tannenbaum居眠り日記💤

観戦者の目による、おもに自転車(おもにシクロクロス)関連のすみっこネタブログです。

決別と再生

今月のUKCS5月号は個人的に気になる記事が多かった。
2001年のU23TT世界チャンピオンになった経験もある、元ガーミン、今年からHTCのダニーペイトの記事。
昨年、ガーミンファンの友人が「ダニー・ペイトがレースにだしてもらえず不遇をかこっていて、twitterで言っていることが投げやりで心配。。。」と言っていたが、その後意外にも?HTCへの移籍が決まり、よかったね。と思っていたところ、今回の英CS誌に記事がでていた。

  • 08年ツール、09年ジロでステージ3位を獲ったダニー・ペイトを以前チームがまだTIAA-CREFという3部チームだったころに採用したヴォータースとの関係の悪化がささやかれていた。
  • 昨年のペイトはグランツールどころかレースに出るチャンスを封じられて箱に閉じ込められてしまったかのよう。
  • 親しい友人でチームメイトであったトム・ピーターソンによると、彼はtwitterで自分のトレーニングや好調さを示すような「自己セールス」をしないばかりか自転車と関係ない断片的なつぶやきをしたり、他人がちゃんと仕事をしないのを非難していた。それで彼は練習に熱心でないような誤ったイメージを植えつけられたんだ。彼は誰よりもハードにレースを走るのに。チームはそういう彼の表面をうちやぶることができなかった。
  • ピーターソンはしかしどちら側も非難はしておらず、こういう状況下では、ペイトはヴォータースとの何年もの間の「父子関係」に終止符を打ち、チームを変えないと成功できないと考えていたようだ。
  • ヴォータース監督は「彼を大きく育てることはずっと自分の課題だと思っていた。世界のトップ20に入る選手になれると思っていた。それは彼の身体的には可能だが、精神的にはそれを本当に望んでいるようにはみえない。自分の期待のほうが大きすぎたらしい。自分は彼の成功を見たいと思っていたが、ともかくこのチームではそれは出来ないことだと考えた。」と言っているらしい。

いやあー、こうなったらやっぱり別のチームに移籍できて(それもビッグなところで)もしかしてブレークできちゃったら、みんなハッピー。??

  • ヴォータースはHTCでのペイトは「チーム規律をガーミンにいたときよりもより遵守できないといけない。私は規律を守らせる側だったが、怖がらせてそれを実行するタイプではない。ペイトは私がそういう立場だと理解できなかったようだ。だから彼がチームを変えたほうがよいと思ったんだ」

ペイト31歳。自己表現が下手っぽいけど、走る機会を得られれば生まれ変わるかな。(なお、シクロクロスも走る人みたいですね)
Danny Pate - Wikipedia, the free encyclopediaWikiに過去の戦績が(英語)。しかし2010年はまったくブランク。


2010年デパンヌ第2ステージ、いてつく冷たい風雨の中、ゴール後、少年ライダーのおねだりに笑顔ひとつみせず、視線もかわさないけれどボトルを渡してあげていたペイトの姿は印象的だった。ほかの選手など、体が冷えすぎて恐ろしいほどガタガタ大きな震えが止まらず、スタッフに抱えられながらゴールするような厳しい天候の中だった。

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HTCのステイプルトンは若い才能豊かな有望選手を青田から刈りあつめてきて、後進育成上手もしくはお仕事職人系の超ベテランを織り交ぜたチーム作りが上手いといわれているけれども、ペイトみたいな不完全燃焼系選手を採用するのはどういう趣旨だろうかと思った。不遇の時に矯められたパワーに期待しているのかも。