tannenbaum居眠り日記💤

観戦者の目による、おもに自転車(おもにシクロクロス)関連のすみっこネタブログです。

Nysをめぐる連続エルボー事件(Superprestige Gavereと前日のHasselt)


この間の土日はbPostとSuperprestageが連日楽しめる、ファンにとっては贅沢な週末でした。派手な空中クラッシュもあったし。

(CNより)

  • これは土曜日のHasseltでの出来事。

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【日曜日、Gavere】
日曜日のSuperprestige Gavereですが、いつも今シーズン先頭争いをする二人(NysとAlbert)ではなく、Nysと長身Klaas Vantornoutのマッチアップに。いつもレース序盤から積極的に走り、順位は3位とか5位のあたりにいることが多いクラース。今回はNysと1対1になった。
頭の先から全身泥まみれで双方譲らずのまま、最終周回。お互いに仕掛けても差が開かない。どこかでNysが水をあける場面がでてくるだろうとたかをくくって(クラースさんごめんなさい)いたが、Nysも相当重馬場に体力を奪われていたのか、決定づけることができない。前を引かされている?クラースが何度もNysを肩越しに振り向くが、Nysは誘われない。

  • が、上りの滑りやすい坂を利用してNysアタック。クラースはバイクを降りざるを得なくなった。

  • このビデオでは1:18:56あたりでクラースが担ぎ始める。その後。
  • 乗っているNysもスピートが出ていないところを、長い脚で走って追い越しにかかる、解説者がなんだかものすごくうれしそうな?声を上げたと思ったら、クラースがNysの右側追い越しざまにバーゲンセールや電車の座席争い?をするときのおばさんのようにちょんとひじを張りだした。

Sven Nys bests Klaas Vantornout at a muddy Superprestige Gavere - VeloNews.com←VelonewsのGavereレポート。

  • Velonewsは前日パウエルスがシケインをバニーホップで越えるときNysに追い越された直後転倒したアクシデントの返礼をすることになった的な表現をしている。
  • ライヴストリーミングで見ている時には「横を通り過ぎるのに軽くひじをあてて、相手に知らせただけであろう」という話かありましたが、まあたまたまそういう(チームメートがやられた仕返し的な)ことになったのでしょうかね。国内のレースなんかを見ていると右から抜きます、的な声がけのシーンを目にするけどあんなマッチアップ中はそんな余裕無いですし。。
  • ひじを使って追い越したものの結局スプリントで分があるNysを最後まで振りきることができなかったクラースは、ゴール前のストレートで首を横に振って2位でゴールすることに。
  • Nysはスプリント勝負になるとすれば警戒すべき相手はパウエルスとファンデルハール、と語っていた模様。クラース相手ではゴール勝負に持ち込んだ時点で勝敗は決まっていたということでしょうか。
  • クラースはこの日かなり調子のよいことは自覚していたらしいけれど、残念。年に一度はビッグレースで勝利している印象だけれど、今回のNysとの死闘は印象に残った。
  • 後方ではワレンス*1がパウエルスを押さえて表彰台入り。なんだか好調なワレンス、よかったね!

Klaas Vantornout - Wikipedia

  • クラース・ファントルノウトのwiki。すごくさわやかな笑顔。で、案外おばちゃんなのですね (違)


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【土曜日、Hasselt】
これがその前日、土曜日に開催されたbPostトロフィー動画、Hasselt。

  • 55分ごろのシケイン(丸太にバナーを貼ったもの?)をバニーホップで越えようとしたパウエルスが転倒。Nysが後方からかなりの勢いですぐ横を追い越した直後のこと。

BPost Bank Trofee - GP Hasselt 2012: Results | Cyclingnews.com←CNのHasseltレポート。

  • そのアクシデント、わたしがライヴでみていたときはパウエルスが自らバランスを失ったように見えたけれど、CNによるとNysは自分の肘がパウエルスに接触したことを認めてたらしく、パウエルスもそう言ったらしい。パウエルスは斜めに跳んでしまったものの、Nysが行く手をふさがなければ自分は転倒しなかったといったとか。
  • ただし意図的なものではなかったのは両者認めるところだったし、直後Nysが手でexcuseのサイン*2をだしていたし、自分としてはもう忘れる、とパウエルスは語った模様。なんか表彰式では怒っていたようだけれど語るときはおとなしくなっていたのか。
  • ちなみにNysは待つかどうかためらったとか。待たなかったけれど。苦笑

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  • このレース、上記クラッシュのあったよりも2周回前の4周回目あたりでパウエルスとAlbert、Nysの3名がいつもの先頭集団を形成したのだけれど、何のトラブルもなさそうなのに急に砂地区間でNysが二人から遅れる場面があって、どうしたんだろう?と不思議に思ったが、Nysは意図的に遅れたとレース後説明したらしい。つまり、スピードアップさせるだめだったと。
  • よくわからないけど、Nysが遅れたから、チャンス!と残りの二人がパワーを消費して疲れるのを待っていたということなんでしょうか。。おそろしやシクロクロス界のカンニバル(人食い)様。
  • そういう下敷きがあってこそのレース結果なんですね。。私は最後Albert案外つかれてたのね、なんてぼんやり思ってたけれど。

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  • 今年のNysは去年より明らかに好調。去年は「1位にはなれないけれど、あきらめずに冷静に追い上げようとする姿」にぐっときていたことが多かったけれど、今年は恐ろしいカンニバルっぷりに茫然と魅了されるということが多いように思う。
  • 彼はレース前もレース後もたくさん語るけれども、とくにカッカしているようには見えない。最初はクールな人なのかと思ったけれども、やっぱりうれしいレースでは興奮が見えてたくさん話しているし、勝負への渇望は尽きることがない。きっと彼はアドレナリンの上昇を勝利に向かって必要な方向のみに集中して注ぎ込むことができるんじゃないだろうか。うん熱いんだね。などと思ったりしました。

*1:現地観戦旅行中のクロスチェックさんによると、ローラー台でアップする様子はまさにおじいちゃんだったらしい

*2:nothing personal: 悪気はなかったんだ、悪く思うな的な?