ツール最年少表彰台Danny van Poppelと、その父と兄
さて、ツールかピレネーにはいり、総合優勝の行方に関わる重要局面が、、という段階になってから漸く第一ステージで拾ったネタを今頃記事にする、速報性ゼロの当日記です。
オープニングステージでいきなり10代のスプリンターが表彰台に上りましたが。
- VacansoleilのDanny van Poppel, まだ19歳。兄のBoy van Poppelは数年前からロードシーンで時々名前を見かけていたし、父はなんといってもツールステージ勝利9回、グリーンジャージ1回、同年のツールにおけるオランダ人最多勝(4勝)の記録を持つオランダ史上に残る名スプリンターといわれた人物(今日は勝てないだろう、と思われるような集団スプリントで後ろから出てきて勝つことが多かったらしい。)で、指導者としても、女子のオランダナショナルチームや米国ナショナルチーム、ファームフリッツなど女子の指導で実績を上げたあと、新規結成されたCerveloTestTeamを率いていた。現在は母国ヴァカンソレイユの監督である。
- ほら、この目が一寸こわいようなおじさんです。以前の当日記でも、ジロの総合優勝候補グループから脱落しそうになっているサストレをやかましく励ます暑苦しいところを目撃しています
- ↑1988年シャンゼリゼゴールで集団スプリントに勝利したときのJean Paul. ゴール後もみくちゃになってコメントをとられている。いまでも、「彼のスプリントぶりは好きだったなー。」という人の発言をネットでときどきみかける。当時のジャンポールは痩せていて尖ったような鋭い顔付きだった。
- 下の息子Dannyは2-3年前にシクロクロスで国内タイトルを獲ったり、ジュニアのビッグレースで勝ったりしていた記事を見て、Boyに弟がいるんだ、と思ったのが初めてだったが、現在は本格的にロード界で出発しているようだ。
Danny van Poppel←Danny van Poppelのプロフィール(CyclingArchives)
下の動画を見ると、兄のBoyに風貌が似ているがもっと甘い顔立ちのようだ。
昨年のチューリンゲン・ルントファールト第一ステージで勝った時のビデオ。
19歳の若さでツールに出場させることには是非がいわれているようだが、メディカルスタッフが注意深く様子を見ているとのことだった。
http://www.velonation.com/News/ID/14811/Multi-pronged-approach-for-Vacansoleil-DCM-team-at-Tour-de-France.aspx
チームの監督の一人Aart VierhoutenのDannyのツールメンバーへの選出についてのコメントが印象に残った。
- 外部から見ると彼のツールメンバーへの選出は今回一番の驚きだったかもしれないが、自分は彼をナショナルチームで見てきたが、ジュニア、アンダー23とカテゴリーが上がるたびに彼はさほど影響を受けないことがわかっている。プロとしても既に表彰台に何度ものぼっている。幸いにも今のツールでは若い選手は10年前は出来なかったようなところでconnect出来るので(無線通信ができるとかデータが飛ばせると言うこと?)若すぎると言うことは問題にならない*1。
- また、Danny は常に新たなる挑戦をさせておかないといけないタイプである。つまり、「彼の才能は常に刺激を必要としている」と言うのである(まるでウィギンス)。。それだけの大きな可能性を持った選手、と言うことなのだろうか。
http://www.vacansoleildcm.co.uk/nieuws/succesful-start-for-vacansoleil-dcm-in-100th-tour-de-france.html←ツールの皮切りは好調、というヴァカンソレイユHPの記事に、親子3人並んでいる写真が。お父さんちょっと恰幅よくなってきたかな?
Boy van Poppel←兄Boyのプロフィール
- 2008年、兄Boy(髪の毛がいつもライオンの如く爆発している。名前のつけ方があまりにも適当だろう、犬か?と以前掲示板で言われていたことがある。。)が20歳でツアー・オブ・ミズーリでプロ初勝利をスプリントで挙げたときの記事。
Van Poppel delivers a victory – 'Popeye' style | Cyclingnews.com
- この時期のBoyはシーズンオフには8レースほどのシクロクロスに出場していたようで、国内タイトルを兄Boyもジュニア、U23時代に複数回獲得している。
- まわりの子供たちが皆自転車で乗り回していたから自分も楽しいだろうと思って始めた。冬には同じ子供たちがシクロクロスをやっていたから自分も始めた。と言っていたようです。
- まあ、二人ともシクロクロスの才能も見せていましたが、スプリンターとしてロードで通用するということで、専念するようになったのでしょうね。
- 今回のツールでは兄のBoyは弟Dannyのアシストをしているようだけれども、選手としての可能性、スケールは弟のほうがすぐれているのだろうか。
- 父ちゃん監督、兄弟がスプリンターで協力しあっていく、、血縁の3名がいるチームでバランスを失わずにやっていくのもまたある意味大変かもしれませんが、いずれにしても、今後のDanny君の活躍が楽しみです。当面、兄弟で初めてのツール出場という事で、山岳を支えあって乗り切るのでしょうか。ピレネー山脈初日は兄弟そろって150番台でゴールしていたようですが。
なお、戦後最年少のツール参加選手というようなことを知ったのはVelonationのShane Stokes氏のツイートだが、彼のつぶやきをたどるとツールにおいて親子勝者が過去に居たことがわかった。
@DStan58 hmm, very good question - Cedric Vasseur and his father Alain did it, not sure if others
— Shane Stokes (@SSbike) June 29, 2013
@SSbike @DStan58 far as I know there have been four sets. Vasseur, Nijdam, Masson and Molineris.
— Cillian Kelly (@irishpeloton) June 29, 2013