Cyclocross Tokyo (Day2) 白い硝煙赤い光
【2日目】
今回のお台場は二日とも熱い戦いが観られてよかったです。
- 前夜のCXHairのトークショー満喫により遅くなり、女子は残念ながらほんの少し観戦。午前中は風雨が激しかったそうなのですが、わたしが着いたときには終息していました。
- 男子エリートのスタート前、ちょっと出遅れたら前日とはくらべものにならないほどの人垣で、もうとても近寄れず。。報道陣の数もこれがシクロクロスとは思えないほど。あーあーとぼんやりしていると知り合いに「砂浜に出てくるところ狙いの場所に行っておけば」とアドバイスされ砂浜出口に。
- Garry MillburnとJeremy Powersが前で入ってくる。Millburnは2015年のオーストラリア選手権で3位の選手だとか。
- 竹之内選手、Ben Berdenに負けていない。
- 後ろ、つかえたか。
- もうこういうのが撮れたからあとは写真は失敗ばかりのでもいいかも、と思ってしまった1ショットごとに見応えあるひととき(世界選代表メカニックの橋本さん、アドバイスありがとうございました)
- 砂が選手の腰より上まで舞い上がっている。
- さて、周回数がありますから、何か所かで観たいと思いとりあえずシケインへ。
(全米シングルスピード選手権有力選手のTim Allen)
(外国人は飛ぶのに、日本人は誰も飛ばないんだね、という観客の声が聞こえましたが、勝てばいいんです。力強いヒカル選手のフォーム)
- この頃は戦況云々というより、あちこちで見てみようモード。シケインの横で知り合いのメディアの方とNys引退セレモニーの日程とか、Superprestigeシリーズ最終日の打ち上げパーティーの中継についてなど話したり。
(アイスクリームだと思ってたら、けん玉を持っていた織田聖選手。)
- 林の中は泥。知り合いがここで撮影していたが、確かに光がいい具合に射しこんでいて、泥の表面が綺麗。泥の綺麗さってなんだろう。中村龍太郎選手。
- 竹之内選手の気迫。
- フライオーバー。前日とは一味違う迫力、スピードだ。橋口選手。
- スタート時の遅れを少しずつ詰めてゆく小坂光選手。このときすでにBen Berdenは抜いていた。
(海苔の会社のゆるキャラの着ぐるみは、SNELの選手が入っていたという話。)
- さて終盤は砂浜で戦況を。観客の居並ぶコーステープ際に轍が集まる。波打ち際より走りやすいんですかね。
- このときは、竹之内選手が先頭で、後ろがJeremy Powers。ふくらはぎ故障と手の怪我を抱え痛みがあるだろうに、ここで日本の観客の前でレースを作る竹之内選手の姿勢に、自負心とか責任感というものを感じた。
- そして、Powersは様子見なのか、苦しいのか?さらに、後方にはこの時点で小坂光選手がここまで迫ってきていて、場内大いに沸いている。
- 竹之内を追うパワーズ。顔が赤い。暑さがこたえているのか。
- あっ。竹之内、降車。パワーズもストップ。小坂光が迫る。
- 踏みとどまって先頭を守る竹之内、そこへ見る間に小坂が追いついた。一つ上の写真とさほど時間を置いていない。小坂、この区間が得意。
- 固唾をのんで先頭が来るのを見守るラスト2周回目。ラップされようとする橋口選手は後方から迫る先頭争いを邪魔しないように、気が気でない様子。
- 小坂、先頭。パワーズは竹之内の後ろ。すごい歓声。私も声を枯らしていた。手ぶれ防止レンズありがとう。
- このときのパワーズの心中、いかばかりか。
- 顔がかなり赤い。
- ラスト周回から二番目のフライオーバー。
ところで、CXマガジンの記事でこんなパワーズの言葉が引用されている。
「シクロクロスでは、最終周回以前の周回は学びのセッションのようなもの。ラインを学び、エネルギーをセーブし、それを最終周回で一気に爆発させる」とパワーズは言っていた。
そして、パワーズは文字通りその通りにした。砂を叩きつけながらコーナーリング、フライオーバーを超え、そして最後のストレートに突進した。勝利に向かってパワー全開で走ったのである。
Cyclist.Sanspoの記事を見ると最終よりの前の周回でパワーズは波打ち際のラインを試していたとか。
実況アナウンスの白戸さんも、彼が切り札となるカードを切るのはいつか、というような言い方をしていたような記憶がある。
- ブリッツェン応援団の応援旗が燃えるよう。
- ラスト周回の砂浜、依然先頭の小坂光。
- パワーズ、波打ち際寄りにコースを取る。
- パワーズが波打ち際寄りから一気に追い抜いた!
- パワーズ前へ。あああーという観客。
- 砂浜を戻ってきたときはすこし離れていた小坂、テクニカル区間で少し詰めたが最終のコーナーまでに逆転には至らず。もう、抜き所はない。
- ヒカル選手に観衆の気持ちが集まっている。
- ブリッツェン応援団。よくやってくれた、という言葉が聞こえた。
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この前夜トークショーでRapha Cycle Club Tokyoで話を聞いたCXHairのBillさんによるレポート(RaphaのHPより)。彼は一昨年の大雪、昨年の風雨を知っていてお台場で行われるこの東京シクロクロスの特徴として、砂のほかに「(ふつうでない)天候」を挙げていた。
- スタート直前、あまりの暑さに半袖にカットされたPowersとMcDonaldのジャージの袖はサイン付きでファンの手に渡ったらしい。
- "unreasonably"な暑さにやられてPowersは前半特に本来のテクニックを発揮できないほど参っていた。
- 竹之内と連なって走り、彼のミスに乗じてリードしたが、その間、小坂がひたひたと迫り、抜け出し、リードを奪った。
- パワーズにとっては自らの腕から勝利がみすみすこぼれ落ちてゆきそうな「なんてこった!」な局面(本当は書けない言葉だったのをBillさんが"Oh shoot"と書き換えたのか。苦笑)。
- ここでパワーズとしては、負けるにしても自分の本領を発揮したうえで、限界以上に力を出し切りたいと思ったらしい。
- パワーズが暑さに苦しんだことで、会場の多くのファンにとってはスリリングな最終周回になった。
- 最終周回、コースに抜きどころが少ないのを知っていたパワーズは早めに仕掛け、最終コーナー(その後ぬかしようがない)で前をとり、勝利した。
- レース後ファンとにこやかに会話し、サインするパワーズは、レース半ばまではどうしようもなく消耗していた、レースのラスト10分の努力のおかげでレース後笑顔になれた、熱狂的な大観衆の前で光や悠といいバトルができてよかった。と言っていたようです。
- 正直ほっとしただろう。勝ってなかったら、レース後のサインはこんなに和やかだったかどうか。
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(レースに関する参照記事)
ブリッツェンのレースレポート。
竹之内選手のブログ。
前半リードを奪っていた竹之内選手は、自分の故障との関係で、これ以上スピードアップしたら1周回増えてしまい自分が走りきれないことを恐れ、それ以上スピードを出さなかったのだとか。故障と戦いながらのレース運び。。そういえば、途中から竹之内選手の表情が辛そうにな気がして心配だった。ずっとこんな状況で気持ちを保ちながら、激しいレースを走ってきたんですね。
- 表彰台の竹之内選手は、すがすがしい表情。
- そして小坂光選手。砂浜でパワーズが一気に追い抜いたときは少しミスもしてしまったところもあるとか。もう一歩だったけれど、当初の遅れを冷静に挽回し、なお最後まであの闘い。今シーズンは一皮むけた強さを感じる。本人は全日本チャンピオンに目標を絞っている、という発言をしているけれど、今後また国際レベルと彼の遭遇が楽しみ。
- お台場のレースで選手が走っていてうれしいのはこういうところではないだろうか。ゴールする兼子選手に寄せられる拍手。
- さしのべられるたくさんの手。
- タッチしながらゴール。
- ゴール後語り合う、國井選手と合田選手。
- 談笑しながら掃除の手を止めない、合田選手。トップレベルでレースした後、家庭生活が待っている。
- 斎藤選手の背中に飛び散る泥の模様。
- 勤務の事情で競技からいったん離れる濱選手。これまでどうもありがとうございました。待っています。
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ということで、満喫したお台場も終わりました。夕方から女子納会があり、わいわいお台場の景色を楽しみながら語ったのでありました。
皆さま、お疲れさまでした。