Iserbytの巡り合わせとチャンスと決断
Supernieuws: toptalent @IserbytEli sluit op 20 juni bij ons team aan! Hij tekent een contract voor 5,5 jaar! pic.twitter.com/UAgJ8pFEJb
— Marlux-NapoleonGames (@MAR_NAPG_CT) 2016年5月30日
(↑の写真、若者以外みんな濃くて素敵。)
Iserbytの行く先については、先週NysがFIDEAとの契約更新交渉はまとまらず、彼はチームを出てゆく、という発表をしていましたが、いよいよ決まりましたね。
・大方の予想どおり、移籍先はMarlux-Napoleon Gamesに。
・6月20日からの契約開始で、5年半の契約期間。って長い。
・MarluxのGeneral Manager、Jurgen Mettepenningen氏のコメント。現在Kevin PauwelsがエースでMichael Vanthournhoutとともにチームの結果を担うが、Iserbytはその陰でじっくりその素質を延ばしてから、トップに出ればよいと (セカンドエースの地位、いまはKlaasでなくMichaelなのか)。その後世代交代したらエースとして君臨してもらうつもりらしい。
(色々と薄いけど、声も細いしつきいちが多いけど円熟してきたケビン。彼は簡単そうに走るからすごさが伝わりづらいらしい。まだ独身...だよね?)
(最近ランクアップしてきたマイクル君。髪の毛の色は薄い。顔はラクダ系。中堅イメージだったけどなんだかトップ10常連になりつつある?)
(ちょっと前までは表彰台常連だった、長身クラースさん、Klaas Vantrnout。手足が長くて、器用ではないらしく時々派手なコースアウトとかする。脚ながを生かしたランで差をつけることができる。このところ不調で、チームから切られるんじゃないかという噂もあった)
・しかし5年半の契約期間って長い。。。チームと一蓮托生なかんじ。
http://www.nieuwsblad.be/cnt/dmf20160525_02306712www.nieuwsblad.be ←彼と契約更新しなかったFIDEAのコメント(Nys)
・一方、彼を放出することとなったNysのコメントとして目を引くのは、
我々の報酬に対するポリシーは全選手に対して適正な支払いをするというものだ。
という発言。目玉選手だからといって働き以上の特別な報酬は出さない、ということ?
・でもそれではVan der Haar獲得用に確保して浮いた資金を手にギラギラ狙ってるMarluxとの条件争いには勝てるわけがない。というかFIDEAはNysとわんこ採用で資金が底をついたか。FIDEAはこのところトップの成績が不振だったからエリートの今勝てる選手のほうが優先なのは明らか。
・IserbytはこれまでのFIDEAの優れたサポート体制に感謝していたとのこと。
・彼がいなくなったFIDEAのアンダー世代にはそれでもQuinten Hermans (今年の世界選U23で3位 1995年生まれ) と Thijs Aerts (同4位 1996年生まれ)の優秀な選手たちがいるので、彼らを将来の期待株として育ててゆくと言っています。
【たしかに優秀なFIDEAのアンダー23組】
・Marluxのほうの若手としてはほかに、IserbytとおなじFIDEA若者チーム出身からJarne DriesenとGianni Siebens (どちらも1997年生まれ)も採用したらしい。
【FIDEA⇒Marlux組】
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これまでエリートにあがったら金の卵が普通のニワトリになっちゃった例も数多くあったと思う。
・Iserbytは今U23で勝ちまくっているけれど小柄な(165cm 55kg) 彼がエリートに上がって一時間のレースに体力的にどれだけ太刀打ちできるか?トップクラスだろうけど、エリートの世界チャンプをずっと獲れる程になるかどうかは疑問、、といっていたお友だちもいた。。。
(遠目には、やや頭が大きく見えるのが特徴。ドライでテクニカルなコースが得意、軽量なので重馬場はいまいち、だけどパワー強化して強くなりたい。と以前のインタビューで言っていた。)
・同じように「当面はプレッシャーを与えない」といっていた両チームだけど、報酬というのは対価を伴う。今回これだけ注目されてMarluxで高い報酬を受ける彼への風当たりは、FIDEAでリーズナブルな金額で残ったときよりいろいろあるんじゃないかな。。
・それにしても丁度U23の世界タイトルをとった直後に移籍の時期がきて、そこに大物Van der Haarをとり逃したチームから好条件オファーが来たのも彼の人生の巡り合わせ。
(Jurgen Mettepenningenさんはなんというか、栗のようだなw)
だけど、もしこのあとFIDEAに残ってリーズナブルな報酬でしばらく走るうちに成績頭打ちになってたら生涯年収違ってきそう。
【ここで思いついた宿題】: 歴代U23上位者のエリートになってからの成績チェック。
CX-RR横断マニア向けねた (Sean De Bie)
(お知らせ)はてなダイアリーを始めて4311日目、エントリーした日数2410日、記事数6526本。このエントリーからはてなブログに引っ越しました。古い記事ごとの引っ越しです。旧リンクを訪問するとはてなブログのリンクにリダイレクトされるそうです(よくわからない)
まだサイドバーとかデザインが確定してないですが、半端に移動するとややこしいのでえいやっと今日から移動して書き始めました。
なにが変わるって、スマホからでも書きやすくなって、更新頻度が上がるかもしれないですね。はてなダイアリーを書くアプリはすごく不便でした(間違って戻るボタン押したら一巻の終わり、とか)。はてなブログは実際、いろんな外部ソースとのリンクがしやすそうです。デザインのカスタマイズははてなダイアリーのほうがすごいらしいけど、いまの趨勢はシンプルなブログらしいですし。
さて、いきなり当ブログでジロって久々ですね。
Giro d'Italia: Stage 21 - Highlights
- ジロは追えてなかったんですが、昨日は夜遅くから着手したフムス(ひよこ豆と白ゴマペーストでつくったディップのような食べ物)を、ジロのフィナーレを見ながらワインとともに試食していたのでそのまま見ていました。
- ゴールスプリントが始まる、と思ったら実況から聞き覚えのある名字が聞こえてきた。
「デビーが飛び出した」「ベルギーのショーン・デビー」
- ほら、ベルギーでデビーっていったらシクロクロスファンなら沸き立つでしょう。ってこのブログ読者なら当たり前ですよね?(笑)
- 以前一度経歴チェックしたことがある若者Sean De Bieである。フラムルージュあたりから飛び出してしばし先行。その後、飲み込まれて5位。(上のリンクに動画あり)
- ここで、わたくしのリサーチ病が火を噴いたのでした。
【Sean君について】
- http://www.cyclingarchives.com/coureurfiche.php?coureurid=24860←Cyclingarchives.
- http://www.procyclingstats.com/rider.php?id=138647&season=2016←Procyclingstats
Sean 君はシクロクロス界の大物兄弟、Rudy De Bie(ベルギーナショナルチーム監督) とDanny De Bie(元FIDEA監督、来シーズンよりMarlux Napoleon GamesのTeam Manager) 兄弟の真ん中、Eddy De Bie (この人もまた自転車選手だった)の息子らしい(Cyclingarchivesにはcousinとあるけどnephewだろう)。つまりあの大物兄弟の甥っ子。顔はRudyにもDannyにも似てないように見える。
ベルギー代表監督を長年勤めているルディーのおっちゃん。よくワールドカップや世界戦の選手セレクトについてインタビューされている。レースの解説席にいるのも見る。太ってたけど、最近痩せて弟のDannyと区別つかないときがある。Koksijde世界選の試走タイムに生で彼を見た時はお腹ぽんぽこりんだったけど、若いもんたちにみせつけるように年季の入った砂の深い急な下りがめっちゃうまくて拍手喝さいだった。
www.nieuwsblad.be
ダニーのおっちゃん。来シーズンからはMarlux(旧SUNWEB)のチームマネジャーになる。でもFIDEAといえばこの人が監督のイメージが根強く、人望・求心力あったらしいけどFIDEAを謎の理由で解雇されて、もう一度復帰したけど、また謎の理由で契約解除になった。いや、二回目はチーム成績不振かも。解雇されてる間にFIDEA若者チームにいた金の卵Wout Van Aertをよそにとられてしまったのは、ダニーのおっちゃんのような人望がそのときのかわりの監督には不足していたからといわれてたような。
【さて、Sean君に関する最近の記事をピックアップ】
一昨年U23ヨーロッパチャンピオンのタイトルを引っさげてプロデビューの年はLotto-Soudalのマヨルカキャンプでオーバートレーニングのせいか、クラッシュして重傷、けが明けも体調不良などで棒に振った。
昨年はDe Panne3日間で総合5位、Tour of Luxenburgでステージ勝利、そしてTour of FlandersとParis Roubaixのメンバーにも入った(どちらもDNF)。新人としては優秀じゃないですか。
今年は西フランドル3日間レースで総合優勝。De PanneはGreipelがスプリントエースに、Sean De Bieが総合エースだったらしいけど、ステージ3aが49位、3bのTTはDNS、けがでもしたんだろうか。そのほかの春先のクラシック戦績もいまいち(だけど有名レースには軒並み出場)、本人が自分に向いていて今年の最大目標(選ばれれば)と言っていたFlandersは出場できなかった。パリルーベには軽量すぎるが、Flandersに出てくるようなのぼりが得意らしい。あとTTもいけるらしい。
そして、昨年末の「Tom Boonenと仲間たち」のシクロクロスで優勝している。
二人のおっちゃんの写真が大きくて、Sean君の大写しの写真がないのは特に意味はありません(苦笑)
昔の動画1998:Nys母、Nys (若者)、Wellens (若者)、De Vlaeminck (壮年)
wellensの全盛期の動画が見たくて検索していたらヒットしたもの。
- Nys母がなにやら語っている。顔は似てると言えば似ている。アイメイクが濃い。赤毛で強そうな女性。苗字がガルシア、と別姓になっているが、再婚したのか。
- 後ろにいるNysは思春期臭さの漂う、目線が茫洋とした雰囲気読まなさそうな若者。当時の彼女も出てくる。イザベルさんといい、今の彼女といい、タイプとしては細身のシャキッとした子が好きというのが一貫しているな。。
- 自転車に乗っているときはピリッとして今の面影に近くなる。同世代ライバルのWellensと並んで写っているが、ほがらかなのはWellensのほう。最近亡くなったEric De Vlaeminck氏の働き盛り時代の姿があるが、当時はNysの指導者だったのかな。
- やっぱり昔のNysはイケスカナイ感がばっちりだ(苦笑)
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1998年当時の状況をとりあえず世界選の順位で確認。NysとWellensはU23でのトップ争いをしていたようだ。3位はチェコのPeter Drask.
https://en.wikipedia.org/wiki/1998_UCI_Cyclo-cross_World_Championships
デンマークで開催されたらしい。男子エリートのランキング。
RANK 1998 UCI CYCLO-CROSS WORLD CHAMPIONSHIPS TIME
1 | Mario De Clercq (BEL) | 01:04:06 | |
2 | Erwin Vervecken (BEL) | + 1:04 | |
3 | Henrik Djernis (DEN) | + 1:07 | |
4 | Daniele Pontoni (ITA) | + 1:07 | |
5 | Radomír Šimůnek, Sr. (CZE) | + 1:19 | |
6 | Emmanuel Magnien (FRA) | + 1:23 | |
7 | Dieter Runkel (SUI) | + 1:55 | |
8 | Christophe Mengin (FRA) | + 1:55 | |
9 | Richard Groenendaal (NED) | + 2:28 | |
10 | Beat Wabel (SUI) | + 2:31 |
男子アンダー23
RANK 1998 UCI CYCLO-CROSS WORLD CHAMPIONSHIPS U23 TIME
1 | Gold medal Sven Nys (BEL) | 52:14 |
2 | Silver medal Bart Wellens (BEL) | + 0:24 |
3 | Bronze medal Petr Dlask (CZE) | + 0:29 |
4 | Klaus Nielsen (DEN) | + 0:45 |
5 | Guillaume Benoist (FRA) | + 0:47 |
6 | Pawel Prosek (CZE) | + 0:59 |
7 | Maarten Nijland (NED) | + 1:08 |
8 | Raymond Lubberman (NED) | + 1:10 |
9 | Fabrizio Dall'Oste (ITA) | + 1:12 |
10 | Tim Johnson (USA) | + 1:12 |
エリート選手は今指導者になっていたり、名選手としていまも話題になる人が多いが、U23ぐらいだともう知らない人ばかりだ。どういう進路を歩んだのか。
ジュニアは5位にSven Vanthourenhoutの名前ぐらいで、あとは知らない人ばかり。
Wellensの現場復帰先は新生Steylaerts Cyclo Team
Vermeerschをエース(てかまだ男子一人女子一人だけど)に据える新チームSteylaerts Cyclo Teamのスポーツマネジャーとしてレース現場に戻ってくるそうです。その情報だけ流してたぶんわざと、どういう立場での現場復帰って明らかにされてなかったので一瞬選手復帰かと期待した人たちもいたかもしれないけど、選手としてじゃない(苦笑)。
でも一時ものすごく太っちゃって心配していたころよりは、シェイプされてる、まだぽっちゃりだけど。スポンサーとの契約は1年しかなくて、今後の業績次第というところなのかな。大きな勢力に育ててゆきたいということだけど、まずはこじんまりはじめるようだ。追加スポンサーなどをこれから募ってゆくのだそう。
(思わせぶりな本人ツイートの数々があったようだ。全部は貼らないけど)
#papierwerk #comebackbartwellens #nogevengeduld pic.twitter.com/OhITteeJK4
— wellens_online (@wellensonline) 2016年5月11日
#allestegelijk #waarbenikaanbegonnen #comebackbartwellens pic.twitter.com/g0tvKkqfj3
— wellens_online (@wellensonline) 2016年5月4日
新チームのスポンサーはこの会社↓
http://steylaerts.be/
タイル屋、バスルームのリノベーション業。業績拡大中なのかな。社員は80人ちょっと。
- スポンサー契約はとりあえず1年だけ。更新オプションあり。
- Tom Boonen 父親のAndreがRidley社の代表としてWellensと交渉をしていたらしいが、契約は2018年までのものではなかった、という記載があるけど、更新オプションがなかったのかな。というか、全部追ってないからわからないけど、何の契約の話だったんだろう。
- 現時点ではSteyaertsが唯一のスポンサー、追加スポンサーと選手をもっと獲得したいと言ってますね。
- 9月までには4-5人の選手が獲得できるようになっていたいとのこと。追加出資受けられるかな。
- 現時点で契約した選手は二名、Gianni Vermeersch と オランダ人女子選手 Maud Capt Heijn。
http://www.cyclingarchives.com/coureurfiche.php?coureurid=63610
CyclingarchivesのVermeerschの項。
- Vermeerschはリザルトだけみるよりも、レース中の展開ではもうすこし目立っている印象があったけど、実績高いかというと微妙か(Hoogerheideでの3位と、ロードのOmloop Het Volkのアンダーカテゴリで3位というのが目につく)。。ということでMarlux-Napoleon Gamesの契約切れとなり、更新されなかったらしい。23歳。
SteylaertsのHPに掲載された本件に関する記事。
http://steylaerts.be/nieuws/steylaerts-sponsort-nieuw-team-bart-wellens
Nysとの指導者対決、って書いてるけど、FIDEAとこのチームの状況は全然スタート地点が違う(苦笑)でもそれはそれで、楽しみではありますね。Nysやアルベルトのように引退直後からチームマネジメントに入ることなく、まさに自由を謳歌する時間を楽しんだ後なので、その価値は本人の心の栄養として金銭では測れない得難いものだったかもしれない。その後の爆発的な活躍?も期待できるかも。
http://www.nieuwsblad.be/cnt/dmf20160519_02296125
昨年3月の引退決意時は、36歳にもかかわらず、精神的にも肉体的にも70歳みたいな感じがする、今は人生を楽しむときだ。と言っていた。
Lars Van der Haarは2017年からFIDEAに、Nysが個人コーチに
ご無沙汰しておりました。このニュースはさすがに、何か書かなくてはと思いまして(笑)
De persconferentie is begonnen. Met Kris Wouters, Sven Vanthourenhout, Sven Nys en Lars van der Haar. pic.twitter.com/gAgDM9o153
— Telenet-Fidea CT (@TelenetFideaCT) 2016年5月12日
今年初めの世界選でVan Aertをあわや、というところまで追いつめ2位になったLars Van der Haar (当ブログでの愛称チビワンコ)ですが現チームGiant-Alpecinとの契約が2016年の年末で切れるということで、去就が注目されておりました。
Groenendaal en Van der Haar mogelijk naar Marlux-Napoleon Games | WielerFlits
今年1月のニュースでは、彼をこれまで指導してきたRichard Groenendaal氏(Rabobank育成チームで指導していたが、ラボバンクが撤退予定)とともにMarlux-Napoleon Games(Sunwebとして私の中に刷り込まれているチーム)への移籍の噂があるというニュースを見かけており、Lars獲得候補の有力対抗馬はNysをマネジャーに迎えて新規まき返しを図るFIDEAといわれていましたけど、やっぱり自分を育ててきたGroenendaalと一緒だよねー?FIDEAもMeeusen以外のビッグエースほしいだろうけど。という感想だった。
Danny De Bie nieuwe ploegleider Marlux, geen Groenendaal | WielerFlits
2月Marlux-Napoleon Gamesは新指導者にGroenendaalではなく元FIDEAの名物監督だったDanny De Bieの採用を発表。Groenendaalがオファーの検討期間が長すぎたことが原因とか。(ちなみにそれまでの指導者Mario de Clerckはどこにいくんだっけ?)
で、Lars君のFIDEA行きがまことしやかに囁かれてきたようですが、このたび発表になったようです。
Nys haalt Van der Haar naar Telenet Fidea: "Ik word zijn coach"
うん、NysとVan der Haarはもともと親しかったものね。で、個人コーチもNysが就任して、Gorenendaalから指導を受けるのもおわりになるようです。ちなみに、Tom MeeusenとJim Aernoutsの個人コーチにはNysの盟友として同時に引退したSven Vanthourenhoutが就任するらしい。
(2012年Koksijdeで開催された世界選U23で先頭争いをするLvdH: Photo by tannenbaum)
- いろんな玉突き人事とか、監督メリーゴーランド(回転ずし?)とかありますが、いい加減だれがどこにいって、全体図がどうなっているかのフォローが必要ですね。新シーズンまであと4か月?ですし(苦笑)
- あとで、関係者のコメントも訳せたら載せます〜。
- とりあえずFIDEAはメーウセンが優勝まではなかなか、狙えなくて苦しかったところ、チームの将来にとって安心要素ですよね〜。
GIANTに乗るVan der Haarが見られるのも今年いっぱい。その前でポーズをとる、和製Van der Haar*1
*1:先月彼のインタビューを収録させていただいたのですが、それを早く記事にしなくては
東海シクロクロス最終戦 ワイルドネイチャープラザ@接待サイクロクロス(その2)
(ここまでのお話)東海シクロクロス最終戦を見に行きたかった私は、"接待サイクルクロス”に同行することになった。サプライヤー様はカテ3レースで皆の眼を見張らせる走りをし(前篇)、このあと自ら開発に関与したフレームに乗るカテ1選手のピットクルーを務めることになっている、フルコース接待である。
(同じ自転車2台だがフォークに番号シールが。そして区別がつくように微妙にパーツの色がちがうとか聞こえたけどどこが違うのかな)
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さて、「シクロクロス観戦のキモは試走にあり」という格言に従い、昼の試走を見に行った。
- やはり、みどころは砂の下り坂?
- 砂を巻き上げ障害物(遅い人)を避け華麗にひらりと下っていく緑色。國井選手だ。速い上に余裕を持っている。そういえば國井選手は今季の東海シリーズ第5戦で勝っている。中間選手インタビューの際にマイルポストで出会っておめでとうを言った記憶がある。
- もう一人緑のマイルポストジャージ、ということは國井さん推しの山中選手。ぎゃー、速い。右側を通る選手が多くて、こっち側のラインをまっすぐこんなに速く来る人はいなかった。國井選手との違いは、砂が飛んでない。どういう仕組みなんだ(写真で見ると速く見えないのはどうしてだろう。)
- あっという間にギューンと行ってしまった(あーびっくりした)。
- 先生、山中選手が一番速いと思います!
(この写真なぜこんな通過した後方の砂が巻き上がってるのかわからない。)
- もちろん、今回サプライヤーを接待しているカテ1選手も朝食後の二度寝が効果あったのか砂をぴしぴし蹴立てて速い。カテ1選手は昨シーズンここのコースで、筧五郎選手との雨中の一騎打ちを制している。 http://cyclist.sanspo.com/173417(そのレースのCyclist.sanspoの記事。東海シリーズのレースづくりについても言及がある)
他にも速い人はいたが、速くてかつ余裕があったのは上記3名が抜きんでていたように見えた(素人目)。あと写真がないが白黒っぽいジャージの選手の砂下りも速かった。見た感じMTBの人っぽい雰囲気だった。
- 砂の坂を下ってきてから一段と深くなる砂で止まりそうになる人が多かったが押すか乗るか、というところで上位の人は軽く乗って行けてさらに周囲と差がでる、という感じにみえた。平たい砂地や林間も距離があって体力勝負要素もあるから、どうかな。
- というシロート感想を試走が終わってからカテ1選手のクルマ周りにいた人たちに言ってみたけど全員がベルギーのKoksijdeの経験あるお歴々からの反応は薄く(哀)ほかのだれがどうというより国内で類をみない充実の砂コースに夢中という感じである。Koksijdeは舗装のストレート区間がけっこう長い。しかしここワイルドネイチャープラザのコースは砂か、そうでなければ林間区間。舗装は一瞬で、つまり休みどころがないということらしい。が、皆嬉しそう。
(これだと様子がわからないと思うけど、Koksijdeはホームストレートの舗装路が広くて、がっつりあった。)
- 佐宗さんは、代車RidleyのBB不具合で、走り終えたサプライヤー様のバイクを借りていた。期せずして同じOne by ESU(東京サンエス)でカラーリングの相性もばっちり。
- ここのコース、最高だよ!とアゲアゲで30年物のローラーをごうごう大音響をたてて回している。
- マスターズクラスに私の地元埼玉ARAIチームの人のジャージが見え、なぜか心やすらぐ。そういえば、関東のレースと違うのは会場で遭遇する知り合いが非常に少ないことだ。しかし、その分やたら沢山の人の写真を撮る→あとで編集で疲れる、といういつもの癖に陥ることなく、のんびりとできたかも。
(こういう林の区間もあるのだけど、踏みしめてもふかふかくずれる砂で足腰に来はじめていたので、あまり移動せず基本、丘のあたりで見ることに、撮影場所の変化がすくなくてすみません)
- クニイさんともう一度話すとここで再度山中選手推し。いや、さっきのを見ると納得です。
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M1ではこの方筧五郎選手が独走。
(圧倒的だった。)
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- さっきまで旧信州組の溜まっているところにやってきて、カテ1選手のバイクに乗ってみたりしていたのだった(カテ1のレースのときは往年の信州クロス時代名物?だったらしい海パン姿で佐宗さんを応援していたのだとか。)
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さて、いよいよC1招集。
http://gcf-fukyu.p2.weblife.me/cx/wildnc.html ←ここにスタートリストがある。
- 地元の強豪が前に。右手奥から東海シリーズトップの岩田選手、オッチー、オッチーとたくさん声のかかっていた落合選手。その手前黒いジャージが蜂須賀選手、前編でお話しをうかがった方だけれど、シリーズトップクラスです。
- ゼッケン番号23番までが東海のスタンプカード、じゃなかった東海のポイントを持っている人たち
- 東海のポイントを持っていない人たち。めっちゃ後ろ感満点の33番のカテ1選手はこの後列スタートから、どれだけ前に出られるか。気軽に「サプライヤー様接待だから、勝つんですよね」などと言ってしまって、悪いことをしました。
- なごやかですね。マイルポストの二名は、東海のポイントを稼いているので、最前列確保。
- スタート。シャッタースピード遅すぎ。
(流し撮り成功)
- 時間差でスタートしたL16名のなかには先日お台場のあと女子会でご一緒した森選手。ご実家がこちらのほうだとかで、参戦。ホールショット獲っていた。埼玉川越の時の鐘をあしらった、BOUNCEのジャージ。
- 待てども待てども戻ってこないカテ1選手。後方の団子のなかにいた。
- サプライヤー様は今回の接待のもう一つの重要ファクター、ピット入りをしている。ということは、ピットクルーの労に報わなければならないカテ1選手。なお前日、サプライヤー様のからカテ1選手へのアドバイスとしては、暑いので前半から無理をせずセーブするようにというものだった。
- のびやかに前を走る山中選手。
- あ、この人だ、下りでもう一人速かった人。大渕選手。ゼッケン番号が大きくてシードではなかったけど、もうこんな前に出ている。
- カテ1選手、前方集団からはるか後方に追いやられていますが、腐ってる暇ありません。接待サイクルクロス。
- 日本代表チーム監督澤田さん、20年間落ちることなくC1を維持しているのだそうです。
- 前では山中選手、そして國井選手も上げていっている。マイルポストの天下になりつつあった。
- 前方の選手が見えない状況で走るカテ1選手、下りで順位を稼ぐ。
- サプライヤー様のアドバイスもあり、コツコツとすこしずつ前に出ていたのだとか。この日はとにかく暑かった。カテ1選手、今シーズン初めの暑かった茨城シクロクロス(小貝川)ではリタイアしている。毎周回、サプライヤー様は落ち着くようにアドバイスをしていたらしい。サプライヤー様の頭は、クールである。
- 今シーズンの動画撮影終了宣言したpigmon氏ですが、新機材テストのため撮影中でした。
- チーム36隊、沢山選手がいる大きなチームでした。岩田選手のバイク交換シーン。
- 相変わらず写真にすると速そうな感じのしない山中選手。國井選手は一緒にはいないようだが、2位を走っているらしい。
佐宗さんから山中選手についてレース翌日メールがきた。
山中真はもうずいぶん前からマウンテンのエリートで力強い走りをしていたので注目してました。強大なトルクで踏み倒す、ジャイアントの門田と似たタイプではないでしょうか。一時期、参戦してなかった年があったみたいで14年の琵琶湖・高島でエキパでぶっちぎりの速さでした。
- ギアが重いから、「いかにも速そう」には見えないのかな。
- 猪俣選手を久々に見た。以前GPミストラルで頻繁にお見かけしたが、マスターズ世界選に出場された方ですね。
- あの人かっこいい、という声を佐宗さんに対して聞いたような気がする。52歳ですよ、とその声に答えたくなった。後日、ご本人によれば、沿道の女の子二人組にもてはやされていたとか。砂の下りでは一度しか脚をつかなかったそうです。
- その後もカテ1選手は順位を上げてきていたが、先頭とは2−3分?かなりの差がついてしまったのでせめて、表彰台。でも難しいかなー。。と吉松さんと話していた。写真は、ラスト2周回目?シリーズリーダーの岩田選手のことは抜いたようだ。となると、かなり上位まで上がってきたということになる。カテ1選手、このころにはアドレナリンがバンバンでて前にいるものは全部抜かしていくモードが入っていたらしい。
- 毎回差をつめるセクションである砂の下りも、もうターゲットが残っておらず、離れている。おそらくラスト3-4周あたりでは前を走る大渕選手と30秒離されていた。まだ30秒もあるねえー、これは厳しい、と吉松さんと私は話していた。
- 各選手、踏ん張りどころ。
(ピットでカテ1選手に声をかけているサプライヤー様。)
- サプライヤー様によれば当初は、ラスト一周半で行け、という指示を出すつもりだったが、前を行く3位の大渕選手との差が残り2周半時点でまだ大きかったので、その時点でGOサインを出した。ということだった。
もう垂れることはないから、攻めていきましょう。
と言ったらしい。
サプライヤー様にレース戦略を練っていただくサイクロクロス接待。難易度が高い。
- そばでピットに立っていた富山ドロタボウの清水さんからレース後聞いたところでは、サプライヤー様は毎回カテ1選手に声をかけているが、低いくぐもった声で、カテ1選手はその指示内容が聞こえているのか心配するほどだったとか。
- しかし、カテ1選手は、サプライヤー様の指示はすべて聞き取れていたそうです。二人は長いお付き合いですからね。http://www.cyclocross.jp/partners/2016/tsss02.html
- 國井選手も集中しきった表情。2位は盤石のよう。
そして最終周回。平地から砂丘に戻ってきたあたりの大渕選手とのタイム差がまだあったので、吉松さんとああ、もう難しいねえ。すごく詰めたのにねえ。と言っていた。
- 最後の丘の頂上あたりで、前の大渕選手がいったん脚をついた。まだ差があるけれども
- それまでの周回、何人も追い越してきたセクションだが、坂を下りきったあたりで大渕選手がもう一度踏むと、順位は結局そのままで砂山セクションから出て行った。
- すごいなあの大渕選手の踏み返し。でも、表彰台だめでもホームストレートはしっかり見届けよう、と吉松さんと移動。
- すると前で帰って来た。3位だ。こちらからは見えなかったが、後ろについて平地のどこかのコーナーで抜いたらしい。2位まではとっくにゴールしているけれど、タイム差のついた最後尾集団にいたことを思うとよく追い上げたもの。
- よかったよかった。吉松さんはゴールラインに走ってゆく、献身的に。
- いっぽう、私はというとまず結果に安心し(帰りの車もこれでムードは悪くないであろう)、他の選手を撮っていた(薄情)。最後なので平地区間のほうにも移動して、流し撮りしてみたり。辛い長いコースをよく皆走って来たなあ。じっとしてカメラ構えるだけで消耗するのに。
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昔の信州の人たちだろうか、林の中から、佐宗、佐宗、とサソウコールが聞こえる。
- 本当に鬼だったころの佐宗さんを知る人たちから、いまだに慕われている。
- 轍がちゃんとできてなくて全面にごちゃごちゃと線が引かれている感じ↓
(このころ、出しつくしたカテ1選手はゴール後過呼吸状態になりサプライヤー様の足元で、バッタリ倒れていたらしい。写真は見守っていた吉松さん)
(写真:吉松さん)
- あっぱれな接待サイクロクロス。ものすごい、労力でした。
========
そして表彰式です。上位2名は、このシリーズにこれまで参戦して東海のスタンプカード(違)をもっているせいか、関東組ながらホームな感じ*1
- ゴール直後のバッタリから回復したカテ1選手は、難しいへの字口をしているものの、内心、次にマイクが回ってきたら何を話すか考えていたのだそう(本人談)。
- 誰もが、表彰台に上ったら楽しみにするインタビュー。…
・・結局、1、2位のコメントのあと、
(への字を直すチャンスはなかったようで。)
- 彼だけマイクは廻って来ませんでしたとさ(哀)…
- 観客はいいムード。
- いっぽう、この人たちの背中の表情はいったいなんなのか。小学校の「下校の音楽」とかが似合いそう。
- 出し切った満足感、終わった感、これから300キロ運転する感(苦笑)
・東海クロスシリーズの締めくくりの表彰は大いに盛り上がりを見せていました。
・コースがよくて、運営がたしかで、競技に熱心な観客、アットホームな東海シクロクロス。今後も大いに発展しそうな予感です。
========
(写真:吉松さん)
私はサプライヤー様がレース後に言った言葉が忘れられない。
カテ1の人らって、ほんまにようやるわ。
よっぽど好きやねんなと思った。
彼が語る言葉、ずっしりきた。
- ほんまにようやる、よっぽど好きやねんな、というのの日本一ぐらいなことをしていたのが、当のサプライヤー様だったのだから。
- 撤収前。”team Koksijde"の面々は、口をそろえて、来シーズンもこのワイルドネイチャープラザで走りたい、と言っていたのでした。
なにもかも 砂のせいだ
って。(http://blog.livedoor.jp/bikintv/archives/52455213.html より拝借。)
========
- 今回はカテ1選手とサプライヤー様の動きをまぢかに、一喜一憂しながら観戦させていただき(それでもまだのんきなシロート傍観者でしたが)、レースのもつ魅力といろんな側面についてあらためて感じることができました。本当にどうもありがとうございました。
(Special thanks to: 辻浦圭一さん、池本真也さん)
*1:でも、東からきた選手ばかりが表彰台独占だな、という声も漏れ聞こえてきた。
東海シクロクロス最終戦 ワイルドネイチャープラザ@接待サイクロクロス(その1)
運営のよさ、関東からのアクセスの良さでじわじわ関東のライダー達の間で注目度が上がっている、東海シクロクロスシリーズ。http://gcf-fukyu.p2.weblife.me/cx/index.html
- なかでもワイルドネイチャープラザはアップダウンのある砂地獄コースで、砂好きのシクロクロッサーの間では是非走ってみたいコースであるらしい。異名は「日本のkoksijde」。koksijdeはベルギーの北海沿岸の砂丘地帯にある、トップクラスの格式を誇り、ドラマが生まれるコースである。今シーズンもワールドカップではベストレースではないかというNysとVan Aertの激しい闘いがあったコースですね。
ほぼ砂地のコースで、体力とテクニカルが必要とされる難しいコース。アップダウンも取り入れ、まさしくハードなコースと言えます。日本版コクサイデのコースと言えるでしょう。
UCIシクロクロスワールドカップを走っている感覚になりきってもらいましょう。
と、大会HPにもうたわれています。
年末JCXシリーズとして同会場で開催されたレースは都合がつかなかったが、今回は東海シクロクロスシリーズの最終戦としても開催される。行きたいなあ。「ぷらっとこだま」で名古屋まで行って昔の会社の友人と会い、当日はどこかの駅からタクシーか知り合いに拾ってもらい会場まで行こう、と手配を考えていたところ、カテ1選手が機材サプライヤーの会社の方を「接待サイクロクロス」でおもてなしする、というのに同行させていただくことになった。自分の希望は言葉にしてみるものですね。
- しかし。昨シーズンこのコースで優勝しているカテ1選手に同行というのは、流石のんきな私でもお邪魔にならないようにするのにはどうしたらいいだろうか、着替えは極力持たず、でも雨対策は必要、レンズ3本は持参したい、、*1などと考えていたら先方は先手を打ち、荷物の容積制限について事前連絡がきた。いつもレース会場で大荷物をひきずっているのをチェックされていたらしい。飛行機の機内持ち込み荷物程度であれば自転車3台と人間3名ともに積めるらしく安心した。
- 集合時間20分前に待ち合わせ駅に着いた自分は偉いと思っていたところ、サプライヤー様は50分前に到着していた。アスリートの世界は待ち合わせ時刻5分前集合ではなく、50分前集合だった。
- 高速道路で移動する間、接待サイクロクロスということでカテ1選手の遠征を満喫するメニューが各種揃えられていた。その一環で、サプライヤー様も高速道路で運転するという体験もすることができていたようだ。
- 現地到着後のレース前夜の夕食。このときベテランレーサーが選択したのは、かつ丼でも、パスタでもなく、自分の好みやコンディションに合わせて自由な選択が可能なセルフサービス式定食屋である。東海から西日本寄りに多くみられる飲食店形態らしい。
- もしかするとピリピリして、しょうゆの置き場ひとつ気に入らなくてもちゃぶ台返しなムードを恐れていたが、淡々とすべては進行した。
- 一応神経を使っていたはずの私はひとつ失敗を犯した。「・・優勝するというのが接待なんですよね?」という発言である。あとでサプライヤー氏から注意された。無神経なメディア攻撃から選手を守るサプライヤー氏であった。
- カテ1選手は消化しづらいものは選んでいない。サプライヤー氏と私がビジネスホテルのロビーフロアにあるテーブルで宴する横でお茶を飲んだあとカテ1選手は先に就寝した。
- さて、一夜明けて。カテ1選手は自宅前道路工事によりここ数日睡眠が足りておらず、チームメンバーが昼の試走に間に合うよう後で車で迎えに来るということでホテルに残り、カテ3に出場予定のサプライヤー氏とわたしが朝いちの試走に向けて出発。周辺の道路は広々しており、岐阜羽島駅前から快適な15分程度のドライブでレース会場に。
- 駐車場が1台ずつの間隔が広くて快適である。
わあ、ほんとに砂だ。
この轍の美しい模様の出方、つまり、砂のきめが細かい。自分が2012年世界選手権を見るためKoksijdeに行ったときに、砂のきめ細かさには驚いた。
(Koksijde世界選試走日。)
この会場の砂はKoksijdeまではいかないまでも、いままで国内のレース会場で遭遇した砂(猪苗代、マイアミ、お台場)とは質が異なる。感触としてはほかの国内の砂は踏むとゴキュゴキュ、ざりざり、という大粒な感覚があるが、ここのはサラサラしゅるしゅるときめ細かく踏むと気持ちいい。
- Koksijdeの砂は、急斜面沿いの砂を踏んでも案外滑らず、乾いていても踏むと適度に踏み固まるので、見た目よりも歩きやすい感想を持った。しかし、ここワイルドネイチャープラザの砂は斜面の砂をふむとするする崩れていく感じが違う。一日歩くと、おそらくKoksijdeより疲れそうである。じゃあレースに関してはどうよ?というところだけど、轍がKoksijdeほどはできにくいのかも。
- 前日の試走では雨が降っており轍ができやすく、レース当日よりは走りやすかったと聞いた。
- 丘になっているエリアのアップダウンは激しい。崖崩れがあり丘の裏側?にあった急坂のアップダウンがコースから削られ若干イージーになったらしい。
- カテ1選手のチームであるフリッツェンは東海支部も有しており、メンバーの吉松さんがサクサクとテーブルを開いてクロスを掛けコーヒーを淹れてくれた。東海クロスといえばBUCYO COFFEEなので、当然朝からBUCYOマフィンを買うため並んだ(種類がたくさんあってかなり悩む)が筧太一さんおすすめのトークがひとしきりあって、楽しく選ぶ、さらに吉松さんのおすすめで当地名物「カイザー」という丸いパンにあんことクリームを挟んだもののイチゴ入りも買ってみた。東海クロス、この時点ですでに満喫態勢である。
- サプライヤー氏の自転車は事前にカテ1選手によってピカピカに磨かれタイヤも替えてあったらしい。これこそが接待サイクルクロス。接待する選手は今宿で寝ているけど。
- さて、サプライヤー様は、過去何度も偉大な勝利を重ねた伝説のチャンピオンなので、会場のあちこちに試走を始める彼のことをかたわらの知人に「ほらあの人だよ、レジェンドを見ていてごらん」と語る人が散見された。「彼は、特に、砂のコースでの走りが、宙に浮いているようだ、と言われた人なんだから、この砂の会場で彼が見られるのは大変な幸運。よく見ておくように」とうんちくを語っているのが聞こえたときには、私も内心むちうちになるほどうなずいていた。
しかしそもそも、彼の9連覇時代を知っている人のうちでも、どのくらいの人が、ここ数年の彼の闘病生活と、最近まで半年間入院していたことを知っているのだろうか*2
試走から戻ってきて、
あー、勝ってしまったらどうしよう
何度か繰り返すサプライヤー様。そしたらビールおごりますよ。
- しかし、レース開始1時間前を切ってもサプライヤー様は勝ったらどうしよう?といいながらBUCYOマフィン、あんことクリームぎっしりのカイザーをどんどん食べる。レース前に何を食べても気持ち悪くなったことがないのだとか。胃袋が丈夫であることも偉大なチャンピオンの資質であるということを目の当たりにした。
(私がつくったグラノーラバーを前日渡したのだが、その瞬間から食べ始めてびっくりした。瞬殺でなくなり、予定数より多くをサプライヤー様に差し上げることになった。)
- 会場の高いところからは木曽川の眺めも見えて、風光明媚です。
- 地元支部の方とコース脇で見ているときにこれまで東海シクロクロスのレースづくりに尽力されてきた一人である蜂須賀さんと言葉を交わした。地元車連はレース開催に慣れており運営は手慣れているが、シクロクロスレースということになるとまだこれから、ということをおっしゃっていた。がこんな素敵なコースを作るなんて、素晴らしい。長年東海地区のシクロクロッサーたちは、関西に遠征して移動の苦労を味わってきたので、地元開催ができるという喜びは大きいという話。そうか、地元の皆が待っていたおらが地区のレースということなんですね。
- 私からは、自分の周りの関東のレーサーの間で東海は運営がよくて走りやすいらしいと評判が出ているので、またこれから人気が出るのではないか、という話をしたけれども、うれしそうにしておられました。
- カテ4は今回100人を超えるエントリーとなったが、4組に分け2組ずつ時差スタートする方式を取っていた。大人数でまとめて走っても後ろはレースにならないので、出場者につまらない思いをしてほしくないですから、と蜂須賀さん。
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カテ3スタート前。東海シクロクロスのスタート順は、東海のポイントを持っている人が前(「シード」)そうでない人たちが後ろ「フリー」。関西クロスと同じような形式ですね。
- http://gcf-fukyu.p2.weblife.me/cx/wildnc.html(このときのレースの概要、スタートリストも掲載あり)
- 「クロスの鬼」佐宗さんがなにやらサプライヤー氏の自転車を世話しているように見えた。あとで聞くと、チャンピオンの空気圧がどのようなものか、手で触って確認していたのだとか(たぶん1.2-1.3気圧ぐらいとのこと)。佐宗さんから見て、かなり低かったらしい。かなり長いこと触っていた。
(そういえばKoksijdeの試走日U23のオランダ代表Twan van den Brandにcrosscheckさんが空気圧を尋ねたときには、メカニックが1.4、と答えていた記憶)
- さて、スタート直後、落車もみられたが。
- 混迷の中、落ち着いてトラブルなく走るサプライヤー様。
- そして、砂の下りで
- 異次元の走り。
- 07年マイアミで彼を初めて生で見た時がよみがえる。砂の上を滑るようだ。今回このレースに赴いた目的、私もほぼ達成した感がある。
- http://d.hatena.ne.jp/tannenbaum/20071126/p1←初生クロス観戦のときのチャンピオンの写真あり。
- なお、この砂の下りの試走で彼が走るのを見ていた他の選手たちが「自分もあんなふうに下れるような気がした、そうなれるように練習したい気持ちがわいてきた。」と言って嬉しそうにしていたのも印象的だった。
- さてレースの先頭争いは、若者同志がヒートアップして、展開から眼が離せない。
- カテ3で、一部の人たちだけでなく、会場内のここまで多くの人たちがレース展開に固唾をのんで、声援を送る。東海の観客は、勝負の行方を見守るのに熱心だ、という感想を言っていた人がいた。
- ということでカテ3は終了。ビールのおごりは今回はなし。
- おっ、私の事前チェックで優勝有力候補の國井選手だ。話を聞くと、直前までインフルエンザだったので、あまり期待しないでというような発言。それよりも、とチームメイトの山中選手推しがあった。私も直前までのリザルトチェックでこのところ上げている人だと思った名前だ。
- 元信州クロス組も筧五郎さんの訪問を受け、旧交をあたためていて和やか。まだC1のスタート時刻まで2時間ある。