tannenbaum居眠り日記💤

観戦者の目による、おもに自転車(おもにシクロクロス)関連のすみっこネタブログです。

少年は荒野を目指す

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今シーズン初めて、念願の飯山ナイタークロスを観戦することができた。何年か前雪中ナイタークロスとしてベルギーの新聞サイトに「過酷な条件に強い日本人」と取り上げられた。(Diegemまつり#2)「Meeusen向き」飯山ナイタークロスに反応したDiegemオーガナイザーは親日家? - tannenbaum居眠り日記💤


・今年は非常に冷たい雨。雨装備で手が凍えそうになりながら撮影。この時C2レースで帯同したFRIETENから昇格者が出たので、C1のナイトレースは殆ど見なかった。

・本部テントに若い選手がレースを終えてやってきた。途中リタイアの雰囲気ではない。ああ、高校生。信州クロスでは強いジュニアはC1と混走することを思い出した。
・冬の雨中夜間レースは止まった途端一気に凍える寒さ。その選手は急いで戻っていった。

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 翌日二日目昼間のレース。一転すばらしい好天。そしてまとわりつく泥。

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上位選手たちが降車を選択して小回りで駆けてゆく下って登る鋭角コーナー。彼らは乗って通過できないわけではないが、効率やリスクなどを考慮しての選択だったらしい。
・一人毎周乗車で通過する選手が。確実にロスなくこなせる自信があるのだろう。
リストをチェック。なるほど、彼が松山工業高校の村上功太郎選手。
・世界選に行った選手は一味ちがうと沿道の声が聞こえたけれど、大人たちに混じって自信に満ちた走りをしているようだった。MTBの選手なのかな(あとで確認したらそうだった)。

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(MCから雰囲気硬い表彰台(笑)と言われていたその日のジュニアの表彰台)

・このとき表彰台の小島選手はこれまで関東のレースで大人たちを置き去りにする姿を幾度となく見てきたし、橋本選手も前夜のC2混走でトップでゴール、人材を輩出し続ける信州の底力を見た。
・そして西には強い若手が何人もいると聞いていたけれども、まだまだこれから楽しみは尽きないなホクホク、と思った。


・その後本人とFacebookで繋がったところ、彼に言及する村上君のお父さん征士郎さんの投稿がタイムラインに。息子の単独渡航に保護者が同意するというベルギー当局への?提出文書に外務省のアポスティーユ証明を取得したというもの。
・自分は業務上アポスティーユ取得の必要がある時期があり面倒さは知っているが、お父さんは自力で調べて松山で公証人の署名証明取得→法務局の公証人押印証明を取得→外務省に郵送申請でアポスティーユ証明の取得まで処理していた。
・そして息子は単独渡航。とことん自主的に物事をすすめる親子のよう。
・でも、ベルギーではどうやってレースに出るのだろう?


そして迎えた全日本選手権。現地に出かけられず、有志(小金井三郎さん)の実況ライブで観戦。いつ誰が抜け出すかという緊迫した展開の中、村上選手が絶妙なタイミングでアタックし優勝。本人の頭の中はクールなんだろうと思った。世界選手権では10位台を目指したいとゴール後のインタビューに答えていた。
そして以下のお父さんの投稿。

MTBアジアシリーズ・マレーシア大会への単身遠征で、海外にチャレンジしたいという意欲が。
・CXシーズンは世界選に照準をあわせ、自分でリサーチしたところ年末年始に短期間にUCIポイント獲得可能なレースが固まって開催されることを知った。
・上述のマレーシアで一緒だった竹之内選手に帯同させてもらえないかと問い合わせをしたところ、快く引き受け、レースもサポートも手配をしてくれた。
・チームが同じというわけではなく躊躇があったけれど、思い切ってよかった。
・長年竹之内選手をサポートしているランジットさんの向かいの家に滞在する。宿泊先では自炊。
・ランジットさんの息子と同じレースに出場し一緒にサポートが受けられる。


レースや競技の内容のみならず、今後の人生で活きる色々な力が身につく遠征になりそう。

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 12月22日から1月4日までの2週間で4レース、出場レースにはワールドカップのHeusden-Zolder (12月26日)も含まれる。

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かつて鈴木雷太選手から始まったと言われる、日本人の海外レースへの挑戦。竹之内選手が継続してきたものを次につなげることができるのか。

 

若い選手、いや若くなくても向上心とチャレンジ精神を持つ、そんな人々を目の当たりにできる事が私がこの競技を見る楽しみの一つ。