tannenbaum居眠り日記💤

観戦者の目による、おもに自転車(おもにシクロクロス)関連のすみっこネタブログです。

Wellensの現場復帰先は新生Steylaerts Cyclo Team

http://www.hln.be/hln/nl/2884/Veldrijden/article/detail/2707604/2016/05/18/Bart-Wellens-wordt-sportief-manager-bij-Team-Steylaerts-waar-Vermeersch-kopman-wordt.dhtml


Vermeerschをエース(てかまだ男子一人女子一人だけど)に据える新チームSteylaerts Cyclo Teamのスポーツマネジャーとしてレース現場に戻ってくるそうです。その情報だけ流してたぶんわざと、どういう立場での現場復帰って明らかにされてなかったので一瞬選手復帰かと期待した人たちもいたかもしれないけど、選手としてじゃない(苦笑)。


でも一時ものすごく太っちゃって心配していたころよりは、シェイプされてる、まだぽっちゃりだけど。スポンサーとの契約は1年しかなくて、今後の業績次第というところなのかな。大きな勢力に育ててゆきたいということだけど、まずはこじんまりはじめるようだ。追加スポンサーなどをこれから募ってゆくのだそう。
(思わせぶりな本人ツイートの数々があったようだ。全部は貼らないけど)

新チームのスポンサーはこの会社↓
http://steylaerts.be/
タイル屋、バスルームのリノベーション業。業績拡大中なのかな。社員は80人ちょっと。

  • スポンサー契約はとりあえず1年だけ。更新オプションあり。
  • Tom Boonen 父親のAndreがRidley社の代表としてWellensと交渉をしていたらしいが、契約は2018年までのものではなかった、という記載があるけど、更新オプションがなかったのかな。というか、全部追ってないからわからないけど、何の契約の話だったんだろう。
  • 現時点ではSteyaertsが唯一のスポンサー、追加スポンサーと選手をもっと獲得したいと言ってますね。
  • 9月までには4-5人の選手が獲得できるようになっていたいとのこと。追加出資受けられるかな。
  • 現時点で契約した選手は二名、Gianni Vermeersch と オランダ人女子選手 Maud Capt Heijn。

http://www.cyclingarchives.com/coureurfiche.php?coureurid=63610
CyclingarchivesのVermeerschの項。

  • Vermeerschはリザルトだけみるよりも、レース中の展開ではもうすこし目立っている印象があったけど、実績高いかというと微妙か(Hoogerheideでの3位と、ロードのOmloop Het Volkのアンダーカテゴリで3位というのが目につく)。。ということでMarlux-Napoleon Gamesの契約切れとなり、更新されなかったらしい。23歳。

SteylaertsのHPに掲載された本件に関する記事。
http://steylaerts.be/nieuws/steylaerts-sponsort-nieuw-team-bart-wellens
Nysとの指導者対決、って書いてるけど、FIDEAとこのチームの状況は全然スタート地点が違う(苦笑)でもそれはそれで、楽しみではありますね。Nysやアルベルトのように引退直後からチームマネジメントに入ることなく、まさに自由を謳歌する時間を楽しんだ後なので、その価値は本人の心の栄養として金銭では測れない得難いものだったかもしれない。その後の爆発的な活躍?も期待できるかも。
http://www.nieuwsblad.be/cnt/dmf20160519_02296125
昨年3月の引退決意時は、36歳にもかかわらず、精神的にも肉体的にも70歳みたいな感じがする、今は人生を楽しむときだ。と言っていた。

Lars Van der Haarは2017年からFIDEAに、Nysが個人コーチに

ご無沙汰しておりました。このニュースはさすがに、何か書かなくてはと思いまして(笑)

今年初めの世界選でVan Aertをあわや、というところまで追いつめ2位になったLars Van der Haar (当ブログでの愛称チビワンコ)ですが現チームGiant-Alpecinとの契約が2016年の年末で切れるということで、去就が注目されておりました。
Groenendaal en Van der Haar mogelijk naar Marlux-Napoleon Games | WielerFlits
今年1月のニュースでは、彼をこれまで指導してきたRichard Groenendaal氏(Rabobank育成チームで指導していたが、ラボバンクが撤退予定)とともにMarlux-Napoleon Games(Sunwebとして私の中に刷り込まれているチーム)への移籍の噂があるというニュースを見かけており、Lars獲得候補の有力対抗馬はNysをマネジャーに迎えて新規まき返しを図るFIDEAといわれていましたけど、やっぱり自分を育ててきたGroenendaalと一緒だよねー?FIDEAもMeeusen以外のビッグエースほしいだろうけど。という感想だった。
Danny De Bie nieuwe ploegleider Marlux, geen Groenendaal | WielerFlits
2月Marlux-Napoleon Gamesは新指導者にGroenendaalではなく元FIDEAの名物監督だったDanny De Bieの採用を発表。Groenendaalがオファーの検討期間が長すぎたことが原因とか。(ちなみにそれまでの指導者Mario de Clerckはどこにいくんだっけ?)
で、Lars君のFIDEA行きがまことしやかに囁かれてきたようですが、このたび発表になったようです。
Nys haalt Van der Haar naar Telenet Fidea: "Ik word zijn coach"
うん、NysとVan der Haarはもともと親しかったものね。で、個人コーチもNysが就任して、Gorenendaalから指導を受けるのもおわりになるようです。ちなみに、Tom MeeusenとJim Aernoutsの個人コーチにはNysの盟友として同時に引退したSven Vanthourenhoutが就任するらしい。
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(2012年Koksijdeで開催された世界選U23で先頭争いをするLvdH: Photo by tannenbaum)

  • いろんな玉突き人事とか、監督メリーゴーランド(回転ずし?)とかありますが、いい加減だれがどこにいって、全体図がどうなっているかのフォローが必要ですね。新シーズンまであと4か月?ですし(苦笑)
  • あとで、関係者のコメントも訳せたら載せます〜。
  • とりあえずFIDEAはメーウセンが優勝まではなかなか、狙えなくて苦しかったところ、チームの将来にとって安心要素ですよね〜。

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GIANTに乗るVan der Haarが見られるのも今年いっぱい。その前でポーズをとる、和製Van der Haar*1

*1:先月彼のインタビューを収録させていただいたのですが、それを早く記事にしなくては

東海シクロクロス最終戦 ワイルドネイチャープラザ@接待サイクロクロス(その2)

(ここまでのお話)東海シクロクロス最終戦を見に行きたかった私は、"接待サイクルクロス”に同行することになった。サプライヤー様はカテ3レースで皆の眼を見張らせる走りをし(前篇)、このあと自ら開発に関与したフレームに乗るカテ1選手のピットクルーを務めることになっている、フルコース接待である。
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(同じ自転車2台だがフォークに番号シールが。そして区別がつくように微妙にパーツの色がちがうとか聞こえたけどどこが違うのかな)

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さて、「シクロクロス観戦のキモは試走にあり」という格言に従い、昼の試走を見に行った。
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  • やはり、みどころは砂の下り坂?

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(なんとかっこいい)

  • 砂を巻き上げ障害物(遅い人)を避け華麗にひらりと下っていく緑色。國井選手だ。速い上に余裕を持っている。そういえば國井選手は今季の東海シリーズ第5戦で勝っている。中間選手インタビューの際にマイルポストで出会っておめでとうを言った記憶がある。

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  • もう一人緑のマイルポストジャージ、ということは國井さん推しの山中選手。ぎゃー、速い。右側を通る選手が多くて、こっち側のラインをまっすぐこんなに速く来る人はいなかった。國井選手との違いは、砂が飛んでない。どういう仕組みなんだ(写真で見ると速く見えないのはどうしてだろう。)
  • あっという間にギューンと行ってしまった(あーびっくりした)。
  • 先生、山中選手が一番速いと思います!

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(この写真なぜこんな通過した後方の砂が巻き上がってるのかわからない。)

  • もちろん、今回サプライヤーを接待しているカテ1選手も朝食後の二度寝が効果あったのか砂をぴしぴし蹴立てて速い。カテ1選手は昨シーズンここのコースで、筧五郎選手との雨中の一騎打ちを制している。 http://cyclist.sanspo.com/173417(そのレースのCyclist.sanspoの記事。東海シリーズのレースづくりについても言及がある)

他にも速い人はいたが、速くてかつ余裕があったのは上記3名が抜きんでていたように見えた(素人目)。あと写真がないが白黒っぽいジャージの選手の砂下りも速かった。見た感じMTBの人っぽい雰囲気だった。

  • 砂の坂を下ってきてから一段と深くなる砂で止まりそうになる人が多かったが押すか乗るか、というところで上位の人は軽く乗って行けてさらに周囲と差がでる、という感じにみえた。平たい砂地や林間も距離があって体力勝負要素もあるから、どうかな。

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(これはカテ3のレース中の写真。)

  • というシロート感想を試走が終わってからカテ1選手のクルマ周りにいた人たちに言ってみたけど全員がベルギーのKoksijdeの経験あるお歴々からの反応は薄く(哀)ほかのだれがどうというより国内で類をみない充実の砂コースに夢中という感じである。Koksijdeは舗装のストレート区間がけっこう長い。しかしここワイルドネイチャープラザのコースは砂か、そうでなければ林間区間。舗装は一瞬で、つまり休みどころがないということらしい。が、皆嬉しそう。

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(これだと様子がわからないと思うけど、Koksijdeはホームストレートの舗装路が広くて、がっつりあった。)
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  • ここのコース、最高だよ!とアゲアゲで30年物のローラーをごうごう大音響をたてて回している。

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  • マスターズクラスに私の地元埼玉ARAIチームの人のジャージが見え、なぜか心やすらぐ。そういえば、関東のレースと違うのは会場で遭遇する知り合いが非常に少ないことだ。しかし、その分やたら沢山の人の写真を撮る→あとで編集で疲れる、といういつもの癖に陥ることなく、のんびりとできたかも。

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(こういう林の区間もあるのだけど、踏みしめてもふかふかくずれる砂で足腰に来はじめていたので、あまり移動せず基本、丘のあたりで見ることに、撮影場所の変化がすくなくてすみません)
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  • クニイさんともう一度話すとここで再度山中選手推し。いや、さっきのを見ると納得です。

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M1ではこの方筧五郎選手が独走。
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(圧倒的だった。)
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  • さっきまで旧信州組の溜まっているところにやってきて、カテ1選手のバイクに乗ってみたりしていたのだった(カテ1のレースのときは往年の信州クロス時代名物?だったらしい海パン姿で佐宗さんを応援していたのだとか。)

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さて、いよいよC1招集。
http://gcf-fukyu.p2.weblife.me/cx/wildnc.html ←ここにスタートリストがある。
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  • 地元の強豪が前に。右手奥から東海シリーズトップの岩田選手、オッチー、オッチーとたくさん声のかかっていた落合選手。その手前黒いジャージが蜂須賀選手、前編でお話しをうかがった方だけれど、シリーズトップクラスです。

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  • ゼッケン番号23番までが東海のスタンプカード、じゃなかった東海のポイントを持っている人たち

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  • 東海のポイントを持っていない人たち。めっちゃ後ろ感満点の33番のカテ1選手はこの後列スタートから、どれだけ前に出られるか。気軽に「サプライヤー様接待だから、勝つんですよね」などと言ってしまって、悪いことをしました。

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  • なごやかですね。マイルポストの二名は、東海のポイントを稼いているので、最前列確保。

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(砂煙)

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流し撮り成功)

  • 時間差でスタートしたL16名のなかには先日お台場のあと女子会でご一緒した森選手。ご実家がこちらのほうだとかで、参戦。ホールショット獲っていた。埼玉川越の時の鐘をあしらった、BOUNCEのジャージ。

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  • 待てども待てども戻ってこないカテ1選手。後方の団子のなかにいた。

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  • サプライヤー様は今回の接待のもう一つの重要ファクター、ピット入りをしている。ということは、ピットクルーの労に報わなければならないカテ1選手。なお前日、サプライヤー様のからカテ1選手へのアドバイスとしては、暑いので前半から無理をせずセーブするようにというものだった。

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  • のびやかに前を走る山中選手。

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  • あ、この人だ、下りでもう一人速かった人。大渕選手。ゼッケン番号が大きくてシードではなかったけど、もうこんな前に出ている。

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  • カテ1選手、前方集団からはるか後方に追いやられていますが、腐ってる暇ありません。接待サイクルクロス。

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  • 日本代表チーム監督澤田さん、20年間落ちることなくC1を維持しているのだそうです。

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  • 前では山中選手、そして國井選手も上げていっている。マイルポストの天下になりつつあった。
  • 前方の選手が見えない状況で走るカテ1選手、下りで順位を稼ぐ。

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  • サプライヤー様のアドバイスもあり、コツコツとすこしずつ前に出ていたのだとか。この日はとにかく暑かった。カテ1選手、今シーズン初めの暑かった茨城シクロクロス(小貝川)ではリタイアしている。毎周回、サプライヤー様は落ち着くようにアドバイスをしていたらしい。サプライヤー様の頭は、クールである。

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  • 今シーズンの動画撮影終了宣言したpigmon氏ですが、新機材テストのため撮影中でした。

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  • チーム36隊、沢山選手がいる大きなチームでした。岩田選手のバイク交換シーン。

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  • 関西クロスで、沿道のチームメイトが選手にポテロングを渡す風習のある「チーム宝塚線」も在東海メンバー辻さんがいる。いつぞやのジャパンカップで一緒に観戦しましたね。

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筧太一選手の巻き上げる砂。
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  • 相変わらず写真にすると速そうな感じのしない山中選手。國井選手は一緒にはいないようだが、2位を走っているらしい。

佐宗さんから山中選手についてレース翌日メールがきた。

山中真はもうずいぶん前からマウンテンのエリートで力強い走りをしていたので注目してました。強大なトルクで踏み倒す、ジャイアントの門田と似たタイプではないでしょうか。一時期、参戦してなかった年があったみたいで14年の琵琶湖・高島でエキパでぶっちぎりの速さでした。

  • ギアが重いから、「いかにも速そう」には見えないのかな。

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  • 猪俣選手を久々に見た。以前GPミストラルで頻繁にお見かけしたが、マスターズ世界選に出場された方ですね。

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  • あの人かっこいい、という声を佐宗さんに対して聞いたような気がする。52歳ですよ、とその声に答えたくなった。後日、ご本人によれば、沿道の女の子二人組にもてはやされていたとか。砂の下りでは一度しか脚をつかなかったそうです。

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  • その後もカテ1選手は順位を上げてきていたが、先頭とは2−3分?かなりの差がついてしまったのでせめて、表彰台。でも難しいかなー。。と吉松さんと話していた。写真は、ラスト2周回目?シリーズリーダーの岩田選手のことは抜いたようだ。となると、かなり上位まで上がってきたということになる。カテ1選手、このころにはアドレナリンがバンバンでて前にいるものは全部抜かしていくモードが入っていたらしい。

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  • 毎回差をつめるセクションである砂の下りも、もうターゲットが残っておらず、離れている。おそらくラスト3-4周あたりでは前を走る大渕選手と30秒離されていた。まだ30秒もあるねえー、これは厳しい、と吉松さんと私は話していた。

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  • 各選手、踏ん張りどころ。

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(ピットでカテ1選手に声をかけているサプライヤー様。)

  • サプライヤー様によれば当初は、ラスト一周半で行け、という指示を出すつもりだったが、前を行く3位の大渕選手との差が残り2周半時点でまだ大きかったので、その時点でGOサインを出した。ということだった。

もう垂れることはないから、攻めていきましょう。

と言ったらしい。
サプライヤー様にレース戦略を練っていただくサイクロクロス接待。難易度が高い。

  • そばでピットに立っていた富山ドロタボウの清水さんからレース後聞いたところでは、サプライヤー様は毎回カテ1選手に声をかけているが、低いくぐもった声で、カテ1選手はその指示内容が聞こえているのか心配するほどだったとか。
  • しかし、カテ1選手は、サプライヤー様の指示はすべて聞き取れていたそうです。二人は長いお付き合いですからね。http://www.cyclocross.jp/partners/2016/tsss02.html

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  • 國井選手も集中しきった表情。2位は盤石のよう。

そして最終周回。平地から砂丘に戻ってきたあたりの大渕選手とのタイム差がまだあったので、吉松さんとああ、もう難しいねえ。すごく詰めたのにねえ。と言っていた。

  • 最後の丘の頂上あたりで、前の大渕選手がいったん脚をついた。まだ差があるけれども

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  • それまでの周回、何人も追い越してきたセクションだが、坂を下りきったあたりで大渕選手がもう一度踏むと、順位は結局そのままで砂山セクションから出て行った。
  • すごいなあの大渕選手の踏み返し。でも、表彰台だめでもホームストレートはしっかり見届けよう、と吉松さんと移動。

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  • すると前で帰って来た。3位だ。こちらからは見えなかったが、後ろについて平地のどこかのコーナーで抜いたらしい。2位まではとっくにゴールしているけれど、タイム差のついた最後尾集団にいたことを思うとよく追い上げたもの。

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  • よかったよかった。吉松さんはゴールラインに走ってゆく、献身的に。
  • いっぽう、私はというとまず結果に安心し(帰りの車もこれでムードは悪くないであろう)、他の選手を撮っていた(薄情)。最後なので平地区間のほうにも移動して、流し撮りしてみたり。辛い長いコースをよく皆走って来たなあ。じっとしてカメラ構えるだけで消耗するのに。

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昔の信州の人たちだろうか、林の中から、佐宗、佐宗、とサソウコールが聞こえる。
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  • 本当に鬼だったころの佐宗さんを知る人たちから、いまだに慕われている。
  • 轍がちゃんとできてなくて全面にごちゃごちゃと線が引かれている感じ↓

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(このころ、出しつくしたカテ1選手はゴール後過呼吸状態になりサプライヤー様の足元で、バッタリ倒れていたらしい。写真は見守っていた吉松さん)
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(写真:吉松さん)

  • あっぱれな接待サイクロクロス。ものすごい、労力でした。

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そして表彰式です。上位2名は、このシリーズにこれまで参戦して東海のスタンプカード(違)をもっているせいか、関東組ながらホームな感じ*1
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  • ゴール直後のバッタリから回復したカテ1選手は、難しいへの字口をしているものの、内心、次にマイクが回ってきたら何を話すか考えていたのだそう(本人談)。
  • 誰もが、表彰台に上ったら楽しみにするインタビュー。…

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・・結局、1、2位のコメントのあと、
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(への字を直すチャンスはなかったようで。)

  • 彼だけマイクは廻って来ませんでしたとさ(哀)…

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  • 観客はいいムード。

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  • いっぽう、この人たちの背中の表情はいったいなんなのか。小学校の「下校の音楽」とかが似合いそう。

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  • 出し切った満足感、終わった感、これから300キロ運転する感(苦笑)

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・東海クロスシリーズの締めくくりの表彰は大いに盛り上がりを見せていました。
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・コースがよくて、運営がたしかで、競技に熱心な観客、アットホームな東海シクロクロス。今後も大いに発展しそうな予感です。

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(写真:吉松さん)
私はサプライヤー様がレース後に言った言葉が忘れられない。

カテ1の人らって、ほんまにようやるわ。
よっぽど好きやねんなと思った。

彼が語る言葉、ずっしりきた。

  • ほんまにようやる、よっぽど好きやねんな、というのの日本一ぐらいなことをしていたのが、当のサプライヤー様だったのだから。

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(追記)
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  • 撤収前。”team Koksijde"の面々は、口をそろえて、来シーズンもこのワイルドネイチャープラザで走りたい、と言っていたのでした。

なにもかも 砂のせいだ

って。(http://blog.livedoor.jp/bikintv/archives/52455213.html より拝借。)
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  • 今回はカテ1選手とサプライヤー様の動きをまぢかに、一喜一憂しながら観戦させていただき(それでもまだのんきなシロート傍観者でしたが)、レースのもつ魅力といろんな側面についてあらためて感じることができました。本当にどうもありがとうございました。

(Special thanks to: 辻浦圭一さん、池本真也さん)

*1:でも、東からきた選手ばかりが表彰台独占だな、という声も漏れ聞こえてきた。

東海シクロクロス最終戦 ワイルドネイチャープラザ@接待サイクロクロス(その1)

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運営のよさ、関東からのアクセスの良さでじわじわ関東のライダー達の間で注目度が上がっている、東海シクロクロスシリーズ。http://gcf-fukyu.p2.weblife.me/cx/index.html

  • なかでもワイルドネイチャープラザはアップダウンのある砂地獄コースで、砂好きのシクロクロッサーの間では是非走ってみたいコースであるらしい。異名は「日本のkoksijde」。koksijdeはベルギーの北海沿岸の砂丘地帯にある、トップクラスの格式を誇り、ドラマが生まれるコースである。今シーズンもワールドカップではベストレースではないかというNysとVan Aertの激しい闘いがあったコースですね。

ほぼ砂地のコースで、体力とテクニカルが必要とされる難しいコース。アップダウンも取り入れ、まさしくハードなコースと言えます。日本版コクサイデのコースと言えるでしょう。
UCIシクロクロスワールドカップを走っている感覚になりきってもらいましょう。

と、大会HPにもうたわれています。
年末JCXシリーズとして同会場で開催されたレースは都合がつかなかったが、今回は東海シクロクロスシリーズの最終戦としても開催される。行きたいなあ。「ぷらっとこだま」で名古屋まで行って昔の会社の友人と会い、当日はどこかの駅からタクシーか知り合いに拾ってもらい会場まで行こう、と手配を考えていたところ、カテ1選手が機材サプライヤーの会社の方を「接待サイクロクロス」でおもてなしする、というのに同行させていただくことになった。自分の希望は言葉にしてみるものですね。

  • しかし。昨シーズンこのコースで優勝しているカテ1選手に同行というのは、流石のんきな私でもお邪魔にならないようにするのにはどうしたらいいだろうか、着替えは極力持たず、でも雨対策は必要、レンズ3本は持参したい、、*1などと考えていたら先方は先手を打ち、荷物の容積制限について事前連絡がきた。いつもレース会場で大荷物をひきずっているのをチェックされていたらしい。飛行機の機内持ち込み荷物程度であれば自転車3台と人間3名ともに積めるらしく安心した。
  • 集合時間20分前に待ち合わせ駅に着いた自分は偉いと思っていたところ、サプライヤー様は50分前に到着していた。アスリートの世界は待ち合わせ時刻5分前集合ではなく、50分前集合だった。
  • 高速道路で移動する間、接待サイクロクロスということでカテ1選手の遠征を満喫するメニューが各種揃えられていた。その一環で、サプライヤー様も高速道路で運転するという体験もすることができていたようだ。

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  • 現地到着後のレース前夜の夕食。このときベテランレーサーが選択したのは、かつ丼でも、パスタでもなく、自分の好みやコンディションに合わせて自由な選択が可能なセルフサービス式定食屋である。東海から西日本寄りに多くみられる飲食店形態らしい。
  • もしかするとピリピリして、しょうゆの置き場ひとつ気に入らなくてもちゃぶ台返しなムードを恐れていたが、淡々とすべては進行した。
  • 一応神経を使っていたはずの私はひとつ失敗を犯した。「・・優勝するというのが接待なんですよね?」という発言である。あとでサプライヤー氏から注意された。無神経なメディア攻撃から選手を守るサプライヤー氏であった。
  • カテ1選手は消化しづらいものは選んでいない。サプライヤー氏と私がビジネスホテルのロビーフロアにあるテーブルで宴する横でお茶を飲んだあとカテ1選手は先に就寝した。
  • さて、一夜明けて。カテ1選手は自宅前道路工事によりここ数日睡眠が足りておらず、チームメンバーが昼の試走に間に合うよう後で車で迎えに来るということでホテルに残り、カテ3に出場予定のサプライヤー氏とわたしが朝いちの試走に向けて出発。周辺の道路は広々しており、岐阜羽島駅前から快適な15分程度のドライブでレース会場に。
  • 駐車場が1台ずつの間隔が広くて快適である。

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わあ、ほんとに砂だ。
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この轍の美しい模様の出方、つまり、砂のきめが細かい。自分が2012年世界選手権を見るためKoksijdeに行ったときに、砂のきめ細かさには驚いた。
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(Koksijde世界選試走日。)
この会場の砂はKoksijdeまではいかないまでも、いままで国内のレース会場で遭遇した砂(猪苗代、マイアミ、お台場)とは質が異なる。感触としてはほかの国内の砂は踏むとゴキュゴキュ、ざりざり、という大粒な感覚があるが、ここのはサラサラしゅるしゅるときめ細かく踏むと気持ちいい。

  • Koksijdeの砂は、急斜面沿いの砂を踏んでも案外滑らず、乾いていても踏むと適度に踏み固まるので、見た目よりも歩きやすい感想を持った。しかし、ここワイルドネイチャープラザの砂は斜面の砂をふむとするする崩れていく感じが違う。一日歩くと、おそらくKoksijdeより疲れそうである。じゃあレースに関してはどうよ?というところだけど、轍がKoksijdeほどはできにくいのかも。
  • 前日の試走では雨が降っており轍ができやすく、レース当日よりは走りやすかったと聞いた。

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  • 丘になっているエリアのアップダウンは激しい。崖崩れがあり丘の裏側?にあった急坂のアップダウンがコースから削られ若干イージーになったらしい。

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  • カテ1選手のチームであるフリッツェンは東海支部も有しており、メンバーの吉松さんがサクサクとテーブルを開いてクロスを掛けコーヒーを淹れてくれた。東海クロスといえばBUCYO COFFEEなので、当然朝からBUCYOマフィンを買うため並んだ(種類がたくさんあってかなり悩む)が筧太一さんおすすめのトークがひとしきりあって、楽しく選ぶ、さらに吉松さんのおすすめで当地名物「カイザー」という丸いパンにあんことクリームを挟んだもののイチゴ入りも買ってみた。東海クロス、この時点ですでに満喫態勢である。

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  • サプライヤー氏の自転車は事前にカテ1選手によってピカピカに磨かれタイヤも替えてあったらしい。これこそが接待サイクルクロス。接待する選手は今宿で寝ているけど。

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  • さて、サプライヤー様は、過去何度も偉大な勝利を重ねた伝説のチャンピオンなので、会場のあちこちに試走を始める彼のことをかたわらの知人に「ほらあの人だよ、レジェンドを見ていてごらん」と語る人が散見された。「彼は、特に、砂のコースでの走りが、宙に浮いているようだ、と言われた人なんだから、この砂の会場で彼が見られるのは大変な幸運。よく見ておくように」とうんちくを語っているのが聞こえたときには、私も内心むちうちになるほどうなずいていた。

しかしそもそも、彼の9連覇時代を知っている人のうちでも、どのくらいの人が、ここ数年の彼の闘病生活と、最近まで半年間入院していたことを知っているのだろうか*2

試走から戻ってきて、

あー、勝ってしまったらどうしよう

何度か繰り返すサプライヤー様。そしたらビールおごりますよ。

  • しかし、レース開始1時間前を切ってもサプライヤー様は勝ったらどうしよう?といいながらBUCYOマフィン、あんことクリームぎっしりのカイザーをどんどん食べる。レース前に何を食べても気持ち悪くなったことがないのだとか。胃袋が丈夫であることも偉大なチャンピオンの資質であるということを目の当たりにした。

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(私がつくったグラノーラバーを前日渡したのだが、その瞬間から食べ始めてびっくりした。瞬殺でなくなり、予定数より多くをサプライヤー様に差し上げることになった。)

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  • 会場の高いところからは木曽川の眺めも見えて、風光明媚です。
  • 地元支部の方とコース脇で見ているときにこれまで東海シクロクロスのレースづくりに尽力されてきた一人である蜂須賀さんと言葉を交わした。地元車連はレース開催に慣れており運営は手慣れているが、シクロクロスレースということになるとまだこれから、ということをおっしゃっていた。がこんな素敵なコースを作るなんて、素晴らしい。長年東海地区のシクロクロッサーたちは、関西に遠征して移動の苦労を味わってきたので、地元開催ができるという喜びは大きいという話。そうか、地元の皆が待っていたおらが地区のレースということなんですね。
  • 私からは、自分の周りの関東のレーサーの間で東海は運営がよくて走りやすいらしいと評判が出ているので、またこれから人気が出るのではないか、という話をしたけれども、うれしそうにしておられました。
  • カテ4は今回100人を超えるエントリーとなったが、4組に分け2組ずつ時差スタートする方式を取っていた。大人数でまとめて走っても後ろはレースにならないので、出場者につまらない思いをしてほしくないですから、と蜂須賀さん。

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カテ3スタート前。東海シクロクロスのスタート順は、東海のポイントを持っている人が前(「シード」)そうでない人たちが後ろ「フリー」。関西クロスと同じような形式ですね。

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  • 「クロスの鬼」佐宗さんがなにやらサプライヤー氏の自転車を世話しているように見えた。あとで聞くと、チャンピオンの空気圧がどのようなものか、手で触って確認していたのだとか(たぶん1.2-1.3気圧ぐらいとのこと)。佐宗さんから見て、かなり低かったらしい。かなり長いこと触っていた。

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(そういえばKoksijdeの試走日U23のオランダ代表Twan van den Brandにcrosscheckさんが空気圧を尋ねたときには、メカニックが1.4、と答えていた記憶)
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  • さて、スタート直後、落車もみられたが。

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  • そして、砂の下りで

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  • 異次元の走り。

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  • 07年マイアミで彼を初めて生で見た時がよみがえる。砂の上を滑るようだ。今回このレースに赴いた目的、私もほぼ達成した感がある。
  • http://d.hatena.ne.jp/tannenbaum/20071126/p1←初生クロス観戦のときのチャンピオンの写真あり。
  • なお、この砂の下りの試走で彼が走るのを見ていた他の選手たちが「自分もあんなふうに下れるような気がした、そうなれるように練習したい気持ちがわいてきた。」と言って嬉しそうにしていたのも印象的だった。

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  • さてレースの先頭争いは、若者同志がヒートアップして、展開から眼が離せない。

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  • カテ3で、一部の人たちだけでなく、会場内のここまで多くの人たちがレース展開に固唾をのんで、声援を送る。東海の観客は、勝負の行方を見守るのに熱心だ、という感想を言っていた人がいた。
  • ということでカテ3は終了。ビールのおごりは今回はなし。

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  • おっ、私の事前チェックで優勝有力候補の國井選手だ。話を聞くと、直前までインフルエンザだったので、あまり期待しないでというような発言。それよりも、とチームメイトの山中選手推しがあった。私も直前までのリザルトチェックでこのところ上げている人だと思った名前だ。

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(このとき、顔はみえなかった。。)
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  • 元信州クロス組も筧五郎さんの訪問を受け、旧交をあたためていて和やか。まだC1のスタート時刻まで2時間ある。

*1:結局、コースの様子からして寄って超広角はつかわず望遠と35mm単焦点の2本に絞ることにした。

*2:現在は通常の勤務をこなし、出張もしている

Cyclocross Tokyo (Day2) 白い硝煙赤い光

【2日目】
今回のお台場は二日とも熱い戦いが観られてよかったです。

  • 前夜のCXHairのトークショー満喫により遅くなり、女子は残念ながらほんの少し観戦。午前中は風雨が激しかったそうなのですが、わたしが着いたときには終息していました。

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  • 男子エリートのスタート前、ちょっと出遅れたら前日とはくらべものにならないほどの人垣で、もうとても近寄れず。。報道陣の数もこれがシクロクロスとは思えないほど。あーあーとぼんやりしていると知り合いに「砂浜に出てくるところ狙いの場所に行っておけば」とアドバイスされ砂浜出口に。

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  • Garry MillburnとJeremy Powersが前で入ってくる。Millburnは2015年のオーストラリア選手権で3位の選手だとか。

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  • 竹之内選手、Ben Berdenに負けていない。

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  • 後ろ、つかえたか。

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  • もうこういうのが撮れたからあとは写真は失敗ばかりのでもいいかも、と思ってしまった1ショットごとに見応えあるひととき(世界選代表メカニックの橋本さん、アドバイスありがとうございました)

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  • 砂が選手の腰より上まで舞い上がっている。
  • さて、周回数がありますから、何か所かで観たいと思いとりあえずシケインへ。

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(全米シングルスピード選手権有力選手のTim Allen)
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(外国人は飛ぶのに、日本人は誰も飛ばないんだね、という観客の声が聞こえましたが、勝てばいいんです。力強いヒカル選手のフォーム)

  • この頃は戦況云々というより、あちこちで見てみようモード。シケインの横で知り合いのメディアの方とNys引退セレモニーの日程とか、Superprestigeシリーズ最終日の打ち上げパーティーの中継についてなど話したり。

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(アイスクリームだと思ってたら、けん玉を持っていた織田聖選手。)
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  • 林の中は泥。知り合いがここで撮影していたが、確かに光がいい具合に射しこんでいて、泥の表面が綺麗。泥の綺麗さってなんだろう。中村龍太郎選手。

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  • 竹之内選手の気迫。

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  • フライオーバー。前日とは一味違う迫力、スピードだ。橋口選手。

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(向山選手)
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  • スタート時の遅れを少しずつ詰めてゆく小坂光選手。このときすでにBen Berdenは抜いていた。

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(海苔の会社のゆるキャラの着ぐるみは、SNELの選手が入っていたという話。)
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  • さて終盤は砂浜で戦況を。観客の居並ぶコーステープ際に轍が集まる。波打ち際より走りやすいんですかね。

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  • このときは、竹之内選手が先頭で、後ろがJeremy Powers。ふくらはぎ故障と手の怪我を抱え痛みがあるだろうに、ここで日本の観客の前でレースを作る竹之内選手の姿勢に、自負心とか責任感というものを感じた。
  • そして、Powersは様子見なのか、苦しいのか?さらに、後方にはこの時点で小坂光選手がここまで迫ってきていて、場内大いに沸いている。

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  • 竹之内を追うパワーズ。顔が赤い。暑さがこたえているのか。

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  • あっ。竹之内、降車。パワーズもストップ。小坂光が迫る。

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  • 踏みとどまって先頭を守る竹之内、そこへ見る間に小坂が追いついた。一つ上の写真とさほど時間を置いていない。小坂、この区間が得意。

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  • 固唾をのんで先頭が来るのを見守るラスト2周回目。ラップされようとする橋口選手は後方から迫る先頭争いを邪魔しないように、気が気でない様子。

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  • 小坂、先頭。パワーズは竹之内の後ろ。すごい歓声。私も声を枯らしていた。手ぶれ防止レンズありがとう。

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  • このときのパワーズの心中、いかばかりか。

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  • 顔がかなり赤い。

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  • ラスト周回から二番目のフライオーバー。

ところで、CXマガジンの記事でこんなパワーズの言葉が引用されている。

シクロクロスでは、最終周回以前の周回は学びのセッションのようなもの。ラインを学び、エネルギーをセーブし、それを最終周回で一気に爆発させる」とパワーズは言っていた。

そして、パワーズは文字通りその通りにした。砂を叩きつけながらコーナーリング、フライオーバーを超え、そして最後のストレートに突進した。勝利に向かってパワー全開で走ったのである。

Cyclist.Sanspoの記事を見ると最終よりの前の周回でパワーズは波打ち際のラインを試していたとか。

実況アナウンスの白戸さんも、彼が切り札となるカードを切るのはいつか、というような言い方をしていたような記憶がある。

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  • ブリッツェン応援団の応援旗が燃えるよう。

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  • ラスト周回の砂浜、依然先頭の小坂光。

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  • パワーズ、波打ち際寄りにコースを取る。

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  • パワーズが波打ち際寄りから一気に追い抜いた!

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  • パワーズ前へ。あああーという観客。

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  • 砂浜を戻ってきたときはすこし離れていた小坂、テクニカル区間で少し詰めたが最終のコーナーまでに逆転には至らず。もう、抜き所はない。

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  • ヒカル選手に観衆の気持ちが集まっている。

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  • ブリッツェン応援団。よくやってくれた、という言葉が聞こえた。

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この前夜トークショーでRapha Cycle Club Tokyoで話を聞いたCXHairのBillさんによるレポート(RaphaのHPより)。彼は一昨年の大雪、昨年の風雨を知っていてお台場で行われるこの東京シクロクロスの特徴として、砂のほかに「(ふつうでない)天候」を挙げていた。

  • スタート直前、あまりの暑さに半袖にカットされたPowersとMcDonaldのジャージの袖はサイン付きでファンの手に渡ったらしい。
  • "unreasonably"な暑さにやられてPowersは前半特に本来のテクニックを発揮できないほど参っていた。
  • 竹之内と連なって走り、彼のミスに乗じてリードしたが、その間、小坂がひたひたと迫り、抜け出し、リードを奪った。
  • パワーズにとっては自らの腕から勝利がみすみすこぼれ落ちてゆきそうな「なんてこった!」な局面(本当は書けない言葉だったのをBillさんが"Oh shoot"と書き換えたのか。苦笑)。
  • ここでパワーズとしては、負けるにしても自分の本領を発揮したうえで、限界以上に力を出し切りたいと思ったらしい。
  • パワーズが暑さに苦しんだことで、会場の多くのファンにとってはスリリングな最終周回になった。
  • 最終周回、コースに抜きどころが少ないのを知っていたパワーズは早めに仕掛け、最終コーナー(その後ぬかしようがない)で前をとり、勝利した。
  • レース後ファンとにこやかに会話し、サインするパワーズは、レース半ばまではどうしようもなく消耗していた、レースのラスト10分の努力のおかげでレース後笑顔になれた、熱狂的な大観衆の前で光や悠といいバトルができてよかった。と言っていたようです。

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  • 正直ほっとしただろう。勝ってなかったら、レース後のサインはこんなに和やかだったかどうか。

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(レースに関する参照記事)

ブリッツェンのレースレポート。

竹之内選手のブログ。

前半リードを奪っていた竹之内選手は、自分の故障との関係で、これ以上スピードアップしたら1周回増えてしまい自分が走りきれないことを恐れ、それ以上スピードを出さなかったのだとか。故障と戦いながらのレース運び。。そういえば、途中から竹之内選手の表情が辛そうにな気がして心配だった。ずっとこんな状況で気持ちを保ちながら、激しいレースを走ってきたんですね。
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  • 表彰台の竹之内選手は、すがすがしい表情。

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  • そして小坂光選手。砂浜でパワーズが一気に追い抜いたときは少しミスもしてしまったところもあるとか。もう一歩だったけれど、当初の遅れを冷静に挽回し、なお最後まであの闘い。今シーズンは一皮むけた強さを感じる。本人は全日本チャンピオンに目標を絞っている、という発言をしているけれど、今後また国際レベルと彼の遭遇が楽しみ。

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  • お台場のレースで選手が走っていてうれしいのはこういうところではないだろうか。ゴールする兼子選手に寄せられる拍手。

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  • さしのべられるたくさんの手。

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  • タッチしながらゴール。

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  • ゴール後語り合う、國井選手と合田選手。

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  • 談笑しながら掃除の手を止めない、合田選手。トップレベルでレースした後、家庭生活が待っている。

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  • 斎藤選手の背中に飛び散る泥の模様。

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  • 勤務の事情で競技からいったん離れる濱選手。これまでどうもありがとうございました。待っています。

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ということで、満喫したお台場も終わりました。夕方から女子納会があり、わいわいお台場の景色を楽しみながら語ったのでありました。
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皆さま、お疲れさまでした。

Cyclocross Tokyo 2016 (Day1) 幻のおにぎり伝説

お台場のシクロクロス。去年行ったっけ?そういえば、息子の受験で行っていませんでした。その前は、雪で、2日目はかろうじて。今年は2日とも観られました。
【1日目】

  • 朝起きたら頭痛で動けず。回復を待ってのろのろ出撃しました。
  • 天気いい。

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(なんか、さわやかだぞー!)(超広角レンズでフライオーバー撮影は楽しかった)
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(上の人とどっちが爽やかでしょう?)
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(ああああ、この造形…)
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(逢いたかった〜ビブちゃん)
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(いい戦いだった。)
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(低い構えの織田聖選手)
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(世代を超えた戦い。)
M1の筧五郎選手と、C2の織田聖選手。マスターズチャンピオンと、ジュニアチャンピオン。レース前に同時スタートを知った筧五郎選手が「かかってこい。全力で倒してやる」とFBでコメントしたものだから、両者メラメラでスタートし、そのままガチンコ勝負になったらしい(そんなやり取りはレース後知った。)
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絶対、譲らない。という強い対抗意識が、観客にも伝わってくる。

  • 近くにいた足立さんが、朝おにぎりがどうのこうの、といっているので聞き直すと、朝コンビニで筧五郎選手と遭遇したときに、お金をうっかり彼が持っていなかったというので、おにぎりを1個買ってあげた。それで彼が勝ったらいわば、自分のお陰だ。という論理であった。勝っちゃったら、どうしようかな〜とはずんだ声で言っている(苦笑)

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(勝ったら筧さんこのあと何を言われることやら。。)
レースは、年の差2倍以上?筧選手が思う通りに進めているように見えた。最初、後ろについていたが、、しばし差を広げる。ベテラン、強いねーと沿道の観客たち。しかし、後半。
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(ヒジリ選手が行った。)
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  • いつも独走している織田聖選手がほかの選手との競り合いを見せている。観客も喜んでいた。

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(毎周回ジャンプ。)
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(勝利が決まったかに見えたあと、さすがにきつそうな様子も。)
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(筧五郎選手、よいレースをありがとうございました)

  • 世界選でごちゃごちゃの集団の中、大丈夫だろうか、と心配していたが大きなトラブルなく走ったヒジリ選手、これからどんどん色々な経験を積んで、どんな風にステップを登っていくのか。楽しみです。

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いい表情。(Photo by 春日部写真店さん via 須崎さんのflickrより)

  • レース後、聖選手に遭遇したら、普段寡黙な印象の彼が嬉しそうに、絶対勝ちたかったから、本当にうれしい。今回のレースは、レース前の筧さんの言葉でとても燃えていた。と積極的に話してくれた。

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  • http://www.56cycle.com/archives/2750 ←筧五郎選手のブログ。スタート順が後方だったのを、チャンピオンジャージへのリスペクトを、という周囲の声でマスターズ前列に移動してのスタートだったらしい。

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(筧さんが勝っていたらおにぎりの伝説として、10年は語られるところでした。)

  • レース後数日、筧さんからブログ用にアダチモフの写真を要請された。おごったおにぎりが1個だったからなのかもしれない、2個だったら、、

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その後もレースを見て、エスキーナのアヒージョ丼を食べて、満足のうちに日が暮れていった。
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  • そしてこの後夜、Rapha Cycle Club Tokyo でCXHairsのトークショーとなる。長い一日であった。そして翌日もレース。この二日は、いわばお祭りですので。

CXhairs presents シクロクロス世界選手権2016 レビューナイト with ジェレミー・パワーズ に行ってきました

お台場は盛り上がりましたねー。全部は見られなかったのですが、男子エリートを始め、見応えある戦いが随所にあった印象です。で、その話は別途ということで、Rapha Cycle Club Tokyoにおいて土曜日の夜に行われたトークショーに行ってまいりました。

  • Rapha Cycle Club Tokyo は昼間のレース疲れをものともしない人たちが詰めかけていました。In the Crosshairs (CXHairs)というサイトでシクロクロスのレースレビューを書いているBill Schiekenさんがメインのトークを行い、翌日のエリートレースの最有力優勝候補のJeremy Powersも臨席。Rapha Japan代表矢野さんの逐次通訳でヒアリングに自信のない人も(私だ)楽しめました。

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フィンガーフードや飲み物を楽しんで小腹も満たせました。なんてお洒落。

  • この日のイベントはBill Schiekenさんがレースのビデオを題材に、#SVENNESSの動画で好評を博しているレース解説をするというもの。

(Bill Schieken氏)
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(モニターわきで語っている、ひげの男性がBillさん。)

  • http://www.cxhairs.com/ ←In the Crosshairsという彼のサイト。米国やヨーロッパのレース講評や、選手を招いてトークするPodcastのコーナーもあり、そして有名な#SVENNESS。
  • https://vimeo.com/148756834 ←現在公開されている最新版#SVENNESSは、今シーズンのKoksijdeのレースを解説しているもの。


https://vimeo.com/148756834より画面キャプション)

  • レースビデオの進行に沿って時折こんなキャプションが挿入されてゆくのですが、かなり興味深いのでおすすめです。英語が瞬時に読解できなければ、一時停止すればよいのです(笑)
  • Billさんは長身の方でもともとバスケットボールの選手だったそうですが、故障後は指導などをしていて、そのため、試合の動画を見て分析することについてはお手のもの、シクロクロスを解説しているところがほかに見当たらないというところで始めたのだそうです。

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(Jeremy Powers選手)

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(日曜日のエリートのレース、終盤のPowers)
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(手前に座っている男性がPowers)

  • Jelly Bellyでロードと掛け持ちしてTour of Californiaなどに出場していたところ、2007年に米国で最初に結成されたプロのシクロクロスチームCyclocrossworld.comでシクロクロスシーズンは過ごすようになり、2010年にUSGPという国内シリーズを勝ち、ワールドカップでシングルリザルト、2012年に国内タイトル、2013年まではロードと掛け持ち、昨シーズンからシクロクロス専従となったのだとか。
  • アメリカも以前はシクロクロスだけでは食べてゆけなかったけれども、今ようやくそれが可能になってきたとのこと。シクロクロスシーズンのオフが短くなったというのもあるようですが、オフの間彼は自転車クリニックや指導をしているようです。ロードで夏場も長期巡業の生活と比べたらずいぶん家族思いな暮らしができそうですね。
  • さて、トークショー前半はJeremy Powersの米国内レースを中心に彼の走りについての解説、後半は、先日のZolderの世界選手権男子エリートレースの解説しているリリース寸前の#SVENNESS最新版を見ながらのトークでした。
  • とにかく、前へ、前へ。位置取り争い、米国内レースだと知り合いだらけで、声を掛け合ってという面もあるけれども、ヨーロッパで何十か国もの選手が出てくるワールドカップなどになると言葉ではなく、肘でやりあうしかないという話。
  • シクロクロスでは、スタート後最初に前方から取り残されるとどれだけ後方に追いやられてしまうかという実例を矢印で。
  • 舗装路区間というと、ヨーロッパの回りの選手は足休めどころ。しかし、アメリカの選手は、そこでハッスルしないと前に出るチャンスがないのだとか。でもそうすると全く休めなくなってしまいますね。。
  • そんなアメリカの選手、以前は本場の選手たちにはスルー扱いだったところ、先日のレースでJeremyさんの進路をふさいでしまったVan der Poelが後でショートメッセージでごめんね、とJeremyさんに言ってくる程度に市民権を得てきたのだとか。

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  • 後半。世界選男子エリートのレースを題材とした#SVENNESS未発表最新版事前公開。ファンデルハールがラスト勝負をかけたシーン。難易度の非常に高い急坂下り+直後コーナーでVan Aertが毎周回片足をペダルから外してコーナーを曲がっていた場所で一気にVan der Haarがすごいスピードで抜き去ったシーンは、プロのJeremyさんからみてもイチかバチかの超絶プレーな賭けだったそうです。
  • こういう特別なカードは、レース序盤ではなく勝負どころの最終局面までとっておく、ジョーカーのようなものだそう。
  • 勝負の分かれ目となった登りのあとのコーナー区間ですがVan der Haarがレース後にメディアに語った「インナーに落としたつもりが、アウターに入ったままだったミス」は本当の遅れの要因というよりも、むしろ言い訳的なもので、それ以上にもう彼の脚があの場面では残っていなかったようである、という説明をBillさんはしていました。ふむふむ。

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  • Billさんがとても好きなセクションというのがZolderのキャンバー登り、例の上ラインからでも下からでも行ける折り返してのぼってゆく区間。SVENNESSの第一作めでも取り上げられていた。Van der Haarが上側を通過したときにJeremyさんが「ここは下のほうがよかった」とコメントしたので、「今回のみの話なのですか」と聞くと「そう。今回の状態では上を行くとパワーがより必要となる。その時の状況や選手のパワーにもよるけれども、Van der Haarについては今回は下のラインがよかったのでは」というようなことを言っていた。
  • あとBillさんがいままでのレースで最もエキサイティングだったのはどれ?と聞かれると、今回の世界選もそうだけれど、あとは2007年、例の「飛ぶシケイン事件」カメラバイクにコーンが飛ばされ、それによりWellensとNysが転倒し、あわや米国人Jonathan Pageが優勝か?などのドキドキ展開だったレースを挙げていた。何を隠そう、私がシクロクロスにハマったレースである。↓


(アクシデント後の展開がエキサイティング。一度は、観ることをお勧めする。この世界選後、カメラバイク関係者を相手取って手首を骨折しながら完走したWellensが訴訟を起こすと息巻いていたという記事を読んだ記憶がある。)

  • Jeremyさんは子供の頃エネルギーが有り余る問題行動があったようだけれど、自転車競技と出会ってうまくいくようになったとのこと。温厚で、とても親切にファンサービスする彼には好感をもちました。今度アメリカにおけるシクロクロスの発展と展望についても話をお聞きしてみたいです。夜までイベントに出て、そして、翌日のあの勝負ですよ。色々な面で楽しませてもらいました。ありがとうございます。

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(FRIETENチームのステッカーをあげたらにこにこして、私の着ていたFRIETENのジャージのロゴには目がとまってたよ。とコメント(やっぱり笑えるのだろうか。。))
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(翌日のレース後、ファンサービスに余念がない。親切な態度を崩さないプロ。)
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矢野さんのツイートにもあるけれどレースに出る人たちもこういう見方をして分析するっていうのが浸透するとよいですね。テクニカル、戦術解説実戦用、というレクチャーができる人、国内にもいらっしゃると思いますけど。
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実は私、現在のRapha Cycle Club Tokyo訪問は初めて。お洒落サイクリストとは最も遠い人種なのでちょっと敷居が高かったんですが、それを上回る今回のコンテンツの楽しさ(写真家さんのトークショーもあったが、全部出るわけにもいかず)*1。今後も、色々と楽しみにしております。
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*1:Raphaの小俣さんには「来ると思ってました」と言われました。苦笑