tannenbaum居眠り日記💤

観戦者の目による、おもに自転車(おもにシクロクロス)関連のすみっこネタブログです。

アンドレアス・クリアー(現場指揮官)


旅行のときドイツ国鉄ケルン駅の雑誌店で購入したProcyclingドイツ版。フースホフトとハウッスラーが表紙で、中身にも彼らの特集があるが、チームメイトのドイツ人ベテラン、アンドレアス・クリアの特集もある。渋い!
 
英国版を持っている友人の話では、フースホフトとハウスラーの記事は英国版にはあるが、クリアーの記事はなかったらしい。やっぱりね。
昨年ブレイクスルーの年となったハウスラーが、有力候補としてフランドル1周の前に受けたCNインタビューで、ベテランチームメイトのアンドレアス・クリアーの経験と戦略眼が大きな助けになっていると述べていた。
www.cyclingnews.com presents the 93rd Ronde van Vlaanderen

HH:
アンドレアス・クリアーはチームのクラシック班における中核だ。彼がいなければ今ほどうまく走れないだろう。彼は戦略をわれわれに伝える。とても豊富な経験があるんだ。彼はすべてを知っていて模範になっている、つまり、レースのどの時点で前に出て、いつリラックスするか・・・

コレイアの最新のブログエントリー*1、スイスの布陣の中でクリアーの重要性について言及。
Joao is me: An Unforgettable day

アンドレアスは経験豊富でレースで何が起こるか事前に予想できるんだ。クラシックレースにおいて、彼に代わる存在はいない。(サーヴェロの”Beyond the Peloton"のシリーズを見るとわかると思う)

残り5km地点、アンドレアスはトールのところに来て言った「前に出よう」ゆるい登りセクションで皆は同じリズムで走っていたときにだ。アンドレアスは経験のあるもののみが可能な方法でやすやすと50人を抜いて前に出た
(その後、コレイアは前のグループから脱落することになる)

はいはい、コレイアさんに言われる前にBeyond the Pelotonで私もクリアーの現場指揮官ぶりを目撃していましたよ。。
上のハウッスラーのCNインタビュー直後、09年フランドルのレース動画(レース後半編)。クリアーの役割がよく映し出されている。

  • 0:55ごろ、ダン・ロイドが無線で「ミュールの前で一発仕掛けていいか」といったところ、監督車内のヴァン・ポッペルが口を開くより先にクリアーが「今は力をつかうところじゃない、温存しろ」と指示。
  • 2:30ごろ、2位争いの集団スプリント、飛び出したハウスラーに"Don't f*cking look back!""Ride!Ride!Ride!"と号令をかけているのもクリアー。

たしか、このスプリントの飛び出しのタイミングを具体的に指示したのもクリアーだったという記事を読んだ気がする。去年のハウスラーの躍進に重要な役割を果たしていたクリアー。
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サーヴェロのツール布陣(最終版)が発表になった:

Cerv lo TestTeam - Tour de France 2010
Xavier Florencio (ESP)
Volodimir Gustov (UKR)
Heinrich Haussler (GER)
Jeremy Hunt (GBR)
Thor Hushovd (NOR)
Andreas Klier (GER)
Ignatas Konovalovas (LTU)
Brett Lancaster (AUS)
Carlos Sastre (ESP)

Reserve:
Daniel Lloyd (GBR)

バランスがよいというか、どっちつかずというか、、というのは置いておいて、クリアーが闇将軍、じゃなくて現場監督振りを発揮して見えない効果が出るのが楽しみだ。

  • たとえばスイスのリザルトだけ見ると、クリアーの順位は総合100位台。それだけではわからない働き。

Andreas Klier - Wikipedia, the free encyclopedia
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  • ついでに、ジェレミー・ハント(こちらも渋い)が36歳にしてツール初選出。石畳区間でエースを守るんだろうね。ハウスラーも彼のサポートで走るのは気持ちがいい、と上記インタビューで語っていた。クレディ・アグリコル時代はそのリラックスキャラで神経質なニコラ・ロッシュを落ち着かせながら一緒に走って成長を促した*2・という話もあるし、こういうベテランの数字に出ないサポートは大切なんだろう。

*1:ラボバンクの選手がクラッシュしたため停車していた救急車に激突し、翌日スイスをリタイアした

*2:癒し系アシスト?