tannenbaum居眠り日記💤

観戦者の目による、おもに自転車(おもにシクロクロス)関連のすみっこネタブログです。

千森杯 Qiansen Trophy 2017 2戦目のMVPは竹之内選手(Cyclocross Magazineのレースレポート)

Vanderbeken, Van Tichelt Keep the Belgians Perfect at Qiansen Trophy in Yanqing

前回取り上げたブリーフレポートのあと、Cyclocrossマガジンのフルレポートが出たので読んでみたところ、竹之内選手の活躍が書いてあったので嬉しくなり、眠かったが昨晩ざっと訳してみた。

(以下、適当訳)


【男子レース】

・第一戦ではYorben Van Tichelt (ERA – Circus)は序盤のクラッシュから復帰するのに脚を使った。第二戦ではUCIレース二連戦の2日目によくある、大きな集団が各自林の中を行進、という典型的な進行になるかと見えた。
しかしVan Ticheltに別のプランがあった。彼は前でプレッシャーを与え続けた。最初はMarcel Wildhaber (SCOTT-SRAM MTB Racing) だけがベルギー人の高速ペースに合わせることができ二人で差を広げた。

・ここで一人の名を上げた選手がいた。竹之内悠が4人の追走グループを率い5周回目のはじめには彼はさらに何人かを引き戻して大きな7人の集団を築いた。
・その後レース中盤は集団走行モードに入り、序盤にみられた鋭く速いペースは収束していた。
・平穏は長くは続かず、Van Ticheltがアタックを仕掛け先頭集団を分断しWildhaberとThijs van Amerongen (DESTIL-ZZPR.nl) だけがついて行くことができた。

・比喩的にも文字通りの意味でも砂埃がおさまった6周回目、Van Tichletは8秒にリードを広げ、もはやWildhaberとvan Amerongenは2位争いをするしかなくなった。
・Van Ticheltはギャップ10秒程度を維持し、最終的に後続を7秒離してゴールした。Wildhaberは van Amerongenより持ちこたえ、2度目の2位を確保。Van Amerongenは3位。今日目覚ましい走りをした竹之内は4位。Samparisiが5位。Clarkは表彰台連続はならず。
Van Ticheltはレース後のインタビューで、スタートからいい感じで、どんどん好調になっていったと語った。自分としては1度のビッグアタックで決めるつもりだったが、それが成功した。(アタックについてきた)Marcel(Wildhaber)Thijs(van Amerongen)は本当に強かった。
・Wildhaberも2位を喜んでいるとコメント、タフなレースだった。第一戦とは全く異なる大集団でのレース展開だった。Yorben (Van Tichelt) のアタックは本当に厳しくて、引き戻そうとしたけれど最終周回、自分は本当にきつくなってしまった。ゴールしたときは完全に力尽きていたので、この2位は本当に嬉しい。去年より2戦合わせたポイントは沢山とれたしね。

こんな風に、日本人がレースのMVPとして評価されているのは嬉しい。今回の北京のおうち観戦では、状況を知るのにこの米国Cyclocross Magazineの速報性と内容は有難かった。ピットサポートやレースに出ながら書いているAustralian Cyclocross Magazineの記事も第一戦について臨場感あふれるレポートが出ているhttp://www.australiancxmagazine.com.au/quiansen-trophy-uci-c1-cyclocross-2017-round-1/

なお、小坂光選手は負傷リタイアしたらしい。焦らず回復に集中してほしい。

 

【女子レース】

・第二戦は第一戦同様Joyce Vanderbeken (Stevens Pro Cycling – Donen/Vondelmolen CX) 、Serena Gordon とEmily Kachorek (Squid Bikes), の3名の間で激しい打撃戦になった。

・レースは高速でスタートし、Kachorek, Samantha Runnels (Squid Bikes), と、オランダ人Geerte Hoeke (2WCBeuningen – MTB Licht Verzet)、Serena Gordonと Vanderbekenの5名が抜け出し前半は彼らが交代で前に出た。最初の周回でVanderbekenとHoekeが前で展開し、2周回目はGordonがシングルトラックで抜け出した。

・集団の中で二人いたSquidの選手Kachorek と Runnels は数的優位を活かしてKachorekが前の二人に追いつく。シーズン冒頭からチーム連携の練習はできていたと思われる。

・5-6周回目は5人の逃げグループは最終的にVanderbeken, Gordon and Kachorek.に集約された。最後の2周回とも、Vanderbekenが階段のイン側からリードを奪い、2回目のそれが決定打となった。後続はHoekeがRunnelsより持ちこたえ、後ろから来たDaniele Arman (Tenspeed Hero) がRunnelsを捉えて5位を獲得した。

・レース後、Kachorekは接近戦だったのでミスのない選手が勝ち残ったとコメント。コースはファンタスティックだった。お互い何度も前を奪い合い、最後の500メートルまで誰が勝つかわからない、ささいなミスで勝利が逃げるような展開だった。と語った。

唐見選手は8位で期待を裏切らない結果。事前にここで優勝候補と書いたAlvarado (クルクルのロングヘアに現地ではボンバーヘッドとよばれていたらしい)は結局DNFに終わった。パンクしたと聞いている。


しかしベルギー人の同じ選手が男女とも2戦2勝、苦労して遠征した甲斐あって、がっつポイントを取れましたね。これから始まるワールドカップで彼らの姿を見ることはできるかな。

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男子も女子も僅差のエキサイティングなレースになったようで、見に来ていた現地の人たちも楽しめたのではないでしょうか。
沿道の相当比率を占めていたのはカメラ愛好家団体だったようですが、アマチュアレースに出たMTB選手も見ていたはず。今後主催者はワールドカップ開催を視野に入れているようだけれども、現地のシクロクロス選手も出てくると良いですね。