tannenbaum居眠り日記💤

観戦者の目による、おもに自転車(おもにシクロクロス)関連のすみっこネタブログです。

Van Aertのお試しシーズン

米国開催のワールドカップ2戦が終了。Woutどうした、とベルギーのメディアがかしましい。
2戦目のWaterlooでは感触はよくなり、落車にまきこまれた後の抜かしどころがなく7位に終わったが、2位集団と自分は同等な感じだったといってますね(Mathieu君と同等とはいってない・・)


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 第一戦後Van AertのトレーニングコーチのMarc Lamberts のコメントがでていましたが(蘭英訳、、よくわからないところあり)

sporza.be

第一線Iowaの不調について当面の理由としてこれという決定的な原因はわからないといいつつコーチが挙げたのが

・直前に行った高地トレーニングを含む高負荷トレーニングからの回復が予定どおりでない

・時差ぼけ

・スタート時点ですでに脱水気味だった

 というところなのですが、それ以外に長期的に彼の進路にかかわる部分。

・この夏のロードシーズンでも実績を積んだが、シクロクロスとロード双方ハイレベルというのは難しい。

・彼は国内TT選手権(6位)とBinckBanckTourなどをターゲットに練習していた。爆発力が必要なシクロクロスに対応するのとは違う練習になる。

・彼はクラシックレースの最高レベルで重要な選手となりうる能力がある。今後、どちらかの進路を選択しなければならない。

http://www.procyclingstats.com/rider/Wout_Van_Aert ←2017年ロードの成績。

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Van Aertの進路についてのおさらい:

 
(Verandas Willems-Crelan road team)

Van Aert begins planning road season | Cyclingnews.com

・2016 年12月の記事。Van Aertの所属チームCrelan Charles cyclo-cross teamの選手たちはロードシーズンにおいてはVerandas Willems-Crelan road teamで走るという発表がされている。

・最終的にはパリ~ルーべやフランドルのフランドルクラシックを目標としたいと言ってきたVan Aertは、当面はシクロクロスを走るけれども将来の転身への第一歩ということだった。

 Vérandas Willems–Crelan - Wikipedia 

Verandas Willems-CrelanのWikiにはCrelan Charlesチームの4名の名前が。選手としてStijn Devolder(まだ現役だったのか。。)がいて、マネジメントはNick Nuyensが行っている。今年からプロコンチネンタルチームになった。


(世界選でクロスのシーズン終了、その後ロードへ)

http://www.cyclingnews.com/news/wout-van-aert-to-focus-on-the-road-in-2018/

・今年2017年5月の記事。今シーズン、世界選手権を最後にシクロクロスはシーズン終了。その後春クラシックに出場予定で2018年はロードレースを走るとのこと。

・現時点では両方を続ける形なのは、まだ自分がクレイジーだから。と語ったらしい。

・2014年に3回目のシクロクロス世界タイトルを獲ったあとにロード選手に転身し、パリ~ルーべやミラノサンレモでトップ10の成績を収めているStybarにアドバイスを求めた。
・まずその形で、ロードで結果がでるかどうかを評価し、そのあとで完全にシクロクロスをストップするかどうかを決めたいとのこと。今シーズンは「お試し」の年になるのだそう。

・まだシクロクロスの世界チャンピオンだし、この世界から立ち去ることは出来ない、ということらしい。

・いまの所属チームでパリ~ルーべの招待を得るのは難しいと認めながらも、自分にとっての最高のレースはパリ~ルーべだと。

 

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シクロクロス選手も夏場のロードレースやトラック競技での研鑽なくしては高レベルのレースのスピードに対応できない、ということは長らく言われていますが、目的として世界トップレベルで両方戦っていくというのは難しいんでしょうね。。どちらかをトレーニングとして捉えるならともかく。

・トレーニングコーチは両立は難しいという意見で、多分ほかにもそんなアドバイスを受けていそうなものですが、それに対してWoutは「自分はまだcrazyだから」、と当面完全にシクロクロスをやめる決断には至ってない様子。

・ロードに専念すればパリ~ルーベに出られるチームからのオファーもくるのでしょうか。その前に自分をお試ししたいみたいですね。

・結局、StybarもBoomもロードの世界に行ったあと、時々戻ってきていますが戻ってきてホイと勝つというのは以前よりも難しくなっている、という話ですし(シクロクロスの競技も専門化が進んだ)。
・Stybarの体型なんて、今は別人のようです。


・Mathieuもロード転向が言われており(なんといっても父も祖父もロードの歴史的選手)、二人の美しいバトルがシクロクロスの世界でいつまで見られるか。。見られるうちにいちど生でみておきたいなあ。

(↓2012年のWout君。)

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