tannenbaum居眠り日記💤

観戦者の目による、おもに自転車(おもにシクロクロス)関連のすみっこネタブログです。

高木秀彰カメラマンの思い出

カメラマンで自転車ジャーナリストの高木秀彰さんが亡くなられたらしい。

金曜日の夜に消息が不明という情報を見てから自分も不安とその後の悲しみでいっぱいです。
彼を惜しみ、良くして頂いたという思い出が沢山流れているけれども、私もご多分に漏れず会うといつも気さくに爽やかな笑顔で、撮影やレースの見どころ等色々な情報を教えていただいた。会場にいつも当然のように存在する安定感と安心感。会うと嬉しい、親切だけれどもすごい方。大好きでした。

彼の日頃報道している学連レースやトラック競技などは、彼がいなければ情報を得ることがむずかしいものも多く、いつも各地を飛び回って精力的にレポートをしている様子に頭が下がる思いでした。

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(今年の6月、JBCF那須ロードレースにて)


このところSNSへの投稿内容も心なしかさらに熱く、ますます活発に活動されている印象だっただけに突然のニュースへの衝撃は大きい。信じたくなくて断続的に思い出しては涙している。私ぐらいでさえこうなのだから、より親しい方々の心中は想像にあまります。

本当にレース会場でもう会えないのだろうか?まだ半信半疑の気持ち。


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個人的に高木さんとのふれあいの思い出といえば、レース会場で差し入れをするのが楽しみだったこと。

最初に差し上げたのは、何かの全日本選手権級のシリアスな空気が流れるレース会場で、高木カメラマンがこちらのほうにやって来るのをみて「今あげたら迷惑かな」とそばの友人にいったら「そのお菓子は小さいし今はレースがお昼の小休止時間だから大丈夫だよ」と言われたので、おそるおそる差し上げところ、ものすごく喜んでくれて、「食べ物を持っていなかったから、すごく嬉しい」とその場で予定の倍量を完食。

その後は、遭遇した時に自作のお菓子やパンを持っていたら必ず多めに差し上げるのを通例にするようになった。


差し出すたびに「食べ物持ってなくて、助かる」というような返答があるので忙しいから敢えて食べるのは後回しにしているのかと思いつつも、嬉しそうに食べてもらえるのが嬉しかった。

最後に差し入れしたのは今年の6月。JBCFの那須ロードレース。不慣れなロードレース実業団の場で撮影している私に、位置取りのことなどさりげなく教えて頂いたり。そして差し上げたのは手作りのグラノーラバー2本。このときも笑顔で。

また補給食を持たずに旅立ってしまったのでは。もう一度差し入れをしたいです、高木さん。

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 (abemaさん提供)

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(ロードレースのイケメンを撮っているんですよ!というと僕ですか?とひょうきんなポーズ)

この日表彰式の後だったか、女子実業団レースの選手層が男子ほど厚くなくレース展開がなかなか白熱しづらい、という話になって、もともと女子はロードレースをはじめようという環境がないため、なかなか裾野が広がらない。この実業団レースで女子選手が男子のように多数出場して丁々発止の戦いをしてくれる日がくると良いのだけれど。学生のレースを見ていると、◯◯選手、◯◯選手がいまのところ注目かな。でももっと女子にやってほしいんですよ。そのためにも、女子選手も注目されてロードレース選手として活躍の場があるように現状を変えていけると良いのだけれど、こういう競技、こういう場もあるんだということで憧れて始めるような子が増えるようになるといいと思う。報道することで少しでも寄与できるといいと。。というような話を20分くらい一気に話してくださいました。

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情熱を持っていたけれど、それを他人に強い形でぶつけるというより、みずからの行動の内容のほうに現れていたような気がします。
高木さんと遭遇した記憶のあるレース会場はいっぱいあるけれども彼を撮った写真をさがしても那須以外にみつからなかった。でも、見返していて、彼が愛した世界は星空もレースも美しい、と改めて感じています。

どうぞ安らかに。ありがとうございました。残った我々もがんばります。