雪かみぞれか、「単に」泥か (海風と寒さはもれなく)
I will remember Bogense for many things, but the wind and the cold will be on the top of the list.
Bogenseについて今後僕はいろんなことを思い出すだろうけれども、風と寒さがそのリストのトップに来る。
・・ I was standing next to the sea and was trying to stay warm in howling wind, that was froze everything that wasn’t covered by layers of textile.
海沿いに立ち、覆われていないものすべてを凍りつくす途方もない風から体を暖かく保つ努力をし・・
2017年ワールドカップがBogenseで開催されたときのバリントさん(Cyclephotos)の手記。そして今週末、世界選が開催される。
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あら、雪景色。
https://m.nieuwsblad.be/cnt/dmf20190128_04135809
↑Het Nieusbladを蘭英翻訳。
はい、今週末の世界選は雪かみぞれあるいは「ただ泥なだけ」か、いずれにしても選手や観客はいつもより余分に暖かい服装を荷物にいれてね!という記事。充分寒そうなベルギーの新聞ですらこんな記事ですよ。どれだけしばれるのか。ただ泥なだけでも、海からの寒風はもれなくついてくる。
選手関係者は読みきれない天候に頭痛いと同時に腕の見せ所ですね。レース展開や有利になる選手が色々変わってきそう。
↑29日夜チェックした予報。
Bogenseは予報では金曜土曜日曜日雨か雪マーク。気温次第で雪かみぞれか。記事では気温は氷点下前後とのこと、さっき見てみたら最低気温が三日前にチェックしたときの氷点下より上がってる!わーい。さいたまなんて毎日最低気温は氷点下。でもシャワーといってた土曜日が雨か雪!と言いきってるからずっと途切れないのか。。そして風速。金曜日は20メートル以上、土曜日昼間も18メートルですって泣。
↑三日ぐらい前に見た予報。このときの予報は土曜日はシャワー程度だけど最低気温は氷点下。日曜は晴れ、日没後に気温ががくっと氷点下になる。
行けるかどうか暗雲たれ込めていた仕事が目途がついてCrossdenmarkのサイトにVIPチケットを買いにいったら日曜日は売り切れていた。土曜日は買ったけど、それはそれで室内に入るとカメラが結露しそうなのでどうしよう(ジップロック持っていくけど)。
マキノ全日本の方がまだ足元がふかふかの雪で楽だった?
野辺山の前もこんな風に天気予報に一喜一憂してたら矢野さんにtwitterで本当に直前まで天気予報はあてにならない、と言われたりして、フタをあけてみると結局穏やかだった。けれど、Bogenseのコースに吹き付ける哀しみ本線日本海みたいな北の波涛と海風には変わりないだろう。
2017 年はテクニカルすぎて乗車率が低かったり(Mathieu以外)、危険なところもあったんでしたっけ。また、観戦側からみて横断ポイントが多すぎたというのもあったらしいけれども、今回はどうでしょう。ケータリングは美味しいそうです。
とりあえず、行ってきます。その前にギリギリにスケジュール調整してもらった仕事の完了が。。。
久々の接戦とベルギー代表メンバー発表
Cyclocross worldcup Pontchâteau men 2018-2019 | Round 7 | 01-20-19
Mathieu不在による微妙さはさて置き、ひさびさに最後までもつれるレースを見て楽しかった。ハイスピードでダンゴになって(集団)走る様子はロードレースのようだった。
上り基調のシケインが明暗を分けた感。Van der Haarは自分のシケインでのミスのせいで大きくタイム差のついた追走集団から困り顔Sweeckとブリッジして追いついたけど、シケインで毎回ロス。Sweeck@今シーズン筋肉モリモリは前転していた。普段からバニホ得意な選手が有利だったみたい。アダムスもここで遅れ気味。
このBalint Hamvasのシケイン横からの写真が素晴らしい。みんな上りシケイン好きだろ?だって。
Toon Aerts は突き放そうと何度も仕掛けたけどVan Aertを振り切れず。最終周回大詰めのシケインで後ろから来たマイクル君Vanthourenhoutが彼の前に出たのには驚いた。降車選択して遅れをとった直後のAertsの心折れた様子。。
圧勝するぐらいでないとWoutがMathieuに世界選で対抗できる可能性は低いのかもしれないけど、競り合って勝った感からかWoutの表情はすっきりしていたのが印象的。これで総合逆転、3ポイント差でWoutがToonからリードを奪ったところで迎えるワールドカップ最終戦、Hoogerheideが楽しみ。
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ということで発表になったベルギー男子代表。
いつもこざっぱりしているイメージの代表監督Sven Vanthourenhoutが無精ひげ?の浮いた顔で会見して代表メンバーが発表になった(選び疲れ?)。
(ベルギー男子エリート世界選代表)
- Wout van Aert
- Toon Aerts
- Michael Vanthourenhout
- Laurens Sweeck
- Gianni Vermeersch
- Jens Adams
- Quinten Hermans
Van Aertの精神アシストニーズのあった親友MerlierはAertsがワールドカップ総合優勝をした場合はベルギーの枠が一人増えて、メンバーに入ることができるらしい(Woutではダメなその計算のしくみは私わかってない)、そしてAerts弟のThijsはリザーブ。
ベルギーチームのリーダーは二人体制。二人ともいまのところ安心毛布的なチームメイトはお預け。
Merlier本人はがっかりしたけどケガからようやく調子が戻ってきた時期、異論はないけど、、選ばれたAdamsはここに来て調子あげているし、、というコメント。Woutが次戦HoogerheideでToonに勝ったら自分は世界選に出られないけれども、今回Pontchâteauで自信をとりもどしたWout、全力で行くと思う。というコメントをしたとか。
あと、表彰式の前にMoureyが長年の功績を表彰されていた。いくら地元の長年チャンプでもセレモニー引っ張りすぎて観客飽きてた?(笑)
でもフランス代表としてMourayがBogenseで生で見られる!という知らせに今私はとてもうれしい気持ち。
(真冬の北欧の港で強風と波しぶき吹き付けるマイナス気温、VIPチケットひ売り切れ、いまから恐れおののいているけれども、心にホッカイロ一つ増えた)。
世界選ベルギー代表にToonは弟Thijsを召喚希望(がかなうかどうかは今日次第?)
ベルギーの男子エリートはToon Aertsがタイトルを取りましたねー。Wout Van Aertの失意がどんなだとか、新チャンプToonの身辺をめぐる細かいニュースとかがベルギーのメディアを賑わせていたようで。
そしてそうこうするうちに今日はワールドカップPontchâteau。Mathieuはお休み。
前回ここで開催された2016年ヨーロッパ選手権ではMathieuとWoutのにらみ合いに乗じてクレバーに走ったとされるAertsが勝利しているコース。ドライでスピードコースなのだそうです。ワールドカップの総合争いはAertsがWoutに7ポイント先んじているけれど、今日勝利すれば80ポイント、2位は70ポイント。ここで逆転なるか、差が広がるか。ToonとWoutの争いが熱くなりそうという話。
国内タイトル獲得後の一連のニュースの中でToonが弟のThijs Aertsを世界選の代表メンバーに希望しているというのが出ていた。よく読めないけど、安心してアシストしてくれる存在ということなのかな。Woutに対するMerlierのように、自分にもThijsが必要、というのを代表監督のSven Vanthrourenhoutに話してみる、と言っていたらしい。
ベルギー代表メンバーはこのPontchâteau後に発表されるので、現世界チャンプのようなサポート体制を作ってもらえるかどうかは今日のレースの結果に左右されるのではという話。
今回のベルギー選手権、Toonの弟のThijs Aertsは5位だけども驚きの5位と書かれていたので、多分当然選ばれる位置にはいないんだろう。
当確とされるのが
- Van Aert
- Toon Aerts,
- Michael Vanthourenhout
- Laurens Sweeck
当落線上が
- Quinten Hermans,
- Daan Soete
- Tim Merlier
- Jens Adams
- Gianni Vermeersch
- Thijs Aerts
世に兄弟ライダーは多くいますが、ビッグレースに兄弟をチームメンバに入れてくれという選手のいかに多いことか。
角帽対ヘルメット(大学構内レースへの反対運動)
昨晩のDVV Brusselsは中継ストリーミングが途切れてたので飛び飛びに見ていたけど男子は終盤はよく見られた。コースは言われていた通りアップダウンが豊富、男子は1位2位は予想どおりでVan der Haar、Miahcael Vanthourenhoutと Eli Iserbytによる表彰台のラストポジション争いはマイクル君が獲った。女子はCeylin del Carmen Alvaradoがついに初のビッグレース勝利、これまでも表彰台にはよく上ってたけど。ドミニカ生まれのボンバーヘッド、いよいよ来てますね~。カントはクラッシュして遅れてしまい総合タイム差が縮まったらしい。
表彰式で選手に授与される角帽がよくて、とくにアーツは似合ってた。彼は被り物が似合う。(以前のFIDEAのニット帽にほれ込んだのも、アーツが表彰式にかぶって出たのを見たから)。
↓こちらの記事に女子の表彰式の角帽写真があります。
https://www.nieuwsblad.be/cnt/dmf20190105_04081982
現在使用中の大学構内のどまんなかでレースなんてよく開催できたものだと思っていたら、やっぱり学生の一部から反対運動があったらしい。1200人が署名し「試験の一週間前に学内立ち入りができないなんて」と中止を訴えたとか。
コースがキャンパスどまんなかを通過するため設営のためなどで学生が立ち入りできない場所が多かったのが良くなかったらしい。
そこでコースを若干変更して立ち入れる箇所を作ったり、学生のレース入場料を無料にしたりしたのだとか(試験勉強しなくていいのか)。
Verveckenによると開催地がBrusselsに決まった時にはほかに候補地があったけれども、大学側からオファーがあったのだそう。
・授業休みの間にレース開催するのはいい考え、と思った大人達が考えるよりも、試験前勉強を学内でやりたい学生が多かったということらしい。次回は開催時期を考えるとのこと。
・大学クロスという趣向は新鮮だったけども大学としては宣伝と考えているのかな。
・以前信州クロスが山梨医科大学で開催していたと聞いたけれど、メジャースポーツのベルギーにおいてさえクレームに。当時の日本での反応はどんなだったんだろう。
・ちなみに札幌で下宿しているお嬢も「試験前やレポート追い込み時期は大学で勉強したい。人がまわりにいたほうが勉強できる」と言っていた。アパートだとテレビ見ちゃったり。まあ大学のすぐ近くに下宿しているし(猛吹雪のときはあきらめるらしい)、家にずっといると暖房費もかかるし。
・あちらではケルメスなんかがちょっとしたお祭りみたいに開催されしょっちゅう道路が通行止めになったりして、人々はそういうのに慣れっこなのかと思ってたけど、人が日々行き交って現在進行形で生きている施設をせき止めて使うレースというのは、いろいろ軋轢があっても仕方ないのかもしれませんね。
(色々書いたけど何が言いたかったかというと、アーツの角帽姿を貼りたかったのだった)
フランス語とオランダ語世界を走り抜ける大学シクロクロス(DVV Brussels)
今日のDVV Trofeeは初めてのコース、ブリュッセル。大学構内で行われるレースの最初の勝者は誰か?とか言われてますが、今日はワウトはこちらはスキップしてフランスのレースに出るそうです。。。なんでも、お金がよかったとか。。
ブリュッセル自由大学の中で行われるようですが、以前日本でも廃校になった建物で行われたような気がするけれど、現在使われている学校の敷地でのレースってほかにあったかしら。
↓公式サイトから。
↓レース公式サイト。あ、ラース・ボームが出るんだ。
コースは学内の校舎や運動場の周囲を縫って設けられているようだけれど、なんか説明を見ていると大学が二つに分かれているみたい?
Brussels大学のシクロクロスはVUBとULBのキャンパスを分かつ道路がスタート地点になり、選手たちはまずフランス語圏側に突入する
なるほど、ベルギーはいろんな政府公共機関がフランス語圏とドイツ語圏でそれぞれ並立していると聞くけど(日本人旅行者にとって身近なのは観光局が別々なこと)。
- https://www.visitflanders.com/ja/themes/from-flanders-with-food/belgian-chocolatiers/index.jsp ←フランダース地方
- ベルギー観光局ワロン地方公式サイト←ワロン地方
で、ブリュッセル大学について検索すると
1935年にはフランス語とオランダ語両方で教えられる分野が出来、1963年には全ての学部、分野で二言語対応をした。その直後の1968年、ルーヴェン・カトリック大学が言語分裂を起こすと、翌1969年10月にはブリュッセル自由大学も2つの異なる大学に分裂し、1970年5月28日には正式に2つの別れた大学となった。(フランス側はUniversité libre de Bruxelles、オランダ側はVrije Universiteit Brussel)大学は分裂したものの、大学間の学術連携・協力は現在も密接に行われ、学生・教員・研究者の交流も盛んに行われている。
ああそれで記事にVUBとULBって出てくるのか、分裂して併存してる感じなのか。。難しいね。実況ではこのあとオランダ語圏に突入しますとかいうんだろうか、まあ逆に双方の融和のイメージにつながるのかな?
・コースはアップダウンが激しいようで。特に一つすごい下りがあり、気合の足りない選手は乗って下れない選手もいるかも?そのあとの円形演技場?広場?廻りの繰り返しのアップダウンが勝負を左右するとかVerveckenさんは言っているようです。
・DVV Trofeeはこのレースとあと一戦のみ、総合タイム争いはBaalで勝って首位を奪ったMathieu van der PoelとToon Aertsの間の差8秒でこれも注目って書いてあるけど、このシリーズのタイム争いって中間ボーナスポイントとかFastest Lapとかなんだかよくわからないのでした。
・そしてにわか氏の話だとMathieuは総合タイムみたいなのには興味がないそうで。。まあ純粋な勝負とは違うぜ!というところはわからないでもないけど、今やそういうルール作りでもしないと拮抗する場面がないじゃないですか。少し前のことでしたがよく考えましたよね、Verveckenさん。
・考えてみたらMathieuはRaymond Poulidorの孫でフランス語も達者に話すのだった(何かのレース後のインタビューでみた)。そんな彼がオランダ、フランス語圏に分かれている大学のキャンパスを駆け抜けるのは地つづきのヨーロッパとはいえ、面白いかも。
・ちなみに、女子の総合タイム差はSanne CantがLoes Sels に対し2分34 秒リード、Nikki Brammeierから4分38 秒のリードを奪っているそうです。
Anthony Clarkの世界選選出は?
【Anthony Clarkにピックアップされた私の写真】
Instagramを今朝久しぶりに見に行って驚いた。自分のあまりピントのよくない写真がAnthony Clarkにピックアップされていて、いいねがたくさん付いていた(笑)スターライト幕張での一コマ。
・Emily Kachorekが自分のレース後疲れているにもかかわらず、Anthony Clarkを追いかけて(買い物したビニール袋片手に)激を飛ばしながらスマートフォンで彼を撮っているシーン。
・写真自体、どこにもフォーカスはきちんと合っていないorz…そういえばFacebookアルバムにAnthonyさんのタグ付けてこの写真をアップしたところ、すごくいいね!がついて友達申請があったことを思い出した。
・彼は諸国行脚ツアー中色々な写真をアップしていたけれども、その一つにピックアップされたのは嬉しい。写真の出来よりもシーンをとらえたこと、が評価された一例。
・コメント欄でAnthonyさんは世界選メンバーに選ばれることを切望していた。
・彼のUCIランキングは米国国内エリートで現在4番目、先日の米国選手権の順位は8位。昨シーズンの米国代表男子エリートは7名選出されている。アジア圏で稼いだUCIポイントが実力と正比例しているかは議論があるだろうけれども、実力アップしているのは確か。果たして、彼の世界選出場はなるでしょうか。昨年は1月16日にメンバー発表がされている。
(トップでゴールに飛び込み、Above Bike Storeの須崎さんとゴール後抱き合う写真。後続の選手と接触しないか主審のクリスマスさんがはらはらしている)
・昨シーズンの野辺山では日本人と拮抗する争いをしていたけれども、今シーズン来日した彼は一回り研ぎ澄まされた体型になり、独走レースが多かった。
・日本のレースシーンに刺激を与えてくれた彼がさらなるステップアップができるといいなと思う。
(野辺山Day2、アップ中のところHi、というと挨拶が返ってきた)
↓の写真はEmilyさん。今回の日本のレースをもって引退を発表した。会社とチーム運営に専念するのだとか。北京で勝利したのを見たのが彼女との最初の邂逅だったけれども、お疲れ様でした。
【TDW御大からいいねがついた写真】
取り上げてもらった自慢の次にはいいねがついてびっくりした自慢をついでに。突然巨匠Tim de Waele御大のいいねがついた写真。↓
飯山ナイトレースの薄暮の時間帯に撮影した、コースを広い範囲で捉えた、なんということもない劇的でない写真。20㎜レンズの広角で引いた視点で下ってゆく選手を小さく撮ったもの。もはやこんなに引いてしまうと選手というよりコースを撮ったというべきか。
#Cyclocrossmeeting #iiyamanightcross #cyclingphotos 引きすぎてレース中には見えないけれど 、レース中。
まあなんだか新鮮な画角だったのでしょう。
レースに出かけると最近は一回に1000枚ぐらい無駄にシャッターを切るけど、技術も機材も不足な自分の写真の持ち味は「切り取り観点」にあるんだろうと思う。すこしずつでも技術もレース後の写真処理能力もアップしたい。。
欧州女子レースが今エキサイティングな理由(Velonews記事)
ヨーロッパのビッグレースにおいて、女子のレースが男子レースよりもいつも誰が勝つかわからなくてエキサイティングになっている理由について、ぼ~っと生きてる私は「いいよね~♪」以上に考えておりませんでした。ごめんなさい。
まあ「お金が前よりよくなったから?ヘレン・ワイマンが動いてルール変わってきてたような」とうっすらと感じていましたが、
From this season all C1 and C2 races are now equal prize money for men and women. Just the World Cups to follow suit now. pic.twitter.com/6MM4BfaMeH
— Helen Wyman (@CXHelen) July 13, 2017
Velonews昨年12月8日付の冒頭の記事をざっと。間違ってたらごめんなさい。
2018年12月4日の記事の時点でワールドカップ、Superprestige, DVV Trofeeの三大レース12戦を8人の女子選手が勝利を分け合っている。
[盛り上げたいならお金を]・UCIルールの改定により多くの女子選手がシクロクロス専門あるいはロードやマウンテンバイクとの兼業で生活ができる流れになっている。ロードやマウンテンバイクの選手の年間レースの選択肢にシクロクロスを走るインセンティブが加わった。
・2013年Louisvilleの世界選手権より男女の賞金を同額にすべきと義務付けられた事に始まり、2017年のルール改正ではUCI-C1とC2レースにおいて男女の賞金は同額と定められた(World Cupはまだ対象外)。これによって多くの場合ロードやマウンテンバイク兼任選手として、中にはシクロクロス専門選手として、多くがシクロクロスに参入するように。
・ベテラン選手Nash(Clif Bar)のコメント:「ついに女子選手もクロスでお金を得て、遠くに遠征し、チームが女子レースに注目し厚いサポートを受けられるようになってきた」。
・例えばLucinda Brand (Sunweb)は優れたローディーだがTaborに勝利し、↓(2017年のOmloop勝者ルシンダさんは、シクロクロスでも常連に)
・MTBでフルシーズン走っているEvie Richards (Trek Factory Racing)は昨シーズンNamurで勝利し今シーズンもワールドカップ4戦中3戦でトップ10に入っている。
↓(太目の一本三つ編みが目印の英国人MTB選手、エビちゃんRichards)・そして4年をかけ徐々に女子への支払額は増額されてついに2020-21シーズンでWorld Cupも男女エリートの賞金が同額になる。
・どんどん参戦する選手層が厚く、異なる訓練を受けた選手が集まるようになり、女子レースは技術的に向上し、さらなる鍛錬が必要になってきた。
・米国人ライダーElle Andersonはトレーニングがうまく行き調子よくレースで追い込めて走れたとしても「え、こんな順位どまり」と感じるようになったと言っている。
・さらに、2017年のルール変更で、UCI登録のシクロクロスチームは最低1名以上の女子エリート選手を抱えることが要求されるようになった。Andersonはこの点も女子のトップ選手にチャンスをより多く与えることになったと語っている。
[出場レースの選択自由度]
・男子のレースでは40名程度のトップ選手はWorld Cup, Superprestige, DVV Trofeeのすべてに出場するのが一般的で、毎週同じ顔触れで戦うことになっている。それはスタートマネー契約や、スポンサーとの関係によるもの。
・それに対して女子のスタートマネーは少額か、ない場合もある。それで女子選手たちは自分の調子のピークに合わせて出場するレースを選ぶことができている。・Brandはロード世界戦に出場したあと北米のワールドカップはスキップし、その後4戦目のワールドカップで勝利している。Betsemaはシーズン初めのワールドカップとDVV Trofeeを回避したあとKoksijdeで勝利した。MTBでワールドカップに出場しているJolanda NeffとPauline Ferrand-Prevotはシーズンの終盤に姿を現す。
↑(先日ストリーミング中継で事前インタビュー受けていたヨランダさんは注目株だけあってBaalで勝利しましたね。Nysとトレーニングしたといってたような。)
・「女子選手は純粋なCX選手ではない - 彼女たちは厳しいMTBやロードシーズンの後にやってきて、シクロクロスのレースにぽっと現れたり姿を消したりしている。それは彼女たちはシーズン中の異なる時期を目標とすることができるから」とSimon Burney (”Cyclocross Training and Technique"の著者)は語った。「そのことがレースはそれまでとかなり異なりぐんと魅力的で楽しいものにした」
・調子が良くてハングリー精神にあふれた選手たちがシーズンの様々なタイミングで出現し、レースに予測不可能な要素を与えている。
[若手の台頭]
・世代交代が進行中である。何人もの若い才能ある選手たちが大御所たちが選手を続ける傍らステップを上がっている。(画像:Velonewsより大御所たち、左からCompton, Vos, Nash)
・世界選7勝経験のあるVos(Waowdeals)や、ワールドカップ24勝のKatie Compton(KFC Raging-Trek-Knight Composites)に交じりRichardsのような若く才能ある選手が参戦している。
・「若いときにもっとサポートを受けてよい機材を与えれば、彼らはより早く強く速くなれる」とコンプトン。若いトップライダーたちは19-25歳でとてつもないエネルギーを秘めている。
・世代交代はUCIの女子の若手選手発掘活動の一環で2016年の世界選以降女子のU23カテゴリ創設を受けたた結果でもある。これまで3回のU23女子の世界選は将来のエリート女子シクロクロス選手のショーケースとなっている
・Richardsは2016年と2018年にU23 のタイトルを獲り、すでにエリートの中でもトップレベルに到達している。Annemarie Worst (Steylarts-777)は2017年のU23勝者だが、今シーズンGietenと欧州選手権に勝っている。
(キリリとした目元が印象的なAnnemarieさん)・ここ3年に世界選U23 表彰台に上がったほかの選手たちも実績を上げているEllen Noble (Trek Factory Racing) Caren Alvarado (Corendon -Circus)や、Betsema, そしてAnnemarie Worstがそうだ。
・選手層が厚くなったことで女子選手たちは足休めをする日が持てなくなった。
・「自分がヨーロッパで走り始めた2013-15年、調子がよければポディウムに上れるような女子選手は5-7人程度しかいなかったけれど、今はその人数は二倍ぐらいになっている。」とAndersonは語る。「トップ選手はワールドカップでもベルギーのレースでもどのレースにも10-15人程度いて、以前よりもたくさんの才能ある選手たちが入り乱れ、勝つたり表彰台に乗るには前よりもより厳しい戦いをしなければならなくなっている。
[カント圧勝時代は短く]
・昨シーズンのワールドカップ9戦5勝、Superprestigeを8戦3勝し総合優勝、DVV Trofeeを8戦5勝して世界選タイトルも取ったが、今シーズン4勝はしているものの上記メジャーシリーズでは現時点ではDVVのNielだけである(※この記事が書かれたのは12月初め、その後ZohnhovenとDiegemで勝利)。
・Cannondale- Cyclocrossworld.comのチームマネジャーStu Thorneはそれを潮の満ち引きのようなもので、Comptonもそのように2018年はスロースタートだったと指摘した。
・Comptonはカントが昨シーズンほとんどすべてを手に入れてしまったため、トレーニングを行い集中してレースに臨むことへのモチベーションが低下していることを指摘。
・彼女が深く集中して本当に勝ちたいと思ったとき彼女は別の選手に変貌する。今シーズンもそういう彼女を時折見ることはできる。「彼女は自分以外のほかの選手がどれだけ自分同様に速いかについて本当に気づいていない。」
・特定の選手が席巻する状況になく、5人から10人の選手が調子のよい日には勝つ可能性がある。おかげで自転車レースは結果が読めなくて観戦するのが純粋に面白いものになっている。年末年始のレース集中期はシクロクロスファンにとって贈り物になるだろうし選手たち自身もエキサイトしている。
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・動いたのはヘレン・ワイマンだけではないだろうけれど、男女差をなくしていこうという動きが、結果として現在の女子レースの活況につながっているというのはよいことだし興味深い。
・女子は金銭的に男子との差が縮まってきたことで参戦者が増えロードやMTBの選手が「自分の調子に合わせ」自由にレース時期を選んで参戦しリザルトが読みづらくなって、混戦が面白いという状況のようで。
・いっぽうシクロクロスのトップレースといえば、上述の三大シリーズ戦で同じ顔触れが毎週毎週戦ってるイメージ、そうするのがトッププロの務め(なのだと、Nysがシーズン途中でレースをスキップしてマヨルカに行ったStybarを批判したこともある。)だと思っていた。
・男子の専業プロ同様のCantのような選手にしてみれば、たまったものではないような(Pauline Ferrand-Prevotに敗れた世界選のあと、毎週レースに出場している自分より脚がフレッシュな状態の選手のほうが有利だというコメントをしていた)。。なんとか切り替えてパートタイム選手たちを気合で迎え撃ちしてくれるといいと思うけど、気の毒な気もする。。