tannenbaum居眠り日記💤

シロート観戦者による、おもに自転車(おもにシクロクロス)関連のすみっこネタブログです。

泥の貴公子、小坂光選手インタビュー(1)

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 子供時代の週末を父についてレース会場で過ごした二世選手が、今や日本のタイトルを狙う存在に成長し、宇都宮の自転車が盛んな文化を背景に、ファン層の拡大にも貢献している。 シクロクロス界のサラブレッド、公務員、宇都宮ブリッツェンシクロクロスチームの小坂光選手にお話をお伺いしました。

 普段あまり声高に自らを語らないヒカル選手の貴重な語りをどうぞ。 *1

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(2012-13シーズン GPミストラルにて。ヒカル選手の左が小坂正則選手。) 


クロスシーズン終了、そしてMTBに本格参戦

・今年のお台場もおわりましたね。(注:収録は2月下旬)

連日飲み会があって、太ってしまいました。

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(2016年 北京遠征にて)

・お酒は相当強いみたいですね。一昨シーズンの北京CXの宴会で、中国の強いお酒で現地選手と飲み比べ対決して、負けなかったと聞きました。

白酒というすごく強いお酒でした。自分は飲むといっても以前ほどでもないんですけれど。

・お父さん(小坂正則選手)ゆずりの強さですね。

オヤジは、ペースが早くて、すぐに寝てしまうような飲み方です。実家に行ってもピッチ早く飲んで、22時には寝てしまいます。

・さて、目下の話題としてはこのシクロクロスシーズン後、夏場はMTB競技のほうに活動をシフトするということで、ミヤタ・メリダバイキングチームへの加入が発表されましたね。

http://merida.jp/mmbt/bikingteam/ ←MIYATA MERIDA BIKING TEAMのHP

MTBのヒカル選手といえば、私は去年の富士見パノラマで行われたMTB全日本選手権で走っている姿を初めてみたんです。

夏はロードをやって、冬はクロスというのを4-5年やってきたんですが、それを変えようと思いました。 ロードは練習量が沢山取れないというのがありましたが、MTBは1時間半の勝負ですし、まだ戦えるかなと。

・夏場の競技をロードからMTBに完全にシフトすると?

完全にシフトです。両方は日程的に難しいですし、チーム側からもMTBに専念するようにと言われています。

・その方針変更はご自分で考えたことですか?

自分で考えました。

・アプローチはどちらから?

自分からしました。もともとミヤタはブリッツェンのスポンサーだったことがあります。夏もオフロード競技をするという構想をチームに話したところ、ミヤタに話を持って行ってくれました。

・ミヤタといえば昔ロードの名門チームを運営していましたが、MTBのチーム運営をしているんですね。既存のチームに加入ということですね。(なお、今シーズンMIYATAは宇都宮ブリッツェンのメインスポンサーになった)。

そうです。これまでは山路さん(現Drawer the racing代表)に委託していた運営をミヤタに戻した形になります。

・宇都宮のみずほののレースの時、メリダカラーの黄緑色テントの中でアップしていましたね。

そうです。メリダが出展しているときは使えるということになっています。

・そうするとシーズン前の準備内容も変更してゆくんですね。

コーチにもMTB前提でメニューを組んでくれと言っています。

MTBの練習は去年から始めたんですか?

昨シーズンはブラーゼンの活動もあったんですが、春の富士見と、全日本に出場しました。緒戦では最後尾スタートで14位だったんですがMTBに乗り始めて3週間だったので、そこそこ手ごたえがあり、いけるような気がしました。ただ去年はブラーゼンの活動もあったので。

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(ブラーゼンのジャージ姿。2013年さいたまクリテリウムで。)

・本格参戦は今シーズンからということなんですね。日本の中でどれぐらいかというのが今年見えてくるんですね。

そうです。年も年だし結果はすぐに求められると思います。

MTB選手の旬は何歳くらいなんですか?

30歳前後ではないでしょうか。

・クロスよりピークは若め?

どうなんでしょう。

・山本幸平選手は今何歳ぐらいでしたか?

31-32歳くらいだったと思います。

・オリンピック枠は何人なんでしょうか?

一人かな、一人か二人ですね。。厳しいです。UCIポイントを積極的にとらないと。

・どこを転戦すればUCIポイントがつくのですか?

ヨーロッパ中心ですね。オーストラリアは1戦だけです。難しいんですよね。国内のトップチームでもMTBだけで食べていけている人はあまりいないと思うので。

・あと、ヒカル選手のMTB参戦で、表彰台の顔ぶれが変わるかもと楽しみにしているファンもいるようです。そして、真っ赤な旗がMTBの会場にもやって来るわけですね。

MTBレースの会場は観客が少ないので、それに変化があるといいと思います。観客がもっと増えるとMTBの選手も遣り甲斐があると思います。オリンピック枠がもっと増えると注目されるのでしょうけれど。UCIポイントを稼げば枠も増えるんですが。

・ずっと、ヒカル選手は夏はロードの人というイメージでしたけど、MTBに、というのにはやや驚いたのですが大きな転換ですね。

新たな挑戦ですね。

・フルタイムワーカーとして夏も冬も走るには、クロスと、MTBがよいのではないか、という結論を出したわけですか。

そうですね。また、ロードでは自分の結果を求めるのは難しかったので、アシストをしていたのですが、クリテリウムぐらいは時間も短いので自分で狙うこともありました。MTBは自分で自身の結果を追えるので、モチベーションにつながるという点もあります。

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(2016-17シーズン 小貝川)

・それはまさに、クロス選手に非常に多くみられるメンタリティですね(笑)自分が勝ちたい人が多いですね。ロードでアシストよりも自分自身で結果を出したいという人が多い気がします。

へえ、そうなんですね。
ロードでアシストしてエースが勝つというのも、とても嬉しいんですが、クロスのほうが分かり易いですよね、自分がやればやっただけ結果に反映する感じが。MTBもそういう感じがします。

・夏場用のトレーニングが変わるということになりますか?

そんなに変わらないと思います。ただ、夏場のロードはここで絶対勝ちたいというような目標とするレースというものはなかったので、それよりはMTBで自分の成績のために練習する、という風にしていったほうが身が入るような気がしています。

・お父さんの小坂さんもMTB全日本で勝っていますよね。やっぱりフルタイム仕事との両立だと、MTBとの組み合わせのほうが、ということなんでしょうか。お父さんはロードも出てらっしゃるのをお見かけしましたが。群馬CSCでロードレースを見ていたら突然坂道を小坂お父さんが登ってきて。

オヤジが優勝した当時はMTBのレース時間が2時間半とか長かったのによく勝てたな、すごいなと思います。 変化があることには不安もありますけど、、

・社会人レーサーとしてよりよい形を、自分の中で模索しているということでしょうか。

やれるうちに、やっておきたいというのもあります。やってみないとわからないですから。ダメならダメにしてもそれはしょうがないので。時間がいつまでもあるわけではないし。


日頃の練習、トレーニングについて

・ウイークデーの練習はどういうかんじですか

8:30-17:15までが定時で、練習は夜1-2時間くらい走っています。交通量のないような場所を使って、インターバルのメニューをやっています。今ピークスコーチングの中田さんという人にメニューを組んで、データをみてもらっています。西園選手などのアドバイスもしている人です。

・かなり理論的というか合理的な形でやっているんですね。

そうですね。パワートレーニングはワット数をみて、ワット数指定して何ワットで何分、何本と。自動的に中田さんに自分のトレーニングのデータが飛んで、分析してもらえるようになっています。

・すごい、遠隔コーチングですか。理論的、近代的ですね。 そういえば、2-3年前からヒカル選手は一段筋肉質になりましたよね。

あ、それは別で、ブリッツェンで赤羽のナショナルトレーニングセンターで指導を受けるようになって、それで、普段のウェイトトレーニングのメニューを組んでもらったんです。一昨年の春先から指導を受けるようになりました。それまではウエイトは自分でやってなかったんです。ウェイトは教わってからずっと続けていますね。

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(2016-17シーズン 寒河江

・どういうところが強化されたと思いますか

パワーが伸びました。最大パワーが伸びました。上半身の筋力がアップしたことで、バイクコントロールが向上しました。

・見た目の印象がかなり変わったと思います。

そうですね。2㎏ぐらいは増えました。

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(2013-14シーズン、猪苗代湖

・膝の上の両サイド、何筋というのか、それが太くなりましたね。

はい、そうですね。まあそこは結果としてついた感じですね。

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(2016-17 シーズン みずほの:急坂を軽々登るヒカル選手をみて、横に居た女子選手が筋トレを決意した)

・たぶん宇都宮エキシビションのときに見た目変わった、、と強く思った記憶があります。

その前年は練習量も時間がとれなくて、細かったというのもあると思います。

今の部署は業務量が以前より少ないので、状況は良くなりました。またしばらくするとシャッフルがあるんですが。30歳くらいまでは3年に1回くらいはあるようです。


コース比較:日本と欧州、昔と今、機材の変化

・世界選はすごいコースだったみたいですね。

前代未聞でした。あれはちょっとやばすぎだと感じました。

・日本人選手たちはこの間の世界選のコースを見たときにどういう反応でしたか、怖いと言っていませんでしたか。

怖いといっていましたよ(苦笑)でも行くしかないでしょう、という感じで(苦笑)みんなそれは外国人も同様で、ゴール手前のキャンバーの前にはたくさんの選手が溜まっていて、よし、いくか、じゃあ次いくの誰か、おそるおそる、みたいなシーンが見られました。

・コースの設定上のミスみたいな面もあったんでしょうか?

最近コースがああいう風に激しくなってきています。ディスクブレーキの普及につれて。ディスクブレーキ前提というコースになっている。ディスクでないとコントロールできない、対応できないような。

・そのときの天候やコンディションもあるんでしょうか?もうディスクしかないというかんじなんでしょうか。

世界選では自分と時(沢田選手)だけカンチブレーキでした。

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(2016年、欧州個人遠征にて)

・それは、こだわりがあって?

自分はディスクに対応したホイールの用意が間に合わなかったんです。時はアンカーの作っている製品がディスクに対応していない関係だと思います。

・このところの傾向として、キワモノっぽいというか、過酷すぎるともいえるコースが国内外とも増えているんでしょうか?

ヨーロッパはトップレースは激しい下りを入れるなどのレースが増えている感じがします。毎年同じところでやっているコースでも、走り方が変わってきているような気がします。スピードだして、ガッとかけて、ギャっとまがって、という風になっています。ディスクブレーキ前提なので。

・ヨーロッパのレースをストリーミングでみていると、最近はいったん発生するとダメージの大きいクラッシュが増えているように見えます。

そう思います。カンチのときはもっと減速して曲がっていました。今、選手たちはけっこう、突っ込んでいくようになりました。

DSC_0091_00012  (2015-16シーズン、優勝争いをした東京シクロクロス

・平均速度も速くなって。

速くなっていると思います。

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(2016年 欧州個人遠征にて)

・世界はそういう流れになっていると。ではそれに対して、日本のコースについてはどう感じていますか。

もっとスピードに乗らせるコースを作ろうと思えばできるところもあるのに、細かいコースになってしまっているのが勿体無いと思うときもあります。

日本ではやむを得ない場所の制約もありますので、ヨーロッパのようなダイナミックなコースまでは難しいかもしれませんが。

時々レース前にいろんな意見が出てコース変更ということがありますが、自分はコースにクレームをつけたりするのは好きではありません。

ただし整備が不十分なことによってパンクが頻発するようなコースはいただけないです。選手が時間と労力を使ってレースに臨んでいるのに、整備不足でゴロゴロ転がっている石のせいで勝負が決まったりするのは納得しづらいです。

・今シーズンはどのレースが印象に残っていますか。

野辺山の1日目で勝ったことでしょうか。ずっと勝ちたいと思っていて、シーズンの中でも野辺山を全日本とともにターゲットにして準備していて、それで狙いどおり勝てたのはとても嬉しかったです。

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(2016-17シーズン野辺山1日目: レース進行中に路面が凍結してゆく過酷な条件下で勝利

・あの、とても寒くて厳しいコンディションでの勝利ですね。狙って準備していたんですね。

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・ヒカル選手の優勝シーンは数々みているのですが、あの時のヒカル選手からは、一段力強くなった頼もしさを感じたとともに、根っこから湧き上がるような喜びをひしひし伝わってきて、感銘を受けました。
・そういえばオランダ遠征中のナショナルレース後の写真をみたときも、あ、このヒカル選手は素な感じだ、って思いました。


赤い旗の中、勝つために走った全日本選手権

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 ・宇都宮のレースにいくと驚くのが、コアなファンではなく(苦笑)普通の人、おじいちゃんおばあちゃんとかが観戦に来てくれているところです。

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おにいちゃん、ブリッツェンなんだろ、って。先日のみずほののレースに、おばあちゃんとかが来てくれていて、それが、ろまんちっく村のレースを観て、面白かったから見に来たんだよ、と言ってくれたりして。 

ふつうの、おじいちゃんおばあちゃん。

・通常の関東のレースは身内とマニアが多いですし(苦笑)宇都宮はフランドル地方みたいになってきているんでしょうか。。

 

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(2015年の宇都宮城址で開催されたエキシビション会場)

・そういえばフランドル地方は市民が自転車選手をよく知っているので、町を歩いていても選手にチェックが入っているというのを聞きますが、ヒカル選手は宇都宮の街を歩いているときあ、小坂さんだ、などと騒がれたり、追いかけられたりとかはないですか。

(笑)ないですねー。街で知り合いには遭いますけれど。

・じつはチェックされてたりして。女の子連れだとか。

ないです(笑)ブリッツェンのレースを観てくれる人たちも、自分がヘルメットとサングラスに、ジャージでないと判別できないのではないですかね。

・熱烈なファンもこれまでにできてきたのでは。

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自分にというより、ブリッツェンを応援している方たちです。

・選手としては宇都宮ではもう長く知られていて、かなりの周知度でしょうね。

そうですね、けっこう認知されてきたかなと感じています。赤い旗をもって、あちこちに応援に来てくれることが凄いと思いますし、本当にありがたいです。

・その・・・ぶっちゃけ。しんどいとかは。?苦笑。

すごく嬉しいです。力になってます。

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(2016-17シーズン、全日本選手権

・リザルトでいうと何秒かアップするぐらいですか。

していると思いますね、あれだけ応援してくれると。

・全日本のときに赤い旗が林立していましたよね、何重にもなって。

はい。

・そこまでになってくると逆にプレッシャーが大変ではと。(←しつこい)

全日本は大変でした。ファンの人たちがということではなくて、チームやお世話になっている周囲のことを考えると。どう考えても「お前のための全日本だ」というお膳立てが揃っていたので。

・すごいプレッシャーで大変だろうな、というのは皆が思っていたと思いますよ。

自分が勝つ、勝つんだと思って、準備してきました。

・この段取り、この状況ではもう勝つしかないでしょうという包囲網のような。

前夜寝られなかったですね。自分がいままで生きてきた中で最大にプレッシャーを感じていました。

・本当にそれは、想像してこちらの胸が痛むほどにあまりある感じでした。大変だろうけれど、それでも、頑張れと思ってる人がいっぱいいたと思います。

あれで、勝てれば最高だったんでしょうけどね。。(しみじみ)そればかりは、わからないですから、レースは。

・わからないですよね。あの場で何割がヒカル選手応援組だったかと思うと、かなりの比率だったでしょうね。数10パーセントは

そうですよね。かなり。

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・でもありがたいですよね。どのレースにも現れる赤い旗の応援。チームの運営の方々やサポートのスタッフの方たちもいらっしゃるし。

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(2016-17シーズン、幕張)

そうですね。今のスタッフには3年前くらいから、ずっとサポートしてもらっています。メカニック二人と広報が帯同してくれています。ロードシーズンが終わると、フルに帯同してくれています。

・広報の方のレポートが詳細で迅速なのがいつも素晴らしいと思っています。

小森さんの仕事は最速ですね。帰りの車の中で作業していますし。

ロードも全部あの人がやっています。

・現場で全く気が抜けないですよね。小森さんの撮影は特に邪魔しないように心がけています(笑)

 

海外遠征事始め08-09オランダと、今シーズンの個人オランダ遠征

・昨年末に池本選手と行った欧州遠征はチーム活動というよりは、自分で行きたいという事で行ったのですか。

はい、チームには、自分が行きたいので、行ってきます、という個人遠征ですね。今回運転もレンタカー借りるのも自分でやりましたし、レース会場に行っての行動もというのも池本さんの動きを見て。

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(2016年 欧州個人遠征にて)

・もう、今後は一人でもあちらに遠征できますね。

できると思います。

・そういう面でも自信がついたようですね。最終日のブリュッセルは別行動で、単独で街をみてあるいたようですよね。

はい、自由行動日ということになって。結構たくさん歩き回りすぎて、最後はカフェに座って脚を休めていました。

・初めての海外遠征は、ブリッツェンに入る前の2008-2009シーズンだったと。

はい、オランダのハリーさんのところに2週間ちょっと滞在しました。アンダー23のZolder やLoenhoutに出場しました。

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(ハリーさん。2015年)

・そのときはお父さんと一緒ですか?

父は仕事があって自分だけでした。いきなり初めての海外で、ハリーさんと二人で家で暮らすというのは色々大変でした。空港に最初に到着したときに時間どおりにハリーさんがいなくて、もう、どうしようかと途方に暮れた記憶があります。

・初めての海外で一人で、途方に暮れた経験は強い印象だったでしょうね。今シーズンの遠征でも、ハリーさんはレース会場で会ったヒカル選手に目を細めているように見えました。

そうですね、その後世界選などであちらに出かけるたびに声をかけてくれますね。

・私がFacebookにアップするヒカル選手たちのレース写真に積極的にいいね!くれるんですよ、ハリーさん。最初に行ったころと今シーズンのオランダ・ベルギー遠征についてはどういう違いがありましたか?

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 (トップ10を目指したレースができ、走れたという充実感のあったナショナルレース)

一回目のときは海外自体が初めてでしたし、アンダーと今回とはレースのレベルも違います。
今回は二戦目のナショナルレースで、かなり走れて、ちゃんとレースができた実感がありました。トップ10を目指して走って、11-12位くらいだったのですが、充実感がありました。
あのレースに出場できたことはかなりよかったです。

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(ステイ先のヒュープさんご夫妻)

それに、ステイ先のヒュープさん夫妻や周囲の人たちとの交流もできて、今回は、現地の生活をよく体験できたと思います。車も運転しましたし。 奥さんのアンナカさんが作ってくれたエルテンスープや、パンナクーケンといってオランダのクレープみたいなものにソースをつけてくるくる巻いて食べるんですが。

 ・ソースは甘いものですか。

僕は甘いソースをつけましたけれど甘くないやつもあるようです。エルテンスープは家庭によって全然味が違うようですが、オランダらしい料理が美味しかったですね。レースの後はフリッツを食べてよいことになっていて。

https://asajikan.jp/article/48537 ←エルテンスープ https://matome.naver.jp/odai/2137404777219491001 ←パンナクーケン

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(オランダ在住の元CX日本チャンピオン荻島美香さん宅で振る舞われた料理、エルテンスープらしきものが)

・選手用の料理というのを作ってもらったんですか。

そうですね、基本はレース前はパスタとサラダで、胃腸に負担をかけないようなものを作ってくれました。朝はパンがお決まりで、いろんなものを塗ったり、チーズをのせたりして食べるんです

・アップルストロープという、一見プルーンエキスみたいなりんごを煮詰めたシロップが美味しいのですよね。

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僕もそれ大好きです(笑)レースのあとはフリッツの日があったりとか。

 ・そういうの一つ一つとっても経験として貴重ですよね。

代表チームの遠征だと味わえない体験ですね。スタッフが全部やってくれますので。

・でもホテルではないし、観光の要素やお酒を飲んだりとかはない。

そうです。競技者としてのふるまいをする前提で泊りに行ってるので、ビールなんてもってのほかです。我慢しました。

・ホテルにとまって、レストランで食事、という形の遠征とはずいぶん違うわけですね。

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池本さんに地元の自転車屋さんや、知り合いのスーパーマーケットに連れて行ってもらい、ホームパーティーもありましたし、これまでの遠征とは違う、その土地での生活に入り込んだ交流や体験ができたのが良かったです。学生時代にハリーさんのところに泊まったときもそういう面はありましたが、海外自体が初めてで戸惑ううちにあっという間に時間が過ぎた感じで。

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(ナショナルレースにて。ここまで遠征の写真は池本さん提供)

今回の個人遠征では最後のレースで、自分はThijs Al (タイス・アル)と同じような位置を走っていたのですが、ゴール後、もう一人同じような位置を走っていた選手とThijs Alと3人でシャワールームで一緒になったんです。そこで話をしたりして。 そのもう一人の選手もかなり強い選手だったのですが、本職が中学校の先生で、工夫して選手として競技生活と続けている人だったんです。オランダは競技志向の人しかレースに出ていないのですが、プロ予備軍やプロだけでなくて、そういう人もいるんだ、ということがわかったのは良かったです。

http://www.siteducyclisme.net/coureurfiche.php?coureurid=110 ←もとFIDEA所属のタイス・アル。北京CXへの遠征も毎年行っており、日本選手との接点もある。

・辻浦さんや、豊岡さん、田中苑子さんたちと合宿のような形でも遠征をしていましたね。

そうですね。自分が参加したのは就職前のシーズン、1か月ベルギーで家を借りて、アンカーのメカニックの人やランジットさんがサポートしてくれて。

・しかし1か月単位の遠征というのは通常の社会人になると難しいですよね。

無理ですね。そのときの合宿は、ビッグレースばかり走ったのですが、とても楽しかったですね。

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(個人遠征はピット要員確保も一苦労、荻島美香さんやシマノの欧州駐在員松井さんが助っ人に:松井さん提供)

・世界選前後の代表チームとしての遠征と、個人遠征についてはかなり違うのでしょうか。

代表チームは団体行動で、ホテルに泊まり揃って行動、メカニックが数人随行して、滞在中は整備に時間を使い完璧にマシンを整えてくれますので、選手は走ることだけを考えていればよいです。自分の部屋にいるか、食事か、トレーニングか、という感じで。それ以外の色々な手配や段取りを考えたり、現地や他国の選手との交流をする機会はあまりないですね。

日本選手団は人数が多くなりましたね。

これまでも出場しようとすれば、もうすこし多くできたのでしょうけれども、今回はスタッフも多く集めて、選手も増やす方向で出場することにしたようです。

シクロクロスは機材が多いですから、メカニックも人数が多く必要で大変ですよね。

TOYOの石垣さんと社員の二名、竹之内脩兵さん、脩兵さんのお店で働いている人、アンカーの社員の人は世界選だけでしたが。それから現地でいつも日本人をサポートしてくれるランジットさんのメンバーで9人の選手に対応してくれました。世界選のメカニックは本当に入念にやってくれました。食事のとき以外はずっと仕事している感じでした。

・ランジットさんは今回も日本チームのサポートをしてくれたんですね。

そうですね。現地の人のサポートがあると全く違いますね。

 ・来シーズン、世界選以外に個人遠征の予定は?

可能なら、ぜひまた行きたいと思います。

((2)へつづく。)

*1:最近レース会場で小坂選手、というと小坂光選手を指すことが増えてきました。私は小坂選手→小坂正則選手(父)、ヒカル選手→小坂光選手(息子)という呼び方に慣れ親しんで来たために、この記事では「ヒカル選手」と表記させていただきます。