tannenbaum居眠り日記💤

観戦者の目による、おもに自転車(おもにシクロクロス)関連のすみっこネタブログです。

シクロクロス世界選2013(男子エリート)

スケジュールが土曜日に一気に詰め込まれたのですが、これはもう徹夜する勢いのところ、あいにく翌日朝から予定があったため、エリート男子だけ生中継で観戦しました。

【参照レースレポート等】
http://velonews.competitor.com/2013/02/news/sven-nys-claims-mens-cyclocross-crown_273619
←VNレースレポート
http://velonews.competitor.com/2013/02/news/sven-nys-prizes-the-rainbow-jersey-but-strives-to-be-good-in-every-race_273681 ←VNのNysコメントまとめ
http://www.cxmagazine.com/elite-men-2013-cyclocross-world-championships-louisville-result-nys ←CXマガジンのレースレポート

  • 天気が周回毎に変化したといわれていますが、最後は雪になりましたね。。早い時間のレースよりもウエットな度合いが増えたでしょうか。
  • まずはチェコ人のMartin Bina(渋い…)が先頭に。最初チェコジャージでStybarかと思ったけれど彼は世界選不出場でカタールかどこかの空の下にいるのだった。表面の泥が凍るようなコンディションはチェコ人が得意だろうといわれていたが、そのとおり。Binaは直前のワールドカップ最終戦、Hoogelheideで勝利を挙げて、ひきつづき好調だった。世界選なんて、どうせベルギー選手権でしょ?という言われ方もしてるけど、先頭グループにはフランス人 Mourey、イタリア人 Fontana もいて、かならずしもそんなことはない展開で面白い。アメリカ人のPageもいたかな。 あとベルギー陣営はPauwels と Vantornout。
  • 2周回目からはフランスチャンピオンMourayが先頭に。twitterで馬場さんがムレイのフォームが面白いという。「そろそろ〜っと走って、ネリネリっと踏む感じ」なのだそうです。追走はあまりハードに追わなかったのか、Pauwels, Nys, Vantornout, Bina と Albertはちょっと差がついていた。Mourayは一回落車するが、ことなきを得る。Albertはどうして遅れたのかな?
  • 泥のレースではあるけれども、泥は深くなくて、選手や自転車にまとわりついている印象。積極的にバイク交換するんだろうと思ってみていたら、しょっちゅうピットに駆け込む選手がいるが、コースレイアウト的にあまりピット経由でもタイムギャップが付かない。しかし、先頭のMourayだけは一回ぐらいしかバイク交換をしない。いいのか。バイク交換とは関係ないかも知れないけれど、なんだかムレイは人一倍泥を全身にまといつかせているような気がする。解説の三船さんがそんなに交換はしなくてもすむような泥というような話。でもやっぱりマシンはきれいなほうがリスクは少ないのじゃないかなあ。。
  • そうこうするうちに、Pauwelsが上がってくる。後ろは水色の塊、ベルギー軍団。。こうなると判官びいきでフランスがんばれ、となる(苦笑)ムレイはここでパウエルスと二人旅でギャップを広げたかったんでしょうけどね。。パウエルスは前にでなかった。
  • で、目立たなかったvan der Haarが上がってくる。オレンジ色のチビワンコ。レース後のコメントでレース前半は調子がでなくてペースが作れなかったそう。
  • て、クラースやNysもおいついてきて、もうベルギーによる包囲網。。ううむ、。
  • いやでも、ベルギー対他の国、というくくりで見ていると面白さが増すかもしれないが逆に減るかもしれないのがシクロクロスなのだった。。
  • そのときアメリカ人のレースアナウンサーは、

ベルギー人たちが来た!ベルギー人たちが来た!」

と叫んでいたそうですね。。(怪獣か。。ジョーズか。。。)

  • レース後コメントでNysはレース前半はムレイの逃げに対して、彼は強いけれど必ずミスをするので、それを辛抱強く待つつもりだったらしい。おそろしいですねー(うっとり。苦笑)
  • その後ろでvan der HaarとAlbertが一緒にいたようですが、van der Haarのコメントでは、「アルベルトはメンタル的に下がっていたように見えた」そうです。Albertはエリートレースのスケジュール変更に声をあげて反対していたようですが、日曜日に合わせて直前トレーニングのメニューをこなしてしまった度合が他の選手よりもとくに強かったんでしょうか。Nysやジョンソンも(回復に72時間という予定で木曜日に追い込んでしまった)と聞きましたが。スケジュールが変更されなければ、Albertはもっと輝いたかもしれないですね。。
  • 長身のVantronoutがアタック。このままいくとベルギーチャンプと世界チャンプをダブルでとっちゃう?とも思えましたがまだムレイが食い下がるので見上げたもんだと思った。
  • そうこうするうち、パウエルスがチェーンのトラブル、なかなか復帰できなくて、ああーーあれは辛い。彼は重要な場面でのメカトラが多いねえ。。
  • チェーンがなかなか戻らないパウエルスをつぎつぎに追い越して行ったグループの中から、その直度ムレイが遅れた理由がわかりませんでしたが、記事によるとパンクがあったようで。
  • そして、終局はNys対ひょろながクラースVantronoutのガチンコ対決に。
  • Nysはバニーホップで楽々シケイン越えをしていたので、その前にどこかでいくだろうか。というのは三船さんがおっしゃったんでしょうか。レース後Nysもシケインまでにギャップを付ける作戦だったと言っていますね。
  • 12月に観客からビールを投げられて、bPost Bank trofeeのタイトル争いを捨ててまで抗議したあと、体調不良で自分の名前が冠されたレースさえ欠場してた期間があったけれども、Nysの脚はそれでかえってフレッシュだったのかなー。
  • Nysはレース後コメントで「クラースの走りは知ってる。通常であれば自分の方が速いことを知っていたが、ここではスプリントにはならないだろうと思われた。よって、自分が一番うまく乗れていたシケインより前にギャップを作ろうとしていた。」と言ってたので、そのタイミングを計ってたんでしょうね。。Albertが勝つときみたいに絶望的な大差をつけたりしないけれど、行くタイミングを捉えたら、もうさよならの鐘がなるのでは。。というのは彼の勝ち方として予想されていたような。
  • クラースがカーブのところで脚をつくミス、その直後のネットのフェンスにちょっと引っかかるミスを連発。大したロスではないけど、もうこれで終わった感が。。
  • ゴールは、クラースはすごく悔しそうでしたね。。でも彼は昨シーズンまでは3位とかの人だったので、1位争いできるようになったということで、次はチャンスが出てくるのではないでしょうか。
  • レース後Nysは、自分の勝利は自転車に乗った時のパワーではなくて、経験と戦術によるもの、と言ったらしい。Velonewsのインタビュー記事では、以下のような表現を。

"Kanibaal van Baal"(バールから来た人喰い)は、驚くほど我慢強く抜け目のないレースをした。彼とベルギーチームはゆっくりとムレイの逃げを搦め捕り、彼はいくつものアタックを受け流し、そして、Vantronoutの僅かなミスによって勝利の扉を開き、そしてただちにその扉をピシャリと閉めた

【おまけ】
初めてのエリート世界選で3位にはいり、嬉しそうなファンデルハールが、記者会見で何か言ったのか。席を立つときに他の年長者二人にポンと叩かれたりしてエヘッ、となっている。

https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=H2sSII-DDoI ←動画リンク