白い巨人、斎藤朋寛選手のひみつ
数年前からシクロクロスレースに本格参戦再開後、みるみるC1上位に、昨シーズンはAJOCC初優勝を遂げた、「さいちん」の愛称で親しまれる斎藤朋寛さんからお話をお聞きする機会がありました。(株)ジャイアントの社員として、MTBとシクロクロスのチームの監督も務める斎藤さんは現在39歳、大学卒業後プロのMTB選手として活動していた経歴を持っています。
(シクロクロス主要リザルト)
宇都宮シクロクロスエキシビジョン:5位
幕張シクロクロス:5位
湘南シクロクロス#1:2位
2015 全日本シクロクロス選手権エリート男子: 9位
シクロクロス千葉:3位
湘南シクロクロス#6 平塚大会:優勝
2015-16 JCX シリーズランキング:16位
(お話を聞いたのが4月だったので、昨シーズンが終わったばかりな感じの内容になっておりますが、ご容赦ください)
【ポジティブさの秘密】
斎藤さんといえば、いろんな面で活躍してらっしゃる印象です。海外出張を頻繁にこなし帰国直後のレースでも上位、GIANTチームのマネジメントもして、家族との時間も確保。「ノミニケーション」もおろそかにせず。まさに八面六臂ですよね。
ありがとうございます。実際はそんなことないですけどねー。
疲れたりしませんか。
カラダ弱いから疲れやすいですよ、お腹もよく壊すし(笑)。気持ちの方は基本的に色々なことをなるべくポジティブに考えるようにしています。
斎藤さんと接して嫌な気持ちになったと誰かが言っているのを聞いたことがありません。
実際は結構陰で言われるタイプかもしれないと思いますし、自分自身もネガティブになることも多いしフラストレーションもあるんですけど、最後はポジティブシンキングで気持ちを切り替えています。
嫌いな人はいないですか、という質問項目を事前のメモにかきましたが、その趣旨としては誰が嫌いとか聞きたいのではなくて、そういう相手にどう対応しているのかと思いまして。
嫌いな人は一瞬一瞬にはいると思いますが、あんまり気にしてないから忘れちゃいますね。「嫌い」とは違うけど、ネガティブな発信をする人は「残念」ですね。でもそれを見て楽しんでたりもしますけど(笑)。あと、実世界ではなるべく関わらないようにしています。
【15-16シーズンを振り返って】
昨シーズンはますます快進撃という印象でしたねー。
JCXランキングは最終的には16位でした。その前のシーズンは25位でした。
凄くアップしていますね。
前のシーズンもその前年からはだいぶ速くなって満足がいく出来だったのですけれど、今シーズンは大満足な結果でした!目標だった全日本での一桁と同一周回完走も実現したし、あとAJOCCレースで初優勝もできたし。
シーズンの終わりを締めくくる、湘南CX平塚での勝利でした(3月21日)。
平塚は勝ちたくて参加しました。自分もシーズンオフに入っていたし、もちろんライバル達も少なくて、普通の判断基準なら参加しないレースだったのですが、(ひそかにライバル視している)PAXの宮津君が2月末に茨城で優勝したのを見て自分もAJOCCで優勝したくなって(笑)。レースするまでは、出るならぶっちぎりで勝ちたいと思っていたけど、お太れ期間が長すぎて優勝はできましたけど中身は全然走れませんでしたね。
それにしても、その前のシーズンもよかったですが、15-16シーズンはよいシーズンになりましたね。
開幕レースの宇都宮シクロクロスエキシビジョンであのメンバーの中で5位になって、「なんだか、今年走れるかも」って思いました。
2月7日の千葉シクロクロスもお台場1週間前の練習目的で出場したのですが、台湾出張直後で体調よくなくて走れないと思っていたけど、武井選手と一緒に前半走ることができて楽しかった。その後パンクして離されちゃったんですが。
あのとき武井選手と斎藤さんのランデブーは見ごたえありました。コーナーリング二人とも攻めていて。
(優勝した武井選手とのランデブー。15-16千葉)
それから12月6日の飯山の全日本選手権。斎藤さんがMVPだと思うという人がいました(9位)。走りっぷりがとてもよかったと。
そう言ってもらえて嬉しいです。あのレースはホントにあの日のベストは出し切れました。ゴールした後に嬉しさのあまり一人感激してしまい9位なのに涙出てきたんです(笑)。でも、最後に兼子選手に競り負けたのは悔しかったですけどね。
もともと飯山のコースは得意なんですか。
初めて走るコースで、試走の段階でペダリング区間が多くてパワー必要だなと思ってました。でも雨が降ったことで当日はマッドになり、順位が上がる結果になりました。
難しいコースが好きですか。テクニックがあるから。
というよりまわりの選手に比べて明らかに脚がたりないから、テクニカルなコースのほうが「脚のなさをカバーできる」というか、悪いコンディションのほうがしめしめ、という感じですね。洗車と洗濯は大変ですけどね(笑)。
勝った湘南平塚は強豪メンツが揃っていたら、脚力が重要視されるコースなので、下手すると20位ぐらいだったかもしれないぐらいです。
でもそこで勝ったんですよね。斎藤さんの好きなコースはどこですか?
幕張のナイトレースとか野辺山が好きですね。
昼だったとしても好きですか?暗いのが好きとか。
昼は走ったことないです。成績はともかくコースが面白くて、観客がたくさんいるレースは走っていてホント楽しいですよ。
観客が多くて、盛り上がるコースであることが重要なのですね!苦手なコースはどういうところですか。
踏み踏みのコースは脚がないから苦手です。信州CXの富士山とか、関西のマキノとか。
【子供時代の運動歴、自転車競技歴について】
特に目立ったことはやってないです。小学校で剣道を2年。中学は野球部に所属して主にセカンドとライト。バントは得意でしたが、打てない子でした。。高校は先輩がMTBをやっていたため勧誘されなぜか山岳部へ入部。当時は毎年関東大会にも出て気象図も昔は読めました(笑)
レースは、高校通学に買ってもらったMTB(パナソニックのマウンテンキャット)で実家の隣の清川村で行われたファットタイヤサーキット(ブリヂストンサイクル主催)に出たのが最初です。その後、高校時代に参加費が安いだけの理由で輪行して当時信州で開催されていたシクロクロスミーティングに土日で参戦し、カテ3優勝、翌日のカテ2で3位になったりしました。
有望選手に見られる昇格直後のカテゴリーでまた上位、というパターンですね。
大学1年のときに白馬さのさか大会でエキスパートクラスで優勝してエリートへ。その時の3位はシクロクロス全日本の澤田監督です(豆情報)。
その後、XARU(略は、クロスカントリー・アスリート・レーシング・ユートピア)チームの立ち上げ時に加入。白馬岩岳で開催された全日本選手権でうっかり5位になり、急に注目されるようになりました。(この時、外国人がまだ参加していたので日本人では3位だったと思います)その年の後半には、XARU監督の石丸さんの配慮でSUNNシピーチームに加入。スイスの世界選手権にもU23日本代表で選ばれました。ちなみにXARUの1年目メンバーは武井きょうすけ、合田正之、色川浩樹の錚々たる面々がいて、色々監督を困らせてました(笑)。
青春の上り調子な時代ですね。
翌年、GIANTから声がかかり1998年から2000年まで3年間TEAM GIANTで走りました。1年目は3位2回。2年目は春の岩岳2位、全日本5位。最後と決めて走った3年目は、ワールドカップシドニー大会で日本人1位で完走。シドニー五輪選考会4大会のうち1大会で優勝、アジア選手権で2位。などがメジャーリザルトです。
そんな風に有名プロ選手としての階段を登っていかれたのですね。。シクロクロス会場でお話するようになったころ、周囲から斎藤さんはMTBのすごい選手だったんだ、としきりと聞かされていました。当時失礼なこと言っていたらご容赦ください。*1。
・・ところで、昔の信州クロスの時代は頻繁に出場されていたのでしょうか。
クロスは大学時代に信州のシクロクロスミーティングは出ていました。藤森さん、古賀さんがバリバリの時代ですね。
写真がでてきたんですが、今朝さがしたら、東海大学のジャージで出ていたのがありました。大竹号です。
大学の近くにあったサイクルショップオオタケにたまに行っていて、大竹さんによくしてもらってました。感謝です。
えーぜんぜん別人みたいです。なんでだろう??
(突然写真を撮られて、かゆくなった。)
たぶん箕輪だと思います。97年あたりですかね。ジャイアントに入る前年です。
学生のときは、まあまあ焼けてますね(笑)。ちなみに横に写っているのは柴田健太郎君で当時僕のライバル。そして今でもMTBでライバルです!
(斎藤さんご提供の写真)
オリンピック選考会で勝ったポディウムの写真は白いですね。
外であまり練習してなかったんじゃないかな、そんなには(笑)
それで勝ったのですか?今も昔も効率いいですね。
いや、それは冗談で(笑)この時は雷太さんと終始一騎打ちしてやりあってめちゃめちゃ楽しくて、でも最後お互いメカトラしあった末、ボクが勝っちゃったんですよ。レースの前に雷太さんから「勝ちたい気持ちが弱いヤツがレース走っても勝てないぞ」って言われて。色々と思いのあるレースでした。
皆の記憶に残るレースだったようですね。
【シクロクロス参戦と台頭】
近年シクロクロスのレースに本格参戦されていますが、それまではビジネスマンに専念されていたんでしょうか、どういうきっかけがあったのでしょうか。
2000年を最後にMTB選手を辞めてからずっと走ってなかったんですが、2010年ころからシクロクロスがブームになってきてて、GPミストラルに先輩のバイク借りて出たりしだして。
一番のきっかけは、以前弊社で代理店をしていたZippのカーボンチューブラーホイールを最終社内価格(内緒)で購入したのはよいけど使い道ないかと思い、ふとシクロクロスに使ってみようと思ったことがターニングポイントです!
そしてそのホイールを使って出た12-13シーズンのRapha野辺山シクロクロスのC3で3位になって昇格(その時の1位はCCJPでタキザワの渡辺氏)、次戦のGPミストラルでC2優勝して2戦でカテ1に上がれちゃってハマりました。(その時の2位は、MTBで出場していた轍屋の橋口君です)
当時体型もかなりぽっちゃりしていて(最大で62kg)、その後絞り始めたんです。
C1に上がれたので「12-13シクロクロス東京」に出られたんですが、成績はマイナス4ラップくらいでボウズ高倉さんと争っているくらいの位置でした(高倉さん昔速かったですよね)。
当時は空気圧もまだあまりシビアに考えていなくて。1時間がまだ長いなーというか、完走できていなかった気がします。タンネさん、そのころの僕の存在は知らなくて写真撮ってないんじゃないかなー。
【TCX快進撃の波に乗った14-15 シーズン】
14-15シーズンのJCX開幕戦茨城CX小貝川で自分では奇跡の4位になっちゃったんですよ。雨のおかげでドロドロになってくれたおかげで、JCXレースで4位ですよ。ここでボクだけじゃなくて、サポートしている合田選手も2位になり、GIANTのTCXは泥はけ性能がすごい、と噂がひろがりました。
あの小坂正則さんが、レース後にTCXすげえなー、ってレース後に泥が全然詰まってない合ちゃんとボクのバイクを見て感心してくれていました(笑)。
(14-15の小貝川、スタート直後)
TCXの性能といえば、なんといっても全日本選手権菅生の泥での優位性が騒がれた印象が残っていますが。
そのシーズンは小貝川、野辺山、菅生の泥レースでTCXの性能が発揮され、快進撃が続いたわけです。(野辺山は成績あまりよくないですが)小貝川では山本カズが2周までゆっくり走ってくれたおかげで、合田選手と小坂選手と4人で走ってめちゃめちゃ感動しました。まさか俺、小坂さんと一緒にレースしてるなんて、って。
彼らと比較したら当時のボクの脚力なんて、HPで言ったら100対60くらいの差があっても、泥コンディションにバイクの性能とタイヤのセッティングがバッチリ合えば、HP低くても(途中までなら)なんとかなる、と分かったレースでした。
全日本の菅生は、スタート後泥で皆がトラブっている中、1周目によく見たら1位の竹ノ内選手の後を自分と合田選手と、スタートで少しミスした門田選手が2位~4位で連なって走っている姿があって。一瞬錯覚しました、ホント! その後は、泥のゴキブリホイホイみたいな路面の担ぎで走ることができず毎周歩いてしまい、最終的には13位でマイナス2ラップでした。
毎周回歩いていたので、アリちゃんに「歩くなー!」って毎周怒られていました(笑)。
この全日本のとき門田さんは2位でしたね。ジャイアントのフレームとともに上昇気流に乗った斎藤さんだったのですね。
=選手復帰後のステップアップ秘訣集=
【ターゲット・ロックオンと見える化】
忙しい中ここまでリザルトが上昇してきた秘密についてお聞きしたいです。
練習時間は確実に少ない部類のライダーです。15年は自分で課した年間5500kmの目標を達成して自己満足しました。でも今年(2016年)に入って、全日本の内容で満足したのと、出張や飲み会で「お太れ」が多かったので、2-3月の練習時間はなんと6時間と9時間! 2月はそのうちお台場の試走とレース2時間が入っての数字です(笑)。
それを考えると尚更に出された結果の凄さを感じますね。練習する暇をとるのが難しい斎藤さんが強い秘訣は何なのだろうと思っていました。
練習は短時間ですけどしていますが(笑)。あとは短時間での成果を出せるように最大限効率的にできるように考えています。
例えば、目標とする選手を定めて自分との差がどれくらいあるか、その差を埋めるためにどんな練習が必要なのかを考えます。今シーズンは合田選手を目標としていました。前のシーズンで4-5%くらい差があったのですが、今シーズンは宇都宮、全日本、野辺山二日目、シクロクロス東京は彼に勝てました。(←すらすら出てくる)。
合田さんとの勝ち負けを全部おぼえているのですね(驚)。練習時間が少ないなかでどうやって追いつくのでしょうか。
毎月少ないわけではないですよ。この人に勝ちたいと考え、〇%差がある、ということが分かったところで目標をフィジカルとテクニックに分解して月別のターゲットを決めます。今月何をしなきゃいけないのかをざっくりと決めて練習しています。でも練習時間とか天気とかあるので月毎にざっくりです。ほんとうにざっくり(笑)。
目標を立てるきっかけにしているのですね。
なにはともあれ目標を明確にすることが大事だと思います。あとそれに向けてのアクションですね。
例えば、Livの武田和佳選手でいえば、全日本王者の坂口聖香選手と比較すると明らかにフィジカルが足りないです。テクニックはまぁまぁですが。それを「このレースで2位だったから惜しい」とかではなくて差を数値で明確にする。
数レースで比較して差はパーセンテージで。仮に5%差があるとすれば、今レースで平均200Wなのを、追いつくには210W出せるようになれば近づけている一つの指標になるので、モチベーションも高く練習できると思うんです。
ボクが効率的になんとなくできているのは、ロジカルに考えることができて、短時間の練習でやった気になって満足できる(笑)ところでしょうかね(笑)。
かっこつけて言えばPDCAです。<
By Karn-b - Karn G. Bulsuk (http://www.bulsuk.com). Originally published at http://www.bulsuk.com/2009/02/taking-first-step-with-pdca.html - 投稿者自身による作品. Originally developed for Taking the First Step with PDCA, CC 表示 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5236801
PDCAって?
Plan Do Check Actionですね。
「デキるビジネスマン」なかんじですね。
【ご試走は計画的に】
シクロクロスは試走が大事です。UCIの猪苗代は前日入りして十分な試走時間がありましたが、シクロクロス東京では試走時間が20分しかなかったんです。それでも皆同じ条件なので時間を最大限に活用できないか考えるのも楽しいです。
胃がきりきりするとかじゃなくて、楽しいのですか?
会場に入る前から考えておくんですよ。最近だと事前にコースの画像や動画が見られたりしますよね。去年のビデオみて路面の状況を見たり、タイヤも現場で付け替える時間を節約するために、先にだいたいアタリをつけて決めておく。
(14-15中井町、木の滑りやすい微妙な段差をひらりと飛んでクリアするのを観客が喝采)
試走はレースで確実な走りをするための貴重な時間です。
その中で空気圧の設定が一番のキーになりますが、お台場では20分で1周ごとにコンマ1づつテストしました。でも、最初の圧があまりに的外れなら時間ないと適正を見いだせない場合があるので。
お台場では試走時間終わった後もコース外の砂浜で適正圧をずっと探っていました。0.95から1.15くらいまで試して、どのくらい下げたらどの砂で走りやすくなるか、その代りコーナーでどのくらいヨレでしまうか。そのメリットデメリットをそのコースでいちばんいいのはどこになるのかを確認する。
このセッティングを出している時間が楽しいんですよね♪(←すごく嬉しそう)
楽しいんですね(笑)
…楽しいんです(笑)
【お台場で読みが外れた話】
それがたまに外れるところもあるんです。今回のシクロクロス東京ではそれがはずれちゃった。日曜日レース前に雨が降ってシングルトラックぐちゃぐちゃになって、試走はお昼、間違いなくマッドコンディションだと思っていたんですよ。
雨が降ったので、砂のところは締まったんですよね。
サンドタイヤで低圧ベタベタで砂を走るのが普通なんですが、シングルトラックをそれだと走れないので、マッドタイヤにしてまあまあ空気いれても走れる、と判断しました。これが昼の試走段階。しかしその後女子のレース中にどんどん晴れてきて。
アップしていた場所からはその状態は見えなかったし、見に行くことをおろそかにしちゃったんですよ。で、レース開始後みんな1周目で長いビーチにはいったときに、うわ、なんだこれ、重い、と。結構乾き始めて埋まってしまったんですよ。
最初の3周は波打ち際を走っていた人が多かったんですが、思ったよりどんどん乾いてきて、みんなその後は右側の観客寄りを走るようになって。
そういえば、小坂正則さんもそのことをレース後ぼやいてらっしゃいましたね。
なんで失敗と思ったのかというと、スタートラインで國井さんがサンドタイヤ装着してるをみて、レース中もシングルトラックを普通に走ってる國井さん見て、くそーと思いました。
終わった後國井さんに「タイヤをチェンジしてもう一度走りたい」って言ったら、國井さんも僕もです。って言ったりして(苦笑)
そういうのを含めてシクロクロスは楽しいな、面白いなと思います。
【アドバンテージにつながる「小知恵」】
あと斎藤さんといえば、私の中で印象的だった事といえば、菅生で全日本があった時のスタート前のシューズにコンビニ袋。
小知恵ですね(笑)。
小知恵ですか(笑)
みんな、スタートラインにやってくるだけでシューズもバイクもドロドロ、必死の形相で立ってる。スタッフもぎりぎりまで泥落とす作業をしたり。私もシリアスな面持ちでカメラを構えていたら、ふと斎藤さんがこっちを向いて自分の足元を黙って指さすと、コンビニ袋を履いていた。教えてもらわないと、この写真は撮れませんでした。
当日事前にジュニアと女子のレースを見に行って、スタートライン横で泥がゴキブリホイホイみたいに靴底にまとわりついてトレイルシューズでも歩くのすら大変でした。そこで考えたわけです。
観戦者も特にスタート地点近辺の泥は参りました、長靴の底が分厚く重たくなってしまうほどの泥のくっつき方で、あそこはひどかった。
常に何かアイデアがあることで、ライバルからアドバンテージを稼ぐことができるので。基本脚がないんで頭使ってます。
いやーしかし当日見て気づいて、そこからその場でコンビニ袋を探したんですね?
チームカーの中からセブンイレブンとローソンの袋が出てきて、門田選手がセブン、ボクがローソン使ったんだったな(笑)。
竹之内選手なんてスタート地点に3台ぐらいもちこんでいましたよね、あそこに行くまでとその場で交換する用のと、予備と。
僕らは手前の舗装路で足にビニール袋つけて、スタートラインまではバイクを担いで持ち込みました。おかげでペダルハマらない選手を横目にスタートで前に出られましたよ。
(斎藤さんご提供の写真)
【チューブレスタイヤでシクロクロスはこれだけ走れる】
用意周到というイメージが強いですが、レースの時タイヤやホイールは多めに持参するのですか。
個人的にはIRCのチューブレスタイヤを使用しているので、予備はそれほど多くないです。チューブラーは張り替えないといけないけれどチューブレスはその場で交換できるので。チームの門田選手はサポートの関係もありチューブラーです。組み付けも弊社のスタッフが仕事として貼ってくれます。プロですから。
自分は自分で作業するのでタイヤ貼るの大変だし(笑)、チューブレスでいいやってここ2シーズンチューブレス使ってます。弊社の完成車のスペックもチューブレス仕様ですし、いいカーボンホイールがあるので!(ちょっと宣伝)
チューブラーとチューブレスの感覚の違いってあるんですよね?
チューブラーのほうがしなやかです。砂地とかミストラルみたいな荒れた路面ばかりなら、チューブラーがやっぱりいいと思います。(図解で示される)
チューブラーは全体がしなって沈む感じで、チューブレスはサイドのビードがリムにハマっているので、上だけしなってリムサイドはしならない。ネガティブにいうとしなやかさに欠けるんですが、ポジティブにいうとコシがあってサイドグリップが生かしやすい。MTBっぽいですね。コースによりますが、チューブラーならコーナーで外にふくらんでいっちゃうところが、チューブレスだとこういう風に行ける。(当社のイメージです。(笑))
なるほど、練習すれば、チューブレスでもこれだけ走れる、というお手本になりつつあるわけですね。しかし、シクロクロスの機材は選択するのに頭も体も使いますね。。
【MTBと比べる、シクロクロスの勝負ポイント】
MTBの全日本エリートだとで僕はこれぐらいの位置にいます(ランキング表を示す)。
でもシクロクロスになると、この選手の中ではこの内側にいる29人のうちで5番目ぐらいには入れると思います。一概には言えないですけど、それぐらい違う競技だっていうことです。
テクニックでしょうか?
MTBの方がコースに高低差があり、パワーが必要な個所が多いのでやっぱり地脚が必要ですね。
シクロクロスバイクは、機材の性能がMTBに比べて繊細で、特にタイヤのグリップが低いので、パワーある選手でもトラクションの限界を超えてしまったりするのと、バイクの性能を出し切れるかどうかがMTBよりシビア。特にタイヤの空気圧が重要で、あとラインどりや走り方などで、脚力の無さを補える競技です。
いまのC1でもベストセッティングを出せてない選手がすごく多いのだと思います。
斎藤さんのいるチームで走ったら有利な気がします。アドバイス受けてセッティングしたら。門田選手にもアドバイスしているのですよね。
(門田選手。)
門田選手はボクより速いですし、我が強いからなかなか最初から聞いてくれなかったりもあります(苦笑)。
お台場でも最初の試走でタイヤの空気圧が高かったんです。言ったんですけど「大丈夫やろっ」、というので、試走で難しいところを自分が走れたりして、「ホラ言ったじゃん」、というと次の周は下げて走って、「あーよくなったわー」と(笑)。最近はシクロクロスにも本気で取り組んでくれているし、ここ2年ですごく(シクロクロス的な)うまさが出てきたのでチーム関係者として今後も楽しみな選手です。
【武田和佳選手とLivの取り組み】
武田和佳選手をLivのサポート選手として採用し、昨シーズンとしてはいかがでしたか。
総評としては、今シーズン彼女が立てた「全日本表彰台」、「JCXシリーズチャンピオン」の目標のどちらも達成はできなかったんです。でも、色々あったけど昨年よりも確実に上手く速くなってくれて、レース以外でも活躍してくれた。そういった意味では目標は未達ですが、すごくよいシーズンだったと思います。
(今年の北京遠征にて。物おじしない性格で海外選手とも交流していた)
Livは2014年9月からGIANTから独立した「女性サイクルブランド」として立ち上がりました。それを期に、国内でもLivに乗って活動してくれる選手を探していたところ、当時彼女が加入していたチェーンリングを抜ける噂を聞いて、すぐ後2月の湘南シクロクロスの会場で打診しました。その後何回か打ち合わせして詳細をつめて、次のシクロクロスシーズン直前の7月に正式契約の発表をしました。
私の印象に残っているのは、宇都宮のエキシビションで、細かなアドバイスをしながら一緒に試走をしていた姿です。斎藤さんの成績躍進は、武田選手との試走にあるのではという説があったり。。。
その通りです!試走でケツを見てなんちゃらって一部で言われてますね…ってそれ、逆です!(笑)。宇都宮の開幕レース前に一緒に練習する機会を作りたかったんですが、色々あってけっきょく練習一度もできず、あの宇都宮の試走で初めて一緒に走ったんですよ。
そのときビックリしたのが空気圧パンパンに入れていて。2.2気圧も入れていたんです。体重のある自分が1.5気圧くらいで走っているのにビックリしました。なので、ポジションとかも色々あったんですが、まずは試走で1.5気圧か1.4気圧で走ってみるよう言ったんです。今まで高かったからはじめは嫌そうな感じでしたけれど、試走時間もないから「オレを信じて一回走ってみて」って。試走何周かしながらもう少し気圧落として、「どっちがいい?」って聞くと「落とした方が断然いいです。」って。体感してくれてよかったです。
あとはパンクしそうな箇所だけ気を付けて走ってと言いました。そして、招待選手のみのハイレベルなレースを見事に優勝してくれました。
あー。パンクの要注意ポイントを指示しながら試走しているのは、そのとき私にも聞こえました。その指示して空気圧を下げたそのレースですぐに勝ったんですね。
嬉しかったですよー。
Livに採用された後、モチベーションが上がって安定し、強くなったという印象です。
(北京のUCI-C1レースで2戦とも10位以内に入った武田選手)
女子っぽくふわっとしている部分と、しっかりしている部分のメリハリがある選手ですね。Livの選手になってモチベーションも高くなって楽しくやれているようです。レースの面では基本的にクロスのスキルは高いですが、まだまだ足りてない部分もたくさんあるので今後伸びる余地がたくさんありますし、あと目標に対してのアプローチとかも協力できればと思っています。
今シーズンはMTBのXCOにもトレーニングを含めて参戦してもらいます。こちらでも目標を定めて、やるからには新参者として挑戦して輝いてほしいですね。
いよいよ始まる16-17シーズンの、斎藤選手と武田和佳選手の活躍、目が離せないですね。楽しみにしています。
(了)
Nysの現役最終シーズンを追ったドキュメンタリー映画、9月20日から限定レンタル中
Interbike関連のイベントで、Nysの映画(英語字幕版)の上映会があったようだ。
@amrookさんのツイート(https://twitter.com/amrook/status/778437026706173953?s=09)をチェック
それにあたって、冒頭のリンクから9月20日から数日間、Nysの選手生活最終シーズンを追う映画(フラマン語)の英語字幕版のトレイラービデオが見られるが、さらにビデオ画面右上にある”watch now"から行けるリンク先のVimeoから映画全編の24時間レンタルが申し込める(614円)。
ただし、レンタル申し込みできるのは数日間、ということらしい(想像するに劇場などの公開に先行しての限定的なレンタル公開)。
Nysの映画はベルギーではなかなか好評だったらしいけれど、何言っているのかわからないのではなあ、と思っていたところ、英語字幕版ができてなにより。何かの映画イベントでもいいから(以前uplinkで取り上げていたような)日本で見られないかなと思っていたところ。
一日レンタルで600円は色々安い有料視聴プランが出回っているご時世に、ちょっと悩むが、とりあえず、見たいので私はレンタルしてみた。
感想としては、Nysのファンなら、600円も惜しくないのでは。1日、見直す時間が確保できる日の朝にでも申し込んでみるといいかも。
色々作業のながら視聴なので、適当だけれど、下のポスター画像の下(続きを読む)以下にこんなかんじのシーンが(ストーリーというか、断片的なネタばれ)というメモを書いておいた。
続きを読む千森杯 スコット軍団のスイス人とEKZ Tour
中国はインターネットの接続が不安定で、現地からほとんど情報がアップできなかった。二戦目の開始直前にブログエントリーを一つしておきたかったのだけどやっぱりうまくつながらず断念、その内容は、この人について。
Marcel Wildhaber (マルセル・ヴィルトハーベル:Scott-Odlo MTB Racing Team)、スイス人。先日のリオオリンピックのMTBで金メダルを獲得したニノ・シュールターのチームメイトでもある。
今回の千森杯、去年のBosmansやChainelのような有名選手のエントリー情報はなく、クレランの二人(ペーテルスとアダムス)の参戦を知ったのは現地についてから。
出発前にわかっていたエントリー選手の中では戦績を調べるとこの人がダントツに強そうだったので、今回ウォッチ対象と思っていた。結局第一戦では表彰台も逃し(4位)、ペーテルスたちの参戦に埋もれてしまった(←私の中で)
(チームスコットだ!といって松本駿選手と記念撮影、この日飛行機で到着したばかりだったらしい。俺強い人、なオーラがでていた)
しかしイェンス・アダムスと第一戦目前に話したときに要注意選手としてかれの名前を挙げていたし、二戦目は巻き返しを狙いそうな予感があった。
さらに二戦目はMTB選手むきのコースといわれヴィルトハーベルはMTBのクロスカントリーエリミネーターで国内チャンプである。
(写真の表現力がなくて速さが伝わらない。。)
第二戦前日のコース試走では、いとこのMichael Wilthaberを含む3名(スコット軍団、と日本チームには呼ばれていた)がレースのようなペースで疾走する姿は私以外にも「あいつは今度は相当狙っている」と見ている選手も多かったよう。
で、案の定独走勝利でした。かれのことを事前に記事アップしてれば今頃どや、って記事が書けたのに。苦笑。
二戦目の優勝後の記者会見。試走日の段階からかなり気合の入った感じだったが、一戦目とコースの違いもあり、表彰台も逃したこともあって狙ってたのか?と尋ねると、一戦目は北京到着翌日というのもあった、この二戦目のほうが自分にとって楽に走れる(comfortable)なコースだった。との返答。
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【遠征前にチェックしたかれの成績】
出発1週間前にUCIのサイトで戦績を確認したときに浮上したのがこのマルセル・ヴィルトハーベル。
国別枠の中で出場するワールドカップよりもそのとき強い選手が出るので価値があるとも言われるSuperprestigeやbpost bank trofeeというベルギーの二大シリーズ戦、その次ぐらいに位置するのがSoudal Classics(以上いずれもベルギー)。
それらの次ぐらいに強い選手が出てくるスイスのEKZ CrossTourでしばしば上位なようだったが、EKZのサイトで確認すると、ヴィルトハーベルは昨シーズン総合3位(総合優勝はフランシス・ムレイ)。それを見てこの人強い。と思ったのだった。
私はムレイが好きなので、かれが15-16シーズンのシリーズ優勝を決めたレースの動画はチェックした記憶があるので再度掘り起こしてみた)
(英語実況と解説つきなのでわかりやすい。UCIアナウンサーのマクロッサン氏の弟マーチン・マクドナルドが実況。)↓
EKZ Cross Tour Final Men Elite UCI C1
今あらためて見返すと、この最終戦まで時点でヴィルトハーベルが総合リーダーの黄緑のジャージを着ていたが4-5周回目あたりで姿がみえなくなっている。クラッシュしてリタイア、総合優勝も逃していたらしい。
それで優勝したのがこの日に勝ったムレイ(息子がゴール後乱入するのがほほえましい)。この動画見てたときはヴィルトハーベルの名前は知らなかったなー(というか名前の読み方を今回北京で本人に教えてもらう始末)。
EKZは前述のベルギーのシリーズ戦にはあまり顔を出さないベルギー・オランダ以外のヨーロッパ内の「外様国」フランス、ドイツ、スイス、チェコなどの選手が多く出場する印象。
↓公式HP。
ベルギーの有名選手もスポットで参戦する。この日はMarluxのDieter Vanthourenhoutが出ていた(サポートなしの単独参戦だったのか、レース後水場でバイクの泥を落とす順番待ちをして、自分でホースで洗っていた)
そういえば北京に来ていたイタリア人のマルコ・ビアンコもEKZをよく走っているらしい。
Superprestigeって9戦全部でなければだめとか、いろいろ縛りがきついんだよね。と言っていた。
↓EKZの緒戦、9月18日のBadenのスタートリストがもう出ていた。Iserbytやイェンス・アダムス、クラース、ムレイ、Wildhaberのほかにも見たことある名前がたくさん。
千森杯 万里の長城で、勝利宣言する女子選手に遭遇
帰国しております。色々なものを見聞してきた北京のレースの当面の情報リリースが事情により少なくて申し訳ありません。いくつかこぼれ話をしてゆきたいと思います。
千森杯は、オーガナイザー側がなにもかも面倒をみてくれて、観光もついていました。これまでの参加者の評判から、楽しみにしていた万里の長城。
入って右がなだらかなので、人気があるそうですが、アスリート集団(笑)なので、左の急こう配なほうへ。
この結構な勾配、伝わりますか。
出発前日に足の骨を骨折した日比谷メカニック、入口の売店で杖を買い、精神力で登る。
レセプションパーティーで余興を披露する予定の織田聖選手が予行演習。
すごい景色です。斜度がきつすぎるところは振り返って写真撮る余裕はない。タンクトップの後姿は武田和佳選手。
どうしてか寝ている前田公平選手をかこんで集合写真。
奇声を上げて駆け降りてゆく、オージーの選手たち。遠足でこういう子たち、いますよね。
下まで戻ったところでお土産ショッピング&休憩タイム。前日にふつうの商店街をうろついたお陰で、やたら値段が高く感じた私たちはあまり買わなかった(苦笑)
ベルギー人選手のグループらしきあたりから、イェンス、という声がしたので、あ、イェンス・アダムス、と思って、「誰がイェンスなの?」と聞くとニッコリ。
ベルギーでは有名人なんだろうけど、こちらではあまり騒がれないせいか、イェンスだ♪と反応している私としばらく話をしてくれた。昨シーズン病気でレースにでていないので、少しでも多くのUCIポイント(=スタート位置を少しでも前に)を獲りに、二戦とも勝ちたくて来ているとのこと。
チームメイトのロブ・ペーテルスは?と聞くと、ホテルで寝てるよ、とのこと。
レースはどっちが勝つかな?と聞くと、勝つのは彼女じゃない?と話が女子に飛んだ。
はーい、私、強いのよ~アハハ 勝っちゃうかも。
とあっけらかんと強い宣言をする彼女はオランダ人、Ceylin Del Carmen Alvarado。ほんとに強いよ、勝つ可能性大だからチェックしておくといいよ。と周囲が口をそろえていた。
(第二戦Fengtaiの記者会見) 彼女は本当に強かった。 第一戦2位、第二戦優勝。
記者会見ではこの後とりあえず国内の大きいレースを走ると言っていた。まだ18歳、今年はじめのオランダ国内U23選手権で2位。というような万里の長城観光の一コマだった。
千森杯 二戦目前日
明日の千森杯第二戦はFengtai(豊台)Stationと呼ばれ、北京市街の西を流れる永定河近くのホテルから8-9㎞ほど離れた山がかった場所に作られたコースとなる。
(第一戦で2位になったイェンス・アダムス選手のあとを走る松本駿選手)
一周の長さは2.5kmで平坦部分が0.8㎞、傾斜地部分が1.7㎞と、フラットだった第一戦のYenquin(延慶)とはかなり様相が異なる。
選手たちのコメントを聞くと「細かいコーナーリングが多くてテクニカル」「スリッピーな場所がある」「第一戦のように高速で踏み続ける場所がない」「休みどころがない」と言っていた。テクニカルなのが嬉しいという選手もいれば、第一戦のほうが自分向きかな、という選手もいる。
いい写真がないのだけれど、上の写真の背後、鉄塔の周りはひたすら曲がりくねったコースに貼られたコーステープが海のように折り重なっており、日本人のベテラン選手たちからは「かの懐かしい「ねずみクロス」のよう」という言葉が聞かれた。
(↑空気圧の調整が大きな課題)
傾斜区間もコンパクトにコースが収められていて、一周3.8km とかなり長くストレート区間が各所にあった一戦目との相違がはっきりしている。
(ペーテルス、近くにくると彼の手足の長さに目を見張る)
こんなにどこまでもドライでスリッピー、細かいコーナーのあるコースはヨーロッパにはない(あちらでは晴れた日でもどこかしらは泥になっている)、テクニックが要求される難しいコース、と重馬場が得意とされるロブ・ペーテルス選手は言っていた。
登り区間に接置された小ぶりなフライオーバーはマウンテンバイク出身選手にはジャンプを見せる場所だったりするが、勢いあまってその後のコーナーで木につっこみそう、という声も。地元のアマチュアレーサーが試走に来て叫びをあげていたのもここ。
こちらは平地区間に設けられたフライオーバー。階段の一段の幅がかなり大きく、欧米の選手も大股で上る。手すりの質感は建物内の手すりのようで、さすが建設業界の主催者という感じ。
日本は第一戦で12位となりもっとできたはず、という小坂光選手、好調の前田公平選手、落ち着いて初海外参戦をこなしている武田和佳選手をはじめ、より日本人向きと思われるコースでのリザルトに注目。
(追記)諏訪監督のコメントでは最初のフライオーバーまでの登りがきつく、パワーが足りない選手はここで最初に振り落とされるのでは、という話。
そしてこまかいコーナーを繰り返すうち。どんどんバラけるレースになることが予想される。とのこと
千森杯 道路事情
インターネット接続がとぎれとぎれのためレポートがあげられずにいましたが、毎日野菜たっぷりの食事で元気です。
日本人は第一戦、前田、小坂光、小坂正則、武田選手がUCIポイントを獲得し、賞金はさらに多くの選手が獲得しました。詳細は別途。周囲の外国人たちからも「日本人、速いライダーいるね」「あの9番の人(前田選手)何位だった?」などと言われたりすると嬉しいですね。
さて、第一戦目の延慶は万里の長城などの観光地に近い避暑地で自転車競技に向いた朝晩は涼しく、山の景色も美しかったが、ホテルから6㎞のレース会場までの道のりは、毎回、譲ろうとしない自動車、逆走する自動車が走り回る中選手たちの道路移動はかなりサバイバルなものだったらしい(じきに混雑していない道や、そんな中で走るコツがつかめたらしいけれど)
電動の三輪荷台つきバイクもたくさん走っている。
自動車は右折時に歩行者や自転車に遠慮するということがない。轢かれたら負け。
そして二戦目の北京市街郊外Fentaiの会場までは9㎞もあるが、途中に古い街並みが。
選手たちはかなりディープな街並みにちょっと怖かった、といっていたが、
中国というより東南アジアの香りが高い
コース内を横切る舗装路でも車に轢かれないように気を付けなければならない。