tannenbaum居眠り日記💤

観戦者の目による、おもに自転車(おもにシクロクロス)関連のすみっこネタブログです。

(特集1)頑固な理屈屋ゲルデマンを飼いならす?Tモバイル幹部の努力


(写真は、今年のツールプロローグの出走前、キリキリとバイクをチェックするシンケビッツとは違って、ほにゃほにゃとマイペースですごしていたゲルデマン。。先輩選手たちと和やかに談笑していた姿が印象的でした。ピンボケですみません)
英CycleSport今月号にでていたゲルデマンの記事。
今年のツール第7ステージ、ステージ勝利をして、初々しい涙と女の子のような風貌でちょっとした話題になったゲルデマン君ですが、いやちょっと待て、以前「色々」噂をきいたなあ。という記憶があったので、おさらいを兼ねて。


=====(経歴、移籍がらみの話など)======


2005年、フォイクトの推薦でCSC入り。
ツールドスイスのステージ優勝、ダンケルク4日間で5位などの成績を上げ、リースにヤン・ウルリッヒ以来のドイツ人選手と賞賛される。しかし、CSCと2006年までの契約であったところ、その満了後の2007年からのTモバイル入りの契約を前もって結んだことを知ったリースは怒り、彼を本来の契約満了前2005年いっぱいで放出、2006年からTモバイル入りとなる。

  • リースを怒らせて無事に切り抜けた人間は珍しい、まして22歳の若いライダー。ゲルデマンはそれだけ頑固者で扱いづらい性質なのである。

Tモバ移籍後2006年はツールドスイス総合7位、ツアー・オブ・カリフォルニア総合6位。今年のツールドスイスは総合20位。そしてツールのステージ勝利。


=====(アルダグのゲルデマン指導法)======


Tモバイルの監督アルダグは彼にああしろ、こうしろ、と命令しても仕方がないと思っている。

  • ゲルデマンは科学者。ものすごい理屈屋。まれにみるインテリジェントなライダーで、考え深い。
  • 彼には「こうしなさい」と命令してもダメ。その理由が理解できないと言うことを聞かない。自分で体験しなければ納得しないんだ。なので、私は彼になにか指示をしたら放っておくんだ。そうすると彼は自分にとって何が正しいかを自分で模索する。
  • ツールの最初の休息日、彼はマイヨジョーヌを失った直後だったが、私の制止もきかずにずっとインタビューを受けてあっちこっちにいっていて、まったく休まなかった。それがプロとしての責任だという考えだったのだろうし、自分の勝利を祝いたい気持ちもあったんだろう。だが、それで彼は疲労してしまった。
  • 彼は同じ間違いをしない、二度目の休息日のPauではインタビューに応じなかった。

本人はそのあたりについて、真面目に申し訳なさそうに以下のように語っていたと。

  • 僕には自分の意見があって、他人の意見を聞いたときそれを受け容れるかどうか、自分でいつも判断するんだ。でもいつも自分が正しいわけじゃなかったっていうのを過ちを犯して学ぶんだ。
  • でもだいぶ以前より年を重ねて経験をつむことが出来た。ミステイクをすることは、その後きちんと分析することによって自分が進歩する最善の道になるんだ。


=======(感想)===========


しっかし、、、若いのに(若い故か?)厄介そうな人です(苦笑)。。、顔も可愛いと思うのですが、ふと相当なきっついいかにもゲルマンな風貌のときがあります。

  • 想像するにアルダグたちが今の境地に至るまでには相当なあれこれがあったんではと思うのですが、気長に彼の円熟度が増すのを待っているようであり、そういう意味ですぐに大きな勝利を要求されずビッグチームでプレッシャーなく走ることができる今の環境は彼にとってかなり望ましい環境なように思います。
  • そのあたり本人も判っていて、Tモバイルにいけばドイツの将来を担う選手として、大切に長い目で育ててもらえそうだ、というのを見越しての移籍決断だったんでしょうねえ賢いねえ(結果、お騒がせになりましたが)。
  • 色んな評判とか、可愛すぎる顔とか(←ダメなのかよ)、次世代ウルリッヒとか(←悪いのかよ)、公式サイトでのアイドル扱いとか、私の神経を逆撫でしまくっていた彼ですが、なんとなく人となりがすこしわかったようなきがします。とりあえず第7ステージのゴール時、塩で周りが真っ白になった口をぽかっとあけて全身全霊で喜びを表現していた彼の姿は、これまでの印象を改めるシーンでした。


========(参考リンク)========


http://homepage1.nifty.com/chameleon/kuro/diary/jan21.html

黒崎さんのところの2005 年移籍がらみのあたりの記事が詳しい。
若いのにチポ様とベッカムが入っている?と性格的に問題視されていたようで。
当時、Tモバイルにいったらそれこそどう成長するかわからないなー、と思っていました(←私だけ?)

http://gamigame.jugem.jp/?eid=152
去年うるたんにスイスでアゴでつかわれていたときもありました。笑。涙。。

http://www.cyclingtime.com/modules/ctnews/view.php?p=5887
今年ツールで勝利したときのCTの記事。


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(ゲルデマンが積極的な反ドーピングがらみの発言についてと、アルダグの若い世代への責任について、つづきます(たぶん))