tannenbaum居眠り日記💤

観戦者の目による、おもに自転車(おもにシクロクロス)関連のすみっこネタブログです。

三代目Mathieuの楽しみ

米国のワールドカップ二戦目後のコメントから。
http://m.nieuwsblad.be/cnt/dmf20170925_03093594

Van der Poelのコメント:

自分はとても調子がいいと思った。なにが自分自身に起こっているかとういうのはわからない。
他の選手との違いについて?この夏、自分の調子は今までになく良かった。暑さについても今日はトラブルにならなかった。金曜日のレースを走った判断はとてもよかった。3戦3勝にはとても満足している。そのためにトレーニングしてきた、そのために選手になったんだから。

Van Kessel (3位)のコメント:

今や、Van der Poelの優位性に対して出来ることは何もない。最初彼の後ろに付けたけれどもじきに行ってしまった。その直後から自分は自分のペースで走るよう切り替えた。彼がアタックしてしまえば、狙えるベストの結果は二位だ。それは本当はあるべき姿勢ではないかもしれないけれど最善の結果を求めるにはその選択になるだろう。メインスポンサーのTrekの本拠地でFIDEAから表彰台に二人登れたのでよかった。

Van Kesselのコメントには、わかる、わかる、、と思ってしまいます。

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・Van der Poel自身も自らの優位性がさらに広がったことについては、特になにが原因ということはわからないようですが、夏から調子がいいといっていますね。
・あとVan Aertとは話せていないし彼の調子についてははわからない。彼はなにか別のことを考えてるんじゃないか、と言ったようです。

・今シーズン、Van der Poelの体型が変わったように見えるんですが、どうでしょう?以前は、肩幅が目立って、ウエストにかけて三角に細くなっているようでしたが、今年はもっと全体にがっしりしているように見えます。力強さと安定感が増したように見える彼の砂の走りに先日は見とれてしまいました。
・・・で。
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Mathieu君と今後の進路についてのおさらい
(戦績)
Mathieu Van Der Poel ←見ていたらきりがない

シクロクロス世界選ジュニア(2011-12 Koksijde , 2012-13 Louisville)
シクロクロス世界選エリート(2014-15 Tabor)
ロードレース世界選ジュニア(2013 Florence)


(家族)

兄Davidはシクロクロス選手、昨年は国内選手権3位、Diegemで6位。弟の影に隠れがちだけれどすぐれた選手。以前は四角い顔で弟とタイプが違っていたのですが、近年かなり弟に似てきました。
David Van Der Poel

父Adriは80-90年代にロードとシクロクロスの両方で目覚ましい功績をあげた選手でLiege-Bastogne-Liege, Amstel Gold Race さらに Tour of Flanders勝利、シクロクロスでは36歳にして世界タイトルを獲得しています。(注:このAdri父ちゃんの名前を知らないと、閣下に出ていけと言われる必須科目)

祖父(Adriの義父)はRaymond Poulidorでツール総合2位3回、総合3位5回でレジオン・ドヌール勲章をもらった人気の「エターナル・セカンド」の選手でした。

↓おじいちゃんと優秀な孫達、の記事。お父さんも来ているよ。
www.lepopulaire.fr

・Adri父さんはシクロクロス世界タイトルを獲った年齢では息子に負けた、といいつつ、才能は自分より上か?という問いには、今後は努力と才能の両方が必要となってくる、とコメント。
・まだ時には遊びたがる21歳(去年)だけれど、才能は否定できない。可能ならこのまま続けて行ってもらいたい。
・今のMathieuは自転車に大いに楽しさを感じているようだ。全ての基本は、楽しさを感じるかどうかで、自分は彼にとってそれが長く続くのを望んでいる。

以前訳した二世選手を持つ父親の言葉http://tannenbaum.hatenadiary.jp/entry/2017/01/08/175122と似ている気がしますね。喜びを得てもらいたいと(成績もそうなんでしょうが)。
これは去年の10月の記事ですが、今シーズンが明けてずっと独走レースばかりのMathieuは楽しみを感じているんでしょうか。
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https://www.cxmagazine.com/rumors-rumblings-belgium-tour-van-der-poel-outsprints-van-aert-beautiful-duel-road
今年の5月、ロードレースTour of Belgiumを舞台に二人の対決が見られたという記事。Van AertやPhillipe Gilbertを含む先頭5名に合流したMathieuが先頭に出たVan Aertを発射台に利用してGilbertを抑えて勝ったシーン。この勝利に激しい興奮を味わったというMathieuはシクロクロスではここまでの陶酔は味わえないと言っている。
youtu.be
確かにこんな激しい表情。
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Nysのコメントはシクロクロス界を代弁していると言えるでしょうか。
www.cyclingnews.com
・Mathieuの才能はまるでPeter Saganのように特別なもの。
・ジュニアのころからVan Aertよりもすこし上のリザルトだったが、今(2016シーズン)もそのような様相だ。Woutはベストコンディションの時にはMathieuに勝てるかもしれない。
シクロクロスは”duel”(1対1の激しい対決)によって観客を惹き付けてきた。レイモン・プリドール(Mathieuの祖父)のような「永遠の二位」がひとびとの人気を集めるものだ。Van Aertが永遠の二位と言っている訳ではないが。(←言ってない?)
・それを繰り広げている二人が同時にシクロクロス界から去るとなると、その後の雰囲気が心配だ。
・今の自分達は二人の美しいバトルに、より多くの観客を集めるのが任務だ。

二人の時代の後にスターの座に就くのは誰なんでしょう?←Nysの息子待望論もありますが、まだ何年かかかりますよね。