tannenbaum居眠り日記💤

観戦者の目による、おもに自転車(おもにシクロクロス)関連のすみっこネタブログです。

06年にロット加入しそこねたSanderson、JCとTPで再来日

http://www.japancup.gr.jp/2011/node/645
ジャパンカップの記者発表で、オーストラリアのチームを招聘するという話があったが、ジェネシス・サイクリング・チームに決定した模様。(オーストラリアのオレンジ軍団)
JCとトラックパーティーにやって来るのは東京ステージの覇者 - HONK de BONKくまたろうさんのブログで注目されていた、ニック・サンダーソン(TOJ05で来日、ステージ勝利)

  • そのときのオーストラリアチームの来日メンバーには、クリス・サットンや、マシュー・ゴスなどその後順調に名前が売れている選手が目に付く。

で、彼の名前を普通に検索すると上位ヒットするニュースがこれ。↓
http://www.cyclingnews.com/editions/latest-edition-cycling-news-for-february-16-2006今はもう昔なハミルトンのケースの仲裁の話とか、元祖VDBのドラッグ所有の罰金とか、GeelongのUCIワールドカップで前年3位に入った沖美穂選手に言及、などに目を奪われながら読んでみると、どうやら前年度9月にサイン、手中にしていた06年シーズンからのDavidamon-Lottoチーム加入について、2月という半端な時期に契約解除、放出されていたらしい。

  • ニック・サンダーソンは2002年のジュニアRR世界選銅メダリスト、将来が約束された才能の持ち主であるとされていた。
  • 05年9月の契約後、ロットからヘラルドサンツアーに参戦、さらに、ツアー・ダウンアンダーに出場したものの、何かの理由で倒れてしまい、体調不良を訴えた。同月に先駆けて行われていたオーストラリア・オープンもDNF。
  • その引き金が、彼は実は過去に2回発作を起こしただけの軽いてんかんを抱えていたことを公表したこと、競技には影響なく、弱い治療薬(禁止薬物に該当しない)を必要とする場合があるのみ、というものであったらしいが、契約解除が病気に対するいたずらな理解不足や差別的な対応ではないかという向きもあったようだし、彼はそれをきっかけに弱冠21歳にして競技をやめるという説もでていたが、2月で放出という厳しい結論にも、本人と、ボーネンやジューリックの代理をつとめていた有名なベルギー人代理人Paul de Geyterは、特に抗議はせず、理由は健康問題が主なものではないとして契約解除を受け入れたらしい。で、21歳にして引退説を否定し、彼はモチベーションを持って走り続けることを選択した。
  • DAVITAMON-LOTTO - 2006 - DVL Team Information - By: CyclingFever.com当時06年のDavidamon-Lottoチーム。エヴァンス、ニコ・マッタン、マキュアン、ホーナー、フレッド・ロドリゲス、ステーグマンス、スティールズ、ファンペテヘム、ヴァンスーメレン、など等いうまでもなく錚々たるメンバー。
  • たとえば、そのとき研修生扱いであった1歳年上のベルギーDevenynsなどは派手さはないが着実な歩みで現在クイックステップ。今年のBrabantse Pijl(ルーヴェン出身だから、地元レース?)で6位。
  • ロットの契約解除後、彼のパフォーマンスがどうであったか詳しくはわからないが、チャンス到来を手中にできなかった選手が、その後もJelly Belly, Rock Racing と Amore Vitaと選手活動を継続し、その嵐の前の前年には日本でTOJで活躍していて、そして今再び日本で走るというのが感慨深い。05年とはまったく顔つきもちがっている別人のようになっているかもしれないし、その後も中身の濃いものであったことを身をもって示すような納得の走りが見られるならいいなと思う。