tannenbaum居眠り日記💤

観戦者の目による、おもに自転車(おもにシクロクロス)関連のすみっこネタブログです。

ストランゲーゼ30番地の白い扉へ(ハンマースホイ展)

先日、有休とった日の用事終了後夕方行ったハンマースホイ展は思ったとおり私好みの世界だった。
http://www.shizukanaheya.com/

  • が、私だけでなく、たくさんの人たちがハンマースホイの世界にひきこまれてながながと立ち止まって浸ってるとはちと驚き。なんとなく近所のスーパー銭湯のお気に入りコーナー(薄暗い寝湯の部屋、生暖かいお湯が中央から流れ出し、明かりは低く、皆、お湯の流れる音とぼうっとした明るさの中で海草のように浸かっている)に黙って横たわる人々を思い出した。
  • 普通ならじゅうたんがあり、生活のための小物さまざまがあるはずの室内は、床板がむき出し、飾りもロイヤルコペンハーゲンの大きな蓋つき容器ぐらい。ピアノや椅子の足が足りなかったり、ドアが閉まらないようなところにテーブルがあったりする。人物も後姿が大多数。
  • ミニマムな室内風景だけど、無機的ではない。メランコリーなかんじ?街の風景も、中心街を描いているのに人影が描かれていない。具象だけど心象。室内の白い扉は違う次元につながっていそうだ。
  • みるからに暖かい題材と色調な絵よりもこちらに共鳴してしまいがちな自分は陰鬱な性格なんだろう(苦笑)
  • 北欧のフェルメールと呼ばれるハンマースホイだけれど、あの光線と空気を観る目をこちらに与えてくれ、なにかの感慨を呼び起こすフェルメールと、いちおう具象の風景だけど描いているのが心象風景のようなハンマースホイとは違いすぎると思った。

谷内六郎の絵の背景みたいな、具象画だけど心の中にあるような景色とその叙情に惹かれてしまう自分にはまさにうってつけの展覧会だった。

  • ちょっと感想を書いてるところを検索してみたけれど、知らない画家だったけど、よかったー。みたいな人が多いようなかんじな気が。

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白い扉とか、黒いワンピースの上に着られた白いエプロンの色とか、決して「生成り」「乳白色」じゃなくて、パキっとした白なんだなー。磁気のまっ白いシンプルなお皿とか、真っ白なリネンとかの小物が好きな人にもいいかも。

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一度行ってみたいデンマーク料理の店。