けられるなんてことは容認できない。別にレースでのアルコール販売を禁止しろと提唱するつもりはないが。
こういう行為に言い訳はできない。自分たち選手は動物じゃない。
その若者は私から逃げ去ろうとしたが、酔いが酷くて逃げられなかった。
(なんと返事があったのか?)
彼は口ごもりながら"Sorry"とだけ言って、謝ろうとしたがあとは言葉が出てこなかった。とてもショックを受けているように見えた。
http://www.youtube.com/watch?v=wJFN5XCUnkg ←インタビューにこたえるNys動画。怒ってるけどクール。
Sven Nys Cyclingがフェイスブックに掲載した一文は多数シェアされている。
シクロクロスはちょっとしたフランドルの遊園地のようなものだけれど、シクロクロス選手たちはどんなに彼らが汚れていてもビールや他の飲み物を投げてもいいような遊園地の見世物ではない。
Sven Nys Cycling
Veldrijden is een beetje Vlaamse kermis. Maar veldrijders zijn geen kermisattractie waar je met bier of ander drinken naar mag gooien, hoe vuil ze ook zijn.
Nysは今回の若者だけに怒っているんではなくてこういうことが生じている風潮、それを止めようとしない人々にも警告を出したかったんでしょうね。Nysが立ち止まって説教し始めてから若者を小突き始めたおじさんたち、わかってますかね。
- この日、レース前のAlbertとNysの総合タイム差は51秒、新企画だが総合タイム差が大きく付きがちで、疑問視されていたbpostbankトロフィーの新システムもようやく盛り上がるか、と思われた矢先のこと。
- まずこの日は、BMCのタラマルカ(昨日はこう呼ばれていたような)が泥の区間で落車、何人かが巻き込まれて大規模な足止めが発生。パウエルスも足止めされてしまう。Albertはボーナス周回のスプリントも獲って、30秒をさらに獲得、
- その後最近ありがちな遅れ目のスタートから、コースの端を使って前に上がろうとしたNysは泥がびしょびしょとなっている区間でまず1回目の落車。コーステープにハンドルバーがひっかかってしまった。
- さらに2度目の落車。コース外に出てしまい、ひどい泥まみれになってしまう。復帰する動きがやや緩慢なのを見たので、彼のモチベーションが心配された。
- 自分はストリーミングの生中継を見ていて、ゴールのゲート付近に居る若者たちがそろってビールのコップを掲げて、相当酔っぱらっているのが見えたので風物詩とはいえ、かなりの飲酒量に見えたのが少し気になったという記憶がある。
- レースはAlbertとStybarの一騎打ちになる。最終周回、この事件がおきた。
- Nysはレースを続けたがDNFとなっている。ルールにより、DNFの場合総合タイムは5分差が付けられることとなり、結果として総合1位のAlbertとこのレースだけで5分30秒の差がついてしまうことになった。
bpost bank trofee←総合ランキング表。NysとAlbertの総合タイム差は6分21秒にも拡がった。
なお、最近のレースはビールを売る巨大テントの近くにコースが設定される傾向にある、とVelonationは言及している。
↑コース図。黄色い四角いのがビールを売るテントかもしれない。たしかにVIP用以外に二つくらい沿道すぐにテントがある。
世界選コクサイデで砂丘の下までビールを買いに行った女性と、可愛いお嬢ちゃん。飲んでいる人はすごく多かったが、このときは大声の人はたくさんいたけど特に迷惑行為は見かけなかった。Loenhoutはもともと観客が荒っぽく酔う率の高いところだという話もどこかで読んだ。
コクサイデの立食販売が行われていた巨大テント、ちなみにこの人出ですが、この日はまだレースのない「試走日」でした(苦笑)。
- この日のレースはStybarと争ったAlbertのコンスタントな強さとゴール時の喜びの表情が印象的だったし、女子もレース毎に明暗が分かれて目が離せないし、U23は写真判定になるし、内容的にもいろいろ盛りだくさんだったようだけれどもまた今度。
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【過去の観客こらしめ動画】
詳しくリサーチしていませんが昔から沿道の観客と選手は色々あったようです。今回のNysの「お説教だけ」というのは画期的ではないでしょうか。
↑ワレンスの空手キック(空振りだが見事)。しかし降格された。ボームが若い。落車が多いレース。
↑グローネンダールの沿道パンチ(2回)